犬の肝臓に悪い食べ物とは?肝臓病が怖い理由も解説

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、症状が出る頃にはすでに病気が進行している場合が多いです。そうならないためにも、普段から肝臓に悪い食べ物は控えるなど肝臓にダメージを与えないように生活することが大切です。

今回は肝臓病が危険な理由や、犬の肝臓に悪い食べ物、日常生活でできるケアなどを分かりやすくまとめました。

犬の肝臓病とは?

肝臓病とは何らかの原因によって肝臓の機能が低下する病気です。肝臓病と一言にいっても悪性腫瘍で発症する場合や慢性的な肝炎が原因の場合など種類は様々です。

また、肝臓病の初期症状としては下痢や嘔吐、食欲不振などがあげられますが、これらの症状は様々な病気に当てはまる症状のため「少し様子を見よう」と飼い主様が考えている間に重症化してしまう可能性があります

少しでも気になることがあれば動物病院を受診することが、病気の早期発見・早期治療に繋がります。

犬の肝臓病が恐ろしい理由

犬の肝臓

肝臓病は数多くの病気・疾患の中でも危険性の高い部類となっています。なぜ危険な病気といわれているのか、その主な理由を3つご紹介します。

肝臓の数値に不安のある犬だけでなく、現在は健康体の犬とその飼い主様も知識を持っておくことで病気の早期発見・早期治療につなげましょう。

①重篤化するまで症状が出ない

犬の肝臓病が危険と言われている一番の理由は肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれていることにあります。肝臓はある程度のダメージを受けていても充分に機能し、症状が現れる頃にはかなり病気が進行しているケースが多いことから沈黙の臓器と呼ばれるようになりました。

症状があらわれはじめた頃には、病気がかなり進行しており治療が遅れてしまうということが少なくないため犬の肝臓病は危険といわれています。

健康な状態であっても1年に1度は血液検査などの健康診断を受けることで肝臓の数値の変化にも気が付くことができるのでおすすめです。

②原因の特定が難しい

肝臓病とひとことに言ってもさまざまな原因が考えられるのも、犬の肝臓病が危険と言われる理由の一つです。

ウイルスや細菌、肥満やクッシングなどの原因から発症する肝炎や、極端なダイエットや環境の変化などのストレスからなる肝リピドーシス、悪性腫瘍が原因となる肝臓癌など数多くの原因が考えられ、いずれも特徴的な症状が少ないため診断がつくまでに時間がかかる場合があります。

また、肝臓病が重症化すると他の臓器にも悪影響を与え最悪の場合命を落とす可能性もあるため、飼い主様は小さな変化も見逃さないように注意する必要があります。

③予防や対策が難しい

肝臓病はストレスや環境の変化などハッキリとした原因が不明のまま発症する場合も多いです。そのため、予防や対策が難しいのも犬の肝臓病が危険と言われる理由の一つです。

完全な予防は難しいですが食べ物や体型、生活習慣など肝臓に負担をかけないように心がけることで肝臓病が発症するリスクを減らすことができます。

ここからは肝臓に悪い食べ物や肝臓の数値が悪い際に注意することなどもご紹介しますので、ぜひ参考にして下さい。

犬の肝臓に悪い食べ物とは?

肝臓病のリスクを減らすためには、肝臓に悪い食べ物を与えないようにすることも大切です。犬に与えても大丈夫だと言われている食べ物も実は犬の肝臓に負担をかけている危険性があるため注意が必要です。

犬の肝臓に悪い食べ物を5つご紹介しますので、参考になれば幸いです。

①糖質が多い食べ物

糖質が多い食べ物は犬の肝臓に負担をかける可能性があるため、与えるのを控えましょう。アイスクリームやお菓子など人間の食べ物はもちろん、バナナやマンゴーなどのフルーツも糖質が高いため与えすぎには注意が必要です。

また、ドッグフードに含まれている小麦や米、とうもろこしなどの穀物も糖質が高いため、肝臓の数値が気になる犬は穀物を使用しないグレインフリーのドッグフードを選ぶのがおすすめです。

②添加物が含まれるもの

添加物や保存料、合成着色料などの添加物を使用している食べ物を食べると、肝臓で解毒をする必要があります。肝臓に負担をかけるため、与える量には注意が必要です。

ペットショップやホームセンターなどで売られている犬用のおやつやドッグフードにも添加物や保存料、合成着色料などは入っています。おやつやドッグフードを購入する前にパッケージや原材料を見て肝臓に負担のかかる添加物を使用していなか確認してから購入するように心がけましょう。

特に一般的に販売されている犬用のジャーキーは添加物を大量に含んでいる場合が多いため注意が必要です。

③脂質が多いもの

肝臓が弱っている犬には脂質の多いドッグフードやオヤツ、お肉などを与えるのは控えた方が良いでしょう。肝臓が弱っている時は脂質の消化吸収がうまくできず、肝臓に負担をかけてしまう可能性があります。

お肉の脂身はもちろん、脂質の多そうなドッグフードやおやつにも注意が必要です。しかし、犬にはある程度の脂質も必要です。脂身を全く与えないようにしてしまうと、逆に健康に害を及ぼす可能性があるためほどほどに与えてあげて下さいね。

特にオメガ3脂肪酸は犬の肝臓の炎症を抑え、肝臓をサポートする働きがあると言われているため積極的に与えましょう。

④薬やサプリメント

肝臓に良いとされている薬やサプリメントも長期間与えていると肝臓に悪い影響を与えるとされています。

肝臓の病気はさまざまな原因が考えられるため、肝臓に良いと言われる薬やサプリメントであっても愛犬の肝臓病の原因には効果がないということも少なくありません。

逆に、薬やサプリメントを解毒するために肝臓に負担をかけている場合もあります。肝臓の薬やサプリメントを与える際は一定期間与えてみて少しでも改善が見られないようであれば、長期間続けるのではなく別の薬やサプリメントに切り替えてみても良いかもしれません。

⑤たんぱく質(重度の肝臓病の場合)

軽度の肝臓病であれば摂取が必要になり、重度の肝臓病になると悪影響を与える食べ物がたんぱく質を多く含む食べ物です。

肝臓病になると栄養素をうまく吸収・利用することが難しくなりどんどんと痩せてしまう場合が多いです。そうならないために肝臓の細胞をサポートするのがたんぱく質です。

しかし、重度の肝臓病になるとたんぱく質を摂取した際に発生するアンモニアを吸収することが難しくなるためたんぱく質を制限する必要があります。たんぱく質を摂取した方が良い状態なのか控えた方が良い状態なのかは、かかりつけの動物病院に都度確認するのがおすすめです。

肝臓の数値が悪い際に注意すること

塩分を摂りすぎない食生活にしてあげる

肝臓の数値が悪い場合、塩分を摂りすぎないように注意しましょう。腎臓の数値が悪い犬が塩分に含まれるナトリウムを過剰に摂取しすぎてしまうと、健康に害を及ぼす危険があります。

しかし、犬にとって健康を維持するためにはある程度の塩分も必要になります。そのため、塩分を全く与えないというのも良くありません。

人間の食べ物や犬用のジャーキーなど塩分が多く含まれる食べ物は控え、ドッグフードは通常通り与えるのがおすすめです。特に腎臓の数値が悪い犬はナトリウム0.25%以下のドッグフードが推奨されているので、購入前に確認してみましょう。

人間の食事を与えない

人間と犬、両方が食べても問題ない食材であったとしても、人間と犬では適切な摂取量は異なります。人間の方が雑食で体重も犬と比較すると圧倒的に重いため、人間の食べ物を犬に与えてしまうと将来健康に害を与えてしまう可能性が高いです。

特に肝臓の数値が悪い犬は塩分や糖分、脂質などを過剰に摂取してしまうと、肝臓に負担がかかってしまったり他の臓器に悪影響を及ぼす可能性があります。人間の食事は与えないように注意しましょう。

歯磨きを定期的にしてあげる

歯みがきと肝臓病は関係ないと思われがちですが、実は肝臓の数値が悪くなる原因で意外と多いのが歯周病からくる二次性肝炎とされています。

歯周病は歯や歯茎に細菌が入り発症します。その細菌が血管に入ると肝臓をはじめとした様々な臓器に侵入し、悪影響を及ぼす危険性があります。

肝臓の数値が悪くなった際だけでなく、普段から定期的に歯みがきをする習慣をつけることで全身の病気に対する予防になります。

愛犬の肝臓ケア

愛犬の肝臓をケアするには、定期的な健康診断や血液検査が最も大切です。肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるように、進行するまでは身体に症状が出づらい臓器とされています。

肝臓の数値の異変をいち早く発見することで、早期治療につなげることができます。

他にも塩分や糖分などの高い食事を控える、定期的に歯みがきをする、しっかりと運動をして肥満体型にならないように努力するなど健康的な生活を心がけることが肝臓病の予防につながるとされています。

キャベツやパセリ、納豆などは肝臓の働きをサポートする働きがあるため肝臓の数値に不安のある犬は少量ずつ与えてみるのも良いかもしれません。ただし、過剰に与えてしまうと逆に健康に害を及ぼす可能性があるため少量にしておくことが大切です。
また、重度の肝臓病の犬はかかりつけ動物病院の獣医師と相談してから与えて下さい。

まとめ

いかがでしたか?肝臓病はさまざまな原因が考えられる恐ろしい病気だということが分かりました。

肝臓病を完全に予防することは難しいですが、日常生活や食べるものなどによって病気になる可能性を減らすことは可能です。愛犬が1日でも長く健康で幸せな生活を送れるように、できる範囲からはじめてあげましょう

また、少しでも違和感を覚えた場合は小さなことでも動物病院で検査をすることが病気の早期発見・早期治療に繋がります。

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