不動産を売ろうかなと思ってから、実際に売却が完了するまでの期間を知っていますか?
人生で最も大きな買い物である不動産は購入するのも時間がかかりますが、売却するにも時間がかかります。実際に自分が住んでいる自宅を売るのであれば尚更で、住宅ローンが残っているのであれば少しでも高値で売りたいと思い、売却までの期間が思っている以上に長引いてしまうというケースも少なくありません。
この記事では、不動産売却が完了するまでの期間と、それぞれの過程におけるスケジュールについて紹介していきます。ある程度の目安となる期間が分かっていれば、不動産を売却した後に得られる現金がいつ手元に入るかも分かりますので、その後の人生設計も立てやすくなるはずです。
不動産が実際に売却できるまでの期間が気になるという方は、ぜひこの記事を最後まで読み参考にしてみて下さい。
不動産売却に要する期間
まず始めに、不動産売却に要する期間について紹介していきます。
売却にかかる期間は大体3〜6ヶ月
不動産を売ろうかなと考えてから実際にすべての手続きが完了して売却が完了するまでの平均的な期間は、3〜6ヶ月程です。
もちろんこれは期間の相場であり、需要が高い不動産であれば1ヶ月で売れることもあれば、需要が低い不動産であれば1年かけて売れない場合もあります。時間が経過してしまうとなかなか買い手が付きにくくなる市場でもありますので、買い手は早急に見つけられるに越したことはありません。
一戸建てとマンションで、売却に要する期間に違いがあるのも大きな特徴です。一戸建ての場合は建物と土地、隣地との境界線が曖昧な物件もありますので、測量などの調査で時間がかかってしまう場合がありますが、マンションの場合はそれらがありませんので、一戸建てよりもマンションの方が売却に要する期間は基本的には短いです。
売却期間の長短を左右する要素は、以下のものが挙げられます。
● 時期
● エリア
近隣相場よりも安い不動産であれば早く売れ、高ければ売却までの期間が伸びる可能性が高くなります。価格以外の要素で見ると、不動産を売却する時期も非常に重要です。一般的には3月から4月が転勤と引っ越しが多いシーズンなので、この時期に向けて売買が活発化していきます。多くの人が物件を探している時期に売り出せば、早く売れる可能性が高くなるでしょう。
注目度が高い人気エリアにあるかどうかも、不動産が早く売れるかどうかに直結する非常に重要な部分です。商業施設が多い、都内へのアクセスが便利、駅まで近い、高級住宅街にあるなど、人気エリアにある物件は多くの方が閲覧するので、その分だけ、買い手が早急に見つかりやすい傾向にあります。
首都圏は約8ヶ月
不動産売却に要する期間は平均3〜6ヶ月と前述しましたが、首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)だけに限定すると、売却までの期間は平均8ヶ月です。
株式会社アットホームが発表した『中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査』によると、首都圏で不動産を売却した時に要した期間と平均売却価格は以下の通りです。
平均売却価格 | 平均居住年数 | 売却期間 | |
---|---|---|---|
全体(295人) | 2,536万円 | 13年 | 8ヶ月 |
マンション(184人) | 2,579万円 | 12年 | 6ヶ月 |
一戸建て(111人) | 2,464万円 | 15年 | 11ヶ月 |
全体を通しての平均売却期間は約8ヶ月で、マンションと一戸建てで大きく売却期間に差があることが良く分かります。
首都圏で交通アクセスや暮らしに便利な場所で一戸建てを購入するのは非常に費用が高く、売りに出されている一戸建てはエリアが悪いなどのデメリットが多いことも売却期間が長くなる理由のひとつであると考えられます。
その結果、首都圏では一戸建てよりもマンションの方が需要が高く、その差が売却期間の差に直結していると言えるでしょう。
不動産売却のスケジュール
不動産売却に要する期間は3〜6ヶ月が平均的で、首都圏では平均8ヶ月と前述してきましたが、ここからは、実際に不動産を売却する時のスケジュールを紹介していきます。
不動産を売却する時は、一般的には以下の流れで進んでいきます。
2. 不動産会社と契約
3. 売却活動
4. 購入希望者との交渉
5. 購入者と売買契約
6. 物件の引き渡し
ここからは不動産売却の流れに沿いながら、それぞれの項目でどれ位の期間を要するのかを説明していきます。
不動産査定〜不動産会社との契約(約1週間)
不動産を売却する時は、その不動産が幾らで売れるのかを事前に査定する必要があります。不動産査定に要する時間は、約1週間程です。
自分が売却しようと考えている物件と同じエリアにある似た物件がどれ位の価格で売られているのかを調べる情報収集も兼ねていますので、インターネットの一括査定サイトを使うか、不動産会社へ個人で査定を依頼するかどちらかを選択し、不動産査定を行いましょう。
一括査定は複数の不動産会社へ一度に査定を依頼できるもので、個別査定は不動産会社へ1社ずつ査定を依頼するものです。それぞれメリットとデメリットがありますので、上記記事を確認していただき、より良い方を選択しましょう。
査定が完了した後は、物件を販売してくれる不動産会社との媒介契約です。自分が納得できる査定額を提示してくれて、しっかりと販売を行ってくれる信頼できる不動産会社を選びましょう。
売却活動(約1〜6ヶ月)
不動産売却において最も期間がかかるのが、売却活動。要する期間は1ヶ月から6ヶ月としていますが、前述したように売却する不動産の需要が高ければすぐに買い手が決まりますし、需要が低ければ売却活動は長期に渡ります。
店舗へ来た方への販促、折込広告、チラシ、インターネットへの掲載など、実施してくれる具体的な売却活動は不動産会社により異なりますので、契約時に売却活動の内容も詳しく確認してみるのが良いでしょう。
また、売却活動には購入希望者の内覧も含まれます。内覧の付き添いを不動産会社のスタッフの方へ依頼することも可能ですが、自ら購入希望者と接触し、売り込むこともできます。
内覧者の第一印象を良くするための整理整頓、掃除、部屋のにおいなどは十分に注意し、部屋をきれいに彩るための装飾(花を飾るなど)も抜かりなく行っておきましょう。購入希望者は売主の対応や振る舞いも見ていますので、積極的にアピールすることも忘れてはいけません。
売買契約〜物件の引き渡し(約2週間〜1ヶ月)
売却活動が成功し値段などの条件がすべてまとまった後は、売買契約の締結です。
売買契約事態は書類が揃っていればすぐに完了しますが、住宅ローンで不動産を購入する場合はローン審査に2週間から1ヶ月ほどの時間がかかります。手付金を購入者から受け取り、残金の決済が完了してから物件の引き渡しへと進みます。
住宅ローンの審査がスムーズに進まない場合も十分にありますので、購入者との売買契約が成立した後も期間を要する可能性があるということは理解しておきましょう。
まとめ
不動産売却に要する期間とスケジュールを紹介してきましたが、参考になりましたか?
上記で紹介した期間はあくまでも目安になりますが、ある程度の期間が分かっていればスケジュールの組み立てや日程の調整もしやすくなるはずです。
すべての不動産がスムーズに売却できるわけではないということを理解し、なかなか売れない場合は何が原因かをしっかりと精査する必要があります。
売り出し時期、売却価格の設定、エリアの問題など、売りに出している不動産を確実に売却できるように、不動産会社と話しながら進めていきましょう。