自分が保有する不動産を売却した時に、仲介手数料がいくら必要なのか知っていますか?
不動産売却はひとりで行うわけではなく、一般的には不動産会社に依頼して売却を行います。その時に気になってくるのが、仲介手数料。内訳はどうなっているのか、いくら位必要なのか、いつ支払えば良いのか…気になる点は多いですよね。
一般的に不動産売却でかかる費用は売却価格の4〜6%が相場と言われていますが、具体的に何にどれ位の費用が必要なのかは知らないという方が多いでしょう。
この記事では、不動産売却時の仲介手数料の内訳、相場、支払うタイミングについて紹介していきたいと思います。人生で最も大きな買い物であるマイホームの売却は大きなお金が動く取引なので、売るために必要なお金についてもしっかりと理解を深めておきましょう。
仲介手数料に含まれている費用
仲介手数料とは、家を売却した後に成功報酬として不動産会社へ支払うお金です。まず始めに、仲介手数料にはどのような費用が含まれているのかを説明していきます。
売買契約締結後の成功報酬
前述したように、仲介手数料とは家の売却が完了した後に不動産会社へ支払う報酬です。
決して安くない金額の仲介手数料を支払うことになりますが、逆を言えば自分ひとりで物件を買ってくれる人を見つけることができれば、仲介手数料を支払う必要はないということを意味します。しかし、自分ひとりの力だけで買い手を見つけるのはとても大変です。
● ネットワークを駆使して全国から購入希望者を探してくれる
● 購入検討者の物件見学に同行してくれる
不動産会社に仲介手数料を払うのは嫌だなと思ってしまう方もいるかもしれませんが、不動産会社と契約した後は物件情報サイトへの掲載やチラシの作成などを行い、物件を買おうか悩んでいる多くの方へアプローチできるため、買い手を見つけやすくなります。
成功報酬として不動産会社に支払う仲介手数料には、上記のような物件を購入してくれる買い手を見つけてくれる活動費用が含まれています。
別途請求されるケースもあり
物件の相場を算出し、物件情報サイトへ掲載したり物件見学への同行などは『通常業務』に含まれますので仲介手数料で報酬を支払えますが、通常の仲介業務で発生し得ない費用に関しては別途請求される場合もあります。
● 通常では行わない特別な広告宣伝
● 売却のための測量
● 建物の解体
他にも、例えば別荘を売っている時にその家の空気を入れ替えたり定期的に掃除を行う管理費用も、別途費用として請求される場合があります。
しかし、これに関しては不動産会社により対応はさまざまです。上記ケース全てを無料で行ってくれる不動産会社もありますし、別途費用は請求するがその分仲介手数料を安くしてくれる会社もあります。
不動産売却時の仲介手数料はいくら必要なのか
不動産会社と契約して物件を売却した後、気になってくるのが支払わなければいけない仲介手数料がいくらなのかという点です。以下の項目で、詳しく説明していきましょう。
仲介手数料の上限は決められている
不動産会社に支払う仲介手数料は、消費者が不利益を受けないように売買価格により法律で上限が定められています。
200万円以下の部分 | 売買価格の5%+消費税 |
200万円〜400万円の部分 | 売買価格の4%+消費税 |
400万円超の部分 | 売買価格の3%+消費税 |
法律で定められているのは上限額だけなので、手数料0円でも半額でも提供できます。しかし一般的には、多くの不動産会社が仲介手数料を上限で設定しています。
仲介手数料の計算方法はとても複雑で面倒です。例えば、3,000万円で物件を売却した場合の計算式は以下のようになります。
- 3,000万円のうち200万円以下の部分⇒5%
- 3,000万円のうち200万円〜400万円の部分⇒4%
- 3,000万円のうち400万円超の2600万円⇒3%
売却した額を3分割して計算していくので、それぞれを分解して計算すると非常に面倒です。そんな時に便利なのが、以下の計算式です。
上記計算式で計算できる売買価格は400万円以上の物件で、消費税の所は10%の場合で計算していますので万が一増税した場合は数字を増やしていけば大丈夫です。
この計算式を使って算出した、上限額による不動産会社への仲介手数料は以下のようになります。(消費税10%で計算)
500万円 | 23.1万円 |
1,000万円 | 39.6万円 |
2,000万円 | 72.6万円 |
3,000万円 | 105.6万円 |
5,000万円 | 171.6万円 |
7,000万円 | 237.6万円 |
8,000万円 | 270.6万円 |
9,000万円 | 303.6万円 |
1億円 | 336.6万円 |
500万円で物件を売った場合は約23万円ですが、1億円で売却した時の仲介手数料は約330万円とかなりの高額になります。
安さだけを求めるのは危険
前述したように500万円で約23万円、3,000万円の場合は約105万円と決して安くない不動産会社へ支払う仲介手数料。中には、手数料の安さだけを求めて不動産会社を選択するという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、安さだけを追求して不動産会社を決めるのは非常に危険です。仲介手数料が高くてもしっかりと買主の方と交渉し、できるだけ高く買い取ってもらえるように売却できれば満足度は高いものになります。
反対に、手数料が安くても自分が希望する条件以下でしか物件を売却できないのであれば、満足度は低く感じるでしょう。
仲介手数料は確かに大きな額にはなりますが、手数料の安さだけを求めるのではなく、しっかりと話し合いながら信頼できる不動産会社を見つけるようにしましょう。
2通りの仲介手数料を支払うタイミング
決して安くはない額を支払う仲介手数料なので、どのタイミングで支払うかも気になる所。不動産会社によって異なりますが、支払い方法は以下の2通りです。
● 引き渡し時に100%の支払い
一般的に多くの不動産会社で利用されているのは、売買契約時に手数料の50%を支払い、残りを引き渡し時に支払うというもの。しかし、契約内容によっては引き渡し時に手数料の全額を支払う場合もあります。
注意点としてひとつ覚えておいてほしいのが、仲介手数料は成功報酬なので売買契約が成立しなければ発生しない費用ということです。契約成立前に仲介手数料を請求することは、宅地建物取引業法で禁止されている違法行為です。
支払いは原則として現金一括払いで、ローンのような細分化した分割払いは基本的にはできません。仲介手数料の支払いタイミングや方法は不動産会社により異なり、柔軟な対応をしてくれるケースも多いので、事前に必ず相談し確認するようにしましょう。
まとめ
不動産を売却した時に必要な仲介手数料の内訳、相場、支払うタイミングについて紹介してきましたが、参考になりましたか?
上限が決められているとは言え、決して安くない金額である仲介手数料。しかし、安さだけを求めて不動産会社を決めるのは危険です。最も重要視すべきなのは、自分が保有する物件を最も好条件で売ってくれる不動産会社を選択するという点です。
人生で最も大きな買い物である不動産購入ですが、買う時にお金がかかるのはもちろん、売る時にも多くのお金が動きます。
より好条件で物件を売却できるように信頼できる不動産会社を見つけ、仲介手数料を支払っても納得できる売却を行いましょう。