東京でマンション暮らし、賃貸と購入どちらがお得?年代別にシミュレーションしてみました。

東京のマンション事情を考えると、家賃にしても分譲にしても、非常に高額になるため、何をどのようにすれば良いかが分からなくなる人も多いかと思います。
また、特に購入する人にとっては、「一生に一度の買い物」の勝負を掛けるため、余計ナーバスになることでしょう。
しかし、手がかりが何も無い訳ではありません。
ここでは、東京でのマンション事情と背景に関して、持ち家率、収入状況、住居費の状況、物件の仕様について述べ、そして各世代における購入の際の費用的シミュレーションを行いたいと思います。

1)東京の持ち家率について

まずは東京の持ち家率を見てみましょう。
日本全体を見渡すと、全国の持ち家率が67.2%なのに対して、東京は45.8%となっています。世代別に見た場合では、25~34歳の層が約1割程度の値からスタートし、45~54歳の世代で半数に上り、65歳以上で6割を超える推移となっています。

(1)25~34歳

持ち家率…約1割
この世代で平均年収が300万円代後半に届く世帯が出て来ます。少ないながらも、マンション購入を決断する人が現れます。

(2)35~44歳

持ち家率…4割に近づく
収入が高い水準で安定して来るので、住宅購入にも踏み切りやすい状況が出来て来ます。また、この時点で持ち家率が増えることから、この世代で購入を決断する世帯が非常に多いことが分かります。

(3)45~54歳

持ち家率…大体5割
住宅購入に踏み切る世帯が更に多くなります。全体的に高水準の収入の世帯が多くなり、更には子供が大きくなって本格的に住宅が必要にもなって来る背景が見えます。

(4)55~64歳

持ち家率…大体6割弱
持ち家率は高くなりますが、新たに取得する人はむしろ少数派となります。この頃の年齢になると、金融機関のローンの条件があまり良くはなくなり、長期のローンは組めなくなって来る背景があります。

2)東京の年代別の収入分布

東京の賃金相場ですが、平均年収が612万円、平均月収が38万円となっています。
20代からの賃金の推移としては、20代の300万円代から始まっていて、40代になると700万円のレベルに至ります。

(1)20代の収入

平均で379万円
男性平均…399万円
女性平均…356万円

この世代の平均値は379万円と出ていますが、実際には20代前半と後半では年収も変わって来ています。と言うのも、ちょうど20代前半で仕事に慣れて、後半で責任を持つ立場に就くケースが増えて来るケースが多くなるからです。

(2)30代の収入

平均で554万円
男性平均…597万円
女性平均…468万円

この世代は、仕事も重要なプロジェクトに携わるケースが増えてきて、それにリンクする形で収入も増えて来ています。30代においても、前半と後半で収入の変化が見られますが、30代後半で役職に就く人が増えて来る背景があるからと思われます。

(3)40代の収入

平均で717万円
男性平均…782万円
女性平均…548万円

40代になると、役職に就く人も増えてきて、それに連動して平均収入も増加します。また、役職を持っている人が、更に昇進をして収入を稼いでいる状況が見て取れます。

3)年収別家賃支払い額とローン支払い額

家賃は「収入の3分の1程度以内で4分の1であれば理想的」とも言われますが、実際の借入率を見てみると、意外に4分の1を下回っているケースが多い様です。
また、賃貸マンションの家賃と分譲マンションのローン返済額を比較してみると、収入別の差異はあるものの、全体的に賃貸マンションの家賃の方が上回ります。

(1)年収400万円世帯

家賃8.3万円
購入1,500~2,500万円(月々5~7万円)

比較的若い世帯が多く、そしてシングルの場合が多いです。購入は可能ですが、持ち家率から考えると、購入に踏み切る人は少ないです。

(2)年収500万円世帯

家賃10.4万円
購入2,500~3,500万円(月々8~10万円)

収入の傾向からすると、30代の世帯が多いです。ファミリーが多くなり、住宅購入に踏み切る世帯が増えて来ます。

(3)年収600万円世帯

家賃12.5万円
購入3,000~4,000万円(月々10~14万円)

世帯から考えると、30~40代の世帯が多いです。ファミリーが更に多くなり、年収も増えるので、購入に踏み切る世帯が増えます。

(4)年収700万円世帯

家賃14.6万円
購入3,500~4,500万円(月々11~15万円)

年収からすると40代の世帯が多くなります。ファミリーの場合ですと、子供も大きくなって来て、部屋が必要になるケースが多くなります。

4)東京の賃貸マンションの家賃と仕様

東京都内の場合、マンションの家賃は立地条件によって決まる部分が非常に大きいです。目安としては、「新宿・渋谷・池袋の様な大きな街や都心へのアクセス」「山手線の内側・外側」「人気の街かどうか」等のいくつかの要因が複合的に絡み合って決まります。
例えば、港区の各国大使館の並ぶ街のマンションの場合、家賃が50万円とも70万円とも言われる物件が見られます。閑静な街並みの一等地で、都心へのアクセスも非常に良いことから考えると、一見すると法外とも思える家賃も、納得できる価格と言えるでしょう。

(1)家賃8万円レベル

物件の場所や築年数等にもよりますが、8万円代の家賃は1Kやワンルームが主流になって来ます。
ただ、新宿区などでも8万円代のワンルームが見られるので、高額な家賃の支払いが難しい学生や、単身者ならば物件選びもあまり困ることは無いと思われます。
また、エアコンやオートロックを設置している物件も見られます。
尚、この家賃のレベルで、ファミリータイプのマンションになりますと、場所を選ぶ必要が出て来ます。23区内でもあまり人気の無い限られた地域になってしまい、物件の仕様を選ぶ余地も少なくなって来ます。

(2)家賃10万円レベル

家賃が10万円代になって来ると、部屋の状態もグッと良くなって来ます。新宿区や豊島区の様な街でも、ワンルームの場合でも比較的広い部屋を借りることが可能になります。また、このくらいの家賃になると、ファミリータイプも少しずつ見えて来ます。
ところで、土地をもう少しリーズナブルな場所にするならば、10万円あれば結構な広さのファミリータイプのマンションを借りることが可能となります。家族連れで、静かな住宅街に住みたい世帯には、物件選びに困ることは少ないでしょう。

(3)家賃12万円レベル

家賃が12万円のレベルになると、渋谷区の様な「人気の街」が射程圏内に入り、間取りや設備も条件の良い物件になります。
また、家賃12万円レベルになると、地価の安い地域では物件の条件が非常に良くなります。設備が非常に充実して来ますし、間取りも非常に広くなっています。そして、駅からのアクセスも非常に良くなりますので、通勤等に関しても非常に便利になります。

(4)家賃15万円レベル

家賃が15万円のレベルになると、千代田区や中央区の様な都心に居を構えることが可能になって来ます。また、新宿や池袋の様な大きな街にも非常に便利な物件を見つけることが出来ます。
また、家賃のレベルが上がって来ると、設備の仕様も非常に良くなります。
尚、地価の比較的安い地域になると、家賃15万円のマンションはあまり見つからなくなります。高額家賃の賃貸マンション自体が無くなってしまう様な状況とも思われます。

5)分譲マンションの購入価格と仕様について

マンションの価格で忘れるべきでないことは、新築と中古で非常に価格が違って来ることです。当然ながら、築浅とは言え、中古マンションは新築のブランドには勝てず、価格面では不利になります。
尚、中古マンションとは言っても、内装や設備を最新型に改装したリフォーム物件もありますので、安いからと言って生活の質が落ちるとは限りません。

(1)購入価格1,500~2,500万円レベル

新築マンションもありますが、中古マンションがメインの価格帯となります。また、立地条件もあまり良くない物が多いです。

(2)購入価格2,500~3,500万円レベル

この価格帯になると、新築マンションが多くなって来ます。ただしマンションの中でもあまり人気の集まらない部屋になってしまう場合が多いです。

(3)購入価格3,500~4,500万円レベル

地域にもよりますが、都内の新築マンションの平均的な価格帯となります。

(4)購入価格4,500~5,500万円レベル

これも地域は限定されますが、都内のマンションの平均的な価格帯となります。ただ、3,500万円~4,500万円のレベルよりも少し良い条件が狙えます。

(5)人気の地域のマンションは?

人気の地域の分譲マンションの平均価格は5,000万円を超えてしまい、平均の収入では手が届きにくくなってしまいます。
また、人気の地域は1億を超える超高級物件も出て来ますので、平均値を押し上げている状況も見えて来ます。

(6)分譲マンションの値引きについて

分譲マンションの場合、タイミングは考える必要がありますが、値引きを狙うことが出来ます。不動産業者の値引きは金額的に非常に大きく、100万円単位の値引きも期待が出来ます。

6)年代別のシミュレーション…購入と賃貸、どちらがお得?

ここでは、各世代毎に賃貸マンションの35年支払った合計額と、物件金額を比較してみます。
計算の条件は、35年分の家賃としては、420ヶ月分として、初期費用や更新料は含んでいません。また、購入物件に関しては、住宅ローンのみの計算とし、初期費用や修繕積立費等は含んではいません。
ですから、このシミュレーションはあくまでも一例です。物件やローンの条件によっても変わりますので、参考情報としてください。

(1)20代世帯

収入が平均値の379万円とすると、賃貸では家賃が8万円レベルの物件となり、分譲の場合では2,500万円レベルの物件が狙えます。
8万円の予算だと、賃貸にしろ分譲にしろ、利便性の面からするとあまり良い物が見つかりにくいです。
ただ、賃貸にするならば住み替えがしやすい価格帯ですし、分譲にすればローン負担が少なくて済みます。
因みに、20代世代には、ローンを組むのにも時間的な余裕があり、長期の物も組みやすいです。
ただ、結婚等のライフイベントを考慮して、分譲で決めるのを一旦待ち、とりあえず賃貸に落ち着いて、年収が上がった時にワンクラス上の物件を検討するのも十分アリです。
尚、かなりざっくりとした計算になりますが、賃貸物件を35年借りる場合、8万円の家賃だと3,360万円掛かる計算になります。2,500万円のマンションを35年ローンで買えると考えると、分譲よりも賃貸の方がトータルで860万円多く掛かります。

(2)30代世帯

収入が500万円レベルになりますので、賃貸では10万円の物件、分譲の場合は3,500万円の物件を狙えます。
30代になると、シングルからファミリーになる率も増えて来ますので、交通アクセス等の物件の利便性よりも広さが必要になるケースが多くなります。
物件的には、賃貸マンションの場合は都内でも標準的な住宅地に落ち着くと思われま、分譲になると新築マンションも射程に入って来ます。
賃貸と購入で甲乙つけ難く、非常に迷うのがこの頃ですが、ここで重要になるのが「自分のライフスタイル」を再確認することです。
因みに、家賃10万円を35年払い続ける場合のトータルは、4,200万円となり、購入価格の3,500万円よりも700万円多く掛かる計算になります。

(3)40代世帯

40代世帯になると、収入も700万円クラスになりますので、賃貸の家賃でも14万円くらいが可能になり、分譲の場合は4,500万円くらいが可能になります。
この世代で重要になるのは人生設計です。将来を見越して購入するかを決めることが重要になります。
因みに40歳でも35年ローンは組めますので、35年間住み続けることを考えると、賃貸で35年のトータルの家賃は14万円毎月として、5,880万円となります。同じ額を払う場合の購入価格が4,500万円となりますので、1,380万円の差が発生することになります。

7)まとめ

東京のマンションの傾向とすれば、持ち家率は低いながらも、世帯の年齢が上がるにつれて、持ち家率は上がって行きます。中でも収入が多くなる30代の持ち家率のアップが目立ち、この時点での購入が見受けられます。
物件に関しては、物件の仕様も去ることながら、ある一定のラインをまたげば、マンションの立地自体が変わることが分かります。
また、費用のシミュレーションですが、トータルの費用で言えば賃貸の方が高くなる傾向が見て取れます。
よって、費用的メリットを考えるならば購入の方に軍配が上がります。
しかし、マンション購入は損得だけで決められる物では無く、人生設計も併せて検討されるべきです。実際の購入にあたっては、想定できる要因を可能な限り挙げて、総合的に考えて決断しましょう。

この記事をシェアする