不動産売却でお悩みですか?
人生で最も大きな買い物である不動産売買は、人生で何度も発生するイベントではありません。誰もが初心者である不動産売却に悩みはつきもので、当然ですが中には専門家でなければ解決できないものもあります。
この記事では、不動産売却の悩みを解決できる相談先を目的別で紹介していきます。思い通りに売却が進まない、どうしたら良いか分からない、誰に相談したら良いか分からない…不動産売却で困っていることがある方は、ぜひこの記事を参考に相談先を探してみて下さい。
不動産売却の目的別相談先をまとめて紹介
不動産の売却は、一朝一夕で実現するものではありません。
相場の把握、査定、不動産会社との媒介契約、売却活動、売買契約、引き渡し…ざっくりと売却までの流れを考えただけでも、長い月日が必要であるということが分かると思います。
不動産売却時には数多くの悩みと直面するかと思いますが、目的に合わせて相談先を変更することをおすすめします。
● 税理士⇒売却にかかる税金に関する相談
● 不動産鑑定士⇒売却不動産の価値に関する相談
● 弁護士⇒法律に関する相談
● 司法書士⇒権利関係に関する相談
不動産売却に関する悩み事は、その道の専門家に相談するのが一番の解決策です。以下で、それぞれどのような悩みを解決してくれるのか詳しく解説していきます。
不動産会社
不動産売却に関する総合的な悩みを解決してくれるのが、不動産会社です。
売り出し価格の設定、売却活動、引き渡しなど、不動産を売却するためにはすべきことがたくさんあります。不動産会社のサポートがなければ好条件の買主を見つけるのは非常に難しく、売却に関する専門家なので、悩みを解決できる有益な相談先でもあります。
不動産を売却する時には不動産会社と媒介契約を結びますが、一般、専任、専属専任という3種類の契約形態があります。大きな違いは一般媒介契約が複数の不動産会社と媒介契約を結べるのに対して、専任と専属専任は1社としか契約できないという点です。
一般媒介契約では複数の不動産会社で競い合って有利な条件の買主を見つけられる可能性が高まるというメリットはあるものの、専任や専属専任は1社としか契約することができないため、不動産会社の責任感が増し、普段よりも全力で買主を探してくれるケースが多くなります。
不動産会社へ相談することで解決できる不動産売却の悩みは、主に以下の点です。
- 好条件で売れる売却価格の設定
- 好条件で購入してくれる希望者を探すにはどうしたら良いのか
不動産を売却する時に最も重点を置きたい点と言えば、より良い条件で不動産を売却したいということですよね。どうすれば高く売れるのか、どうすれば早く売れるのか、他にも不動産売却に関する総合的な悩みを、不動産会社は解決してくれるでしょう。
税理士
不動産売却でかかる税金の悩みを解決してくれるのが、税理士です。
ご存じない方もいるかもしれませんが、不動産を売却した時は売却益に対して譲渡所得税を支払う必要があります。売却益とは不動産を売却した時に発生した利益のことで、譲渡所得税とは所得税と住民税を総称したものです。
不動産の売却に関する計算は非常に難しく、専門家でなければ容易に回答できません。不動産会社を管轄している宅地建物取引業協会が、不動産会社に対して税金に関する安易な回答を避けるように指導している位、不動産売却時に発生する税金は複雑な計算を要します。
売却益が生じた場合は確定申告をして税金を納めなければいけませんので、税金に関しては必ず専門家である税理士に相談しましょう。税理士への相談は有料ですが、国税庁が管轄する電話相談センターは無料なので、気になる方はまずはそちらへ気軽に相談してみて下さい。
不動産鑑定士
不動産の価値に関する悩みは、不動産鑑定士に相談しましょう。
不動産鑑定士とは、不動産の価値を鑑定するプロフェッショナルのことです。不動産や土地の価値を算出するだけではなく、その不動産や土地の適切な使い方をコンサルティングする仕事もしています。
不動産業者も価格査定を行いますが、鑑定士の評価は法律に基づきより細かく査定します。
- 借地権
- 借家権
- 地上権
- 権利関係
- 地代
時代や社会情勢と共に変化していく不動産の価値を、土地や建物に付随する法律も駆使しながら査定していきます。
そのため、査定には約1ヶ月の時間がかかります。しかしながら公的な書類として利用できる不動産鑑定評価書が作成されますので、不動産の本当の価値を知るためには絶対に相談したい専門家であると言えるでしょう。
自分が売却したいと考えている不動産の本当の価値を知っていれば、安い値段で売却して損をするということがなくなります。
弁護士
不動産売却に関する法律の悩みは、法律関係の専門家である弁護士へ相談しましょう。
士業の中で最も相談料の時間単価が高い弁護士に相談するのは骨が折れるという方も多いかと思いますが、不動産の売却は契約時などに法律上のトラブルに発展してしまう可能性がないとは断言できません。
弁護士に相談すべき主な事柄は、以下の通りです。
- 相続による遺産分割
- 離婚による財産分与
- 近隣トラブル
- 売買契約時のトラブル
最も多い遺産分割や財産分与は、当事者間による話し合いで解決できれば弁護士に相談する必要はありません。
婚姻生活中に夫婦で購入した不動産を離婚で手放すとなった場合、共に築き上げてきた財産は50%ずつで分け合うのが基本ではありますが、当事者間による話し合いでまとまらない場合は弁護士を介して分配を決めなければなりません。
遺産分割は誰がどの資産をどれ位の割合で引き継ぐのかを決めるもので、財産分与と同様に不動産を売却した時に発生したお金を巡ってトラブルに発展するケースが非常に多いです。
法律に関する悩みは、専門家である弁護士に相談するのが一番です。不動産売却時の遺産分割や財産分与を専門にしている弁護士の方も多いので、適切な専門家を選びましょう。
司法書士
不動産の登記に関する悩みを抱えている方は、司法書士に相談しましょう。
また、司法書士は法律の専門家でもありますので、法務省から認定を受けている認定司法書士に依頼をすれば、例えば借金返済が理由で不動産を売却しようか考えている時などに、借金を整理する方法についてさまざまな手法を提案してくれたりもします。
司法書士への主な相談内容は、登記や抵当権などの専門知識についてです。
- 表題登記作成
- 所有権保存、移転
- 抵当権設定登記
- 抵当権抹消登記
所有権移転登記に関しては買主が依頼する場合が一般的ですが、売渡証書、抵当権抹消登記、住所変更登記は売主側が依頼します。
まとめ
不動産売却に関する悩みを解決できる相談先を目的別で5つ紹介してきましたが、参考になりましたか?
さまざまな理由で不動産を売却するという決断をしても、実際に売却が成功するまでには多くの悩みと直面します。不動産は非常に大きな資産なので、悩み事があればきちんと専門家に相談し、解決への糸口を見つけましょう。
総合的な不動産売却に関する悩みは不動産会社、売却時にかかる税金に関する悩みは税理士、不動産の価値を知りたいという方は不動産鑑定士、遺産分割や財産分与などの法律に関する悩みは弁護士、不動産の登記に関する悩みは司法書士、それぞれの悩みで解決できる専門家が異なるという点を忘れないようにしましょう。
不動産売却は自分ひとりで完結できるものではなく、多くの専門家の手助けを借りながら進めていくものです。困っていることや悩みがあれば自分ひとりで抱え込まず、気軽に専門家へと相談しましょう。