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不動産を売却したら固定資産税はどうなる?清算の仕方や注意点などを解説

不動産売却では、売却後の固定資産税を買主・売主のどちらが支払うのか気になるという方もいるでしょう。

年度の途中で不動産を売却した場合、納税義務者は変わりませんが、売主だけが1年分の税金を負担するのは不公平と感じるかもしれません。

そのため、不動産の売買においては不動産の所有期間に応じ、固定資産税を日割り計算するのが一般的となっています。

この記事では、不動産売却後の固定資産税の清算方法や注意点を紹介します。

不動産売却後の固定資産税の負担について

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不動産売却後の固定資産税は誰が負担するのでしょうか。ここでは、固定資産税の仕組みや負担分担を紹介します。

そもそも固定資産税とは

固定資産税とは、固定資産を所有している個人や法人にかかる地方税のことです。ここでいう固定資産とは、土地や建築物、減却資産の3つが該当します。

例えば、土地は住宅地・商業地・田畑・山林、建築物は住宅・店舗・事務所・工場、減却資産は工場設備品・パソコン・事務機器などが該当します

不動産を所有している場合、住宅やマンションなら固定資産税の対象となるのは建物と土地です。

また、土地は年によって評価額が値上がり・値下がりしますが、建築物については経年劣化に伴い、時間の経過とともに評価額は下がるのが一般的です。

納税義務者は1月1日時点における所有者

固定資産税の納税は、その年において1月1日に不動産を所有している者が対象者です。

1月1日を基準に算定された税額が、4~5月頃に所有者あてに「納税通知書」と「納付書」が送られてきます。

また、住んでいるエリアによっては固定資産税に加え、都市計画税を納めなければならない場合もあります。

都市計画税も固定資産税と同じ扱いであるため、不動産を売却してもその年の税金は納めなければなりません。

売主と買主による日割り計算

固定資産税の納税義務者は「その年の1月1日現在の所有者」となるため、1年の途中で売却しても売主に納税通知書が届きます。

一方で、所有権は取引が終了した時点で買主側に移るため、自分の持ち物ではない不動産の固定資産税を払うことに不公平さを感じることでしょう。

このような不公平感を減らすために、不動産取引では売却後の固定資産税を買主が負担するように清算するのが一般的です。

売主と買主の同意に基づき、固定資産税を日割にして平等に負担しあうことを「固定資産税等の清算」といいます。

都市計画税を納めている場合は、固定資産税と同様に日割り計算を行うのが一般的です。

固定資産税の起算日

日割り計算を行う際に重要なのが起算日です。起算日とは、固定資産税額を日割り計算する際に起点となる日のことです。

例えば、1月1日が起算日なら不動産の売主は1月1日から不動産を売却した日までの固定資産税を払い、買主は取得日から12月31日までの固定資産税を払います。

起算日は1月1日か4月1日のどちらかに設定するパターンが多いため、事前に不動産会社に確認しておきましょう。

固定資産税の清算方法

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続いては、固定資産税の清算方法を紹介します。

不動産売買時に買主が支払う

固定資産税の清算は、不動産の売買を行う際に、売主は引渡し前日までの分を支払い、買主は引渡しから年度末分までを支払います。

買主が売主に支払う費用は、売却してから年度末まで期限がすぎていない分の固定資産税に該当することから「未経過固定資産税等に相当する額」と呼ばれます。

固定資産税の清算金は不動産を購入したときに売主に対して支払い、翌年以降については所有者である買主が支払うことになります。

固定資産税の計算方法

固定資産税の計算方法は、「固定資産税評価額×標準税率(1.4%)」です。

標準税率に関しては多くの自治体で1.4%を採用していますが、住んでいる自治体によって異なる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

また、固定資産税評価額は市町村が不動産を評価して決まる価値のことで、納税通知書に同封されている課税明細書に記入があります。

固定資産税の税額は毎年ずっと同じではなく、土地と家屋の評価額は3年ごとに見直され、税金もそれに伴って変動します。

固定資産税のシミュレーション

不動産を売却した際に、どれくらい固定資産税を負担する必要があるのか以下の条件を例にシミュレーションしていきます。

  • 起算日:1月1日
  • 引き渡し日:6月1日
  • 固定資産税:12万円

6月1日に不動産の引渡しを行った場合、売主の物件所有日数は151日です。売主の固定資産税の負担額は以下になります。

「12万円×151日÷365日=4万9,643円」

買主は「12万円-4万9,643円=7万357円」の固定資産税を売主に支払わなければなりません。

なお、買主が売主に固定資産税を支払うタイミングは残代金決済日です。残代金決済日は、売買代金から手付金を引いた残りの分を支払う日のことです。

不動産売却における固定資産税についての注意点

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不動産売却における固定資産税の取り扱いにはいくつかの注意点があります。ここでは、固定資産税の注意点について紹介します。

法律上の規定はない

不動産売却時に買主と売主のどちらが固定資産税を負担するかの取り決めは、法律上の手続きではありません。

固定資産税の清算は必ずしも行わなければならないわけではないものの、やっておかないと売主がすべて税金を負担することになって損をします。

固定資産税の清算はあくまで不動産の取引慣行であり、当事者間で定める売買条件のことです。

そのため、売買契約時に取り決めをして契約書に記載していないと、後から請求することは難しくなる点に注意しましょう。

また、固定資産税等清算金は売買契約の重要事項説明書に記載されます。

固定資産税の清算金は売買代金と見なされる

固定資産税の清算金は法律上の取り扱いがないため、不動産の売却金額に上乗せされて譲渡所得税の課税対象となります。

清算金は固定資産税の一部を回収しているだけですが、所得の対象外にはなりません。

確定申告のときには売却金額として申告を行う必要があり、忘れていると無申告加算税のペナルティの対象となる可能性もあります。

消費税がかかることがある

固定資産税の清算金額は売買代金の一部となるため、売主が課税事業者であれば、買主から受け取った清算金は消費税の課税対象です。

ちなみに、売主が受け取る清算金額のうち、土地の割合に対する金額は非課税売上となるため、対象となるのは課税売上となる建物の割合相当の金額となります。

一方、売主が非課税事業者であれば消費税はかかりません。

トラブルにならないためには信頼できる不動産会社を選ぶ

固定資産税の清算は不動産売買で一般的に行われている慣習であるため、信頼できる不動産会社であれば、清算について説明してもらえるのが一般的です。

しかし、対応が悪い不動産会社にあたってしまった場合は、固定資産税の清算や流れについての説明がないケースもあります。

トラブルにならないためにも、固定資産税の清算について細かく説明してくれる信頼できる不動産会社を選びましょう。

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まとめ

不動産を売却した場合、固定資産税はその年の1月1日に不動産を所有している人にかかるため、清算を行わなければ売主が損することになります。

固定資産税の清算については法律で決められたルールではないため、売却を検討している際は不動産会社に依頼したり、計算してもらったりなどの対応も必要です。

固定資産税は条件によって支払金額が変わることもあるため、信頼できて相談しやすい不動産会社を選ぶこともポイントになります。

不動産売却で損をしないためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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