マンション購入は、人生最大の決断のひとつです。多くの人がマンション購入を夢見て、何年も貯蓄やローンに励みます。しかし、マンション購入には多くのリスクや落とし穴があります。そのため、購入後に後悔するケースも少なくありません。
では、マンション購入で失敗しないためにはどうすればよいのでしょうか。
この記事では、マンション購入でよくある失敗例と対策、暮らしやすい間取りの選び方などを詳しく紹介します。
マンション購入で後悔する理由
マンション購入後の後悔は人によりさまざまですが、大きく以下の3つの理由に分けられます。
- マンション自体の仕様や条件
- 立地条件
- 資金
例えば、オール電化やスキップフロアのメリット・デメリットを十分に理解していなかったなど、マンション自体の仕様や条件を後悔することもあるでしょう。
築年数や部屋の向き、階数、広さ、間取りなど、自分のライフスタイルに合わないことも後悔の原因になり得ます。
また、眺望が悪かったり、駐車場やペット飼育に問題がある場合もあります。定期借地権のマンションは、売却や解体費用の面で不利になる可能性が高いです。
マンションの立地については、交通や買い物などの利便性はもちろんですが、周辺環境や治安も重要です。
騒音や悪臭などの公害、災害時の避難場所や水道などのライフラインも考慮しなければなりません。子育て世代であれば、学区や保育園・幼稚園など、教育施設も気になるところです。
金銭面では、ローンの支払いや管理費、修繕積立金の負担、資産価値の下落などが考えられます。
さらに、忘れてはならないのが税金や保険料です。購入時は予算内でも、将来的に収入が減ったり、出費が増えたりする可能性もあります。
このように、マンション購入後に後悔することは多岐にわたります。
マンションを購入する前にできるだけ多くの情報を集めて比較したうえで、自分に合ったマンションを選ぶことが大切です。
マンション購入で後悔したケースを紹介
ここでは、マンション購入で後悔しているケースを3つ紹介します。購入者のスペックと、後悔している内容を解説しますので、参考にしてください。
ケース1:内覧会でのチェックが甘かった結果、不具合や欠点を見落とした
購入者のスペックは以下の通りです。
- 年齢 20代前半以下
- 性別 女性
- 居住地形式 新築マンション
これは、交通の利便性と周辺環境に惹かれて新築マンションを購入した女性のケースです。
立地や間取りには満足していたものの、興奮のあまり内覧会チェックを安易に済ませてしまい、小さな不具合を見落としたことが後悔の原因でした。
壁に使われている大理石の施工に問題があったり、トイレットペーパーホルダーの接着が弱かったりと、生活感にはあまり影響しない欠点がいくつかありました。
また、ベッドルームのカーペットは毛足が長く高級感をアピールしていましたが、掃除やメンテナンスの面ではフローリングの方が良かったのではないかと感じました。
しかし、購入時には変更の余地はなく、後悔することになったそうです。
ケース2: 子供の騒音で迷惑を掛けていないか心配
購入者のスペックは以下の通りです。
- 年齢:40代後半
- 性別:女性
- 居住地形式:新築マンション
この女性は、静かでのんびりとした土地柄で、同じ世代のパパママが多く住むエリアに新築マンションを購入しました。
初めの頃は特に失敗を感じることはありませんでしたが、子供が生まれてからは心配することが多くなりました。
子供が走り回るなどの騒音が、お隣に迷惑をかけていないかを常に気にする必要があることが大変だと感じています。
子供をのびのびと遊ばせることができない場合、子供が可哀想な思いをしているのではないかと心配することもあります。
ケース3: 楽器演奏不可のマンションにしておけばと後悔
購入者のスペックは以下の通りです。
- 年齢:40代後半
- 性別:男性
- 居住地形式:新築マンション
この男性は、マンションの設備や共用施設には満足していますが、お隣のピアノの音がうるさくて困っています。
管理人に対策をお願いしても、何ら具体的な対応をしてもらえないため、不満を感じています。
マンションの規約では楽器演奏が禁止されていなかったため、強く抗議することもできません。
購入前にしっかり確認しておけばよかったと後悔しています。
マンション購入でおすすめの暮らしやすい間取りの条件
間取りの選択は、個人や家族によって異なります。
家族構成やライフスタイルに合った間取りを選ぶことが大切で、そうすることで住みやすさを確保できます。
間取りのどの部分が家族に合っているのか、どのくらいの広さが必要なのかを見極めることが、快適な暮らしのポイントです。
ここからは、おすすめの間取りの条件をご紹介します。
家族構成
家族構成に合った間取りや部屋数を選ぶことは、とても大切です。同じ広さの物件でも、部屋数や間取りによって住み心地が大きく変わるからです。
1人暮らし
1人暮らしの方には、1DKや1LDKがおすすめです。
1Rや1Kは最低限の生活機能が詰まった間取りですが、快適な暮らしを考えると1DKや1LDKの方が満足度が高くなります。
というのも、1DKや1LDKの方がキッチンのスペースが広く、使い勝手が良いからです。特に1LDKは将来的に同居人が増える可能性を考慮した間取りです。
2人暮らし
2人暮らしの場合は、平均40平米以上の1LDKや2LDKを検討しましょう。1LDKの場合、1部屋を寝室や書斎として使うことができます。
リビングが広ければ、2人でゆったりと暮らせます。将来的に子どもを考えている方は、2LDKも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
部屋が余っているかどうか、必要な広さがあるかどうかなどを考慮しながら、さまざまなタイプの間取りを比較することが大切です。
3人家族
夫婦と子ども1人の3人家族なら、40~50平方メートルの2LDKが一般的。夫婦の寝室と子供の部屋が必要です。
単身赴任が多かったり、将来的に子どもが増える可能性がある場合は、2LDKに1部屋プラスした3LDKを選ぶこともあります。
4人家族以上
4人家族や2世帯の場合は、65~80平米の3LDKがおすすめです。3部屋あれば、夫婦の寝室以外のスペースも確保できます。
子供部屋、ゲストルーム、趣味の部屋、トレーニングルームなど、ライフスタイルに合わせて3部屋を使い分けることができます。
収納スペース
住みやすい間取りを考えるうえで、収納スペースの数や広さは非常に重要です。十分な収納スペースは、暮らしの快適さや家事の効率に直結します。
必要な収納スペースは、家族構成や所有物の量によって異なります。
一般的に理想的な収納スペースは、マンションの専有面積の8%~10%程度といわれています。
つまり、専有面積が60平米の場合、4.8~6.0平米の収納スペースがあれば必要なものは収納できるということです。
ただし、家族構成やモノの量には個人差があるため、一概には決められません。具体的な家族の状況に応じて、収納スペースの広さを決める必要があります。
子供の年齢によっても所有物の量は変わるため、家族全員のライフスタイルを考えて、必要な収納スペースを考えることが大切です。
子どもが小さければ、ベビーカーやおもちゃ、おむつなどの収納スペースが必要です。また、趣味や特別なものを収納する必要がある場合は、それらに適した収納スペースを確保しなければいけません。
収納スペースをチェックするときは、広さだけでなく、使いやすさも考慮しましょう。
収納スペースの位置や形状、細かな収納スペースの有無など、実際に使うときの使い勝手をイメージして決めることが重要です。
例えば、ウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットなど、収納スペースの形状が日々の生活や家事の動線に影響することもあります。
トランクルームの有無もチェック
マンションを選ぶ際には、トランクルームの有無も確認しておくとよいでしょう。
トランクルームとは、収納スペースが住戸の外にある場所のことで、収納量を格段に増やすことができます。
季節物や大きな荷物を必要に応じてしまうことができるため、収納不足解消に効果的です。
生活動線
生活動線とは、家の中で行われる日々の活動や動作に関する住人の動きを表す線のことです。食事や睡眠、入浴など日常生活に密接に関わる要素です。
生活動線がスムーズで効率的であれば、日常の動作や作業がスムーズに行え、快適な暮らしが実現します。
例えば、脱衣室と洗濯機が離れていたり、洗濯機と物干しスペースの距離が遠かったりすると、洗濯物を運ぶのに不便を感じることがあります。
そのため、部屋と部屋の間や、リビングとキッチン、浴室などの間の生活空間のレイアウトは、できるだけ短くシンプルにすることが望ましいでしょう。
移動距離が短いほど、日常生活の動線はスムーズになります。
家事動線も考える
生活動線を考えるだけでなく、家事に関する動線も重要です。
家事動線とは、掃除や洗濯、キッチン周りの移動など、家事にまつわる動きを表す動線のことです。
家事動線は生活動線と同様、できるだけ短く、効率的な動線が理想です。
例えば、キッチンや洗濯機置き場、浴室などの水回りを集中させた配置にすることで、家事動線の効率を高めることができます。
まとめ
マンション購入で後悔しないために知っておきたいことを紹介していきました。
自分に合ったマンションを選ぶためには、できるだけ多くの情報を集め、比較し、慎重に判断することが大切です。
マンション購入で幸せに暮らすために、ぜひ参考にしてください。