マンション購入は、一生に一度あるかないかの大きな買物です。そのため、マンション購入にかかる費用をきちんと把握しておくことが大切です。
とはいえ、はじめてマンションを購入する方にとっては、物件価格以外にどのような費用が必要となるのか、不安に感じておられることでしょう。
そこで、この記事では、マンション購入にかかる費用の内訳と概算見積もりを簡単に紹介します。
また、初期費用を抑えるポイントも紹介するため、マンション購入の基礎知識として参考にしてください。
マンション購入時に必要な諸費用とは？
マンション購入時に必要な諸費用とは、物件価格以外に支払わなければならないさまざまな費用のことです。
これらの諸費用は、物件の種類や価格、住宅ローンの借り方などによって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。
住宅ローン関連の諸費用
住宅ローン関連の諸費用とは、住宅ローンを借りる際に必要となる手数料や保証料などのことです。
住宅ローン関連の諸費用は、金融機関や借りるプランによって異なりますが、主なものは以下のとおりです。
事務手数料
住宅ローンを借りる際に金融機関に支払う手数料で、一般的には借入額の1～2％程度です。
保証料
住宅ローンの返済が滞った場合に、保証会社が金融機関に代わって支払う費用で、一般的には借入額の0.5～1％程度です。
印紙税
住宅ローンの契約書に貼る印紙代で、契約書に記載された借入額によって異なります。例えば、借入額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合は2万円です。
火災保険料
住宅ローンを借りる際に加入することが多い火災保険の保険料は、契約内容や物件の面積などによって異なります。一般的には年間4～5万円程度です。
登記関連の諸費用
登記関連の諸費用とは、マンションを購入する際に必要となる登記手続にかかる費用のことです。
登記とは、マンションの所有者や住宅ローンの債権者などを公示する制度で、法的な保護を受けるために必要となります。登記関連の諸費用は、以下のとおりです。
司法書士報酬
登記手続きを依頼する司法書士に支払う報酬で、一般的には10～15万円程度です。
登録免許税
登記をする際に国に納める税金で、所有権移転登記や抵当権設定登記などにかかります。税額は物件価格や借入額などによって異なります。
税金関連の諸費用
税金関連の諸費用とは、マンションを購入する際に必要となる税金のことです。税金関連の諸費用として、主なものは以下のとおりです。
売買契約書の印紙税
マンションを購入する際に不動産会社と結ぶ売買契約書に貼る印紙代で、契約書に記載された物件価格（課税標準額）によって異なります。
例えば、物件価格が1,000万円を超え5,000万円以下の場合は6万円です。
不動産取得税
マンションを購入した際に課せられる税金で、物件価格（課税標準額）×3％が目安です。ただし、新築マンションや中古マンションでも築10年以内であれば減免措置があります。
固定資産税・都市計画税の精算分
固定資産税・都市計画税の精算分とは、マンションを購入した年の固定資産税・都市計画税を、売主と買主で分担する費用のことです。
固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課せられる税金で、翌年の1月から4回に分けて納付します。
そのため、マンションを購入した年には、売主が支払った分の一部を買主が負担することになります。
精算分の金額は、物件の評価額や引き渡し日によって異なりますが、一般的には物件価格の0.5％程度が目安です。
売買契約書の印紙税
売買契約書の印紙税とは、マンションを購入する際に不動産会社と結ぶ売買契約書に貼る印紙代で、契約書に記載された物件価格（課税標準額）によって異なります。
例えば、物件価格が1,000万円を超え5,000万円以下の場合は6万円です。印紙税は、売買契約時に不動産会社に支払います。
不動産取得税
不動産取得税とは、マンションを購入した際に課せられる税金で、物件価格（課税標準額）×3％が目安です。
ただし、新築マンションや中古マンションでも築10年以内であれば減免措置があります。
不動産取得税は、マンションの引き渡し後の翌年1月1日時点で所有している人に課せられますが、支払い時期は翌々年の3月～4月頃です。
その他の諸費用
その他の諸費用とは、マンション購入時に必要となるその他の費用のことで、以下のようなものがあります。
引っ越し費用
現在住んでいる場所から新居へ移る際にかかる費用で、荷物量や距離などによって異なります。一般的には10～20万円程度です。
家具・家電・インテリアなどの新調費
新居で使う家具や家電・インテリアなどを新しく購入する際にかかる費用で、個人の好みや予算によって異なります。一般的には50～100万円程度かかります。
マンション購入時の費用を節約する方法
マンション購入時の諸費用節約術をご紹介します。
仲介手数料キャンペーンを利用する
不動産会社によっては、期間によって仲介手数料が半額になったり、1万円になったりするキャンペーンを実施しています。
仲介手数料の上限は物件価格の3％＋6万円となるため、かなり高額な手数料です。
例えば、物件価格が4,000万円の場合、仲介手数料は126万円ですが、半額キャンペーンを利用すれば63万円に抑えられます。
1万円キャンペーンならさらにお得になるでしょう。このように、仲介手数料キャンペーンを利用すれば、諸費用を大幅に節約できる可能性があります。
自分で登記をする
マンションなどの不動産を購入する際には、登記をする必要があります。この登記にかかる費用が登記費用です。
通常は司法書士に依頼し、登記手続きを代行してもらいますが、その報酬は10～15万円程度となります。
しかし、実は自分で登記手続きをすることも可能で、その場合は登録免許税と印紙代だけで済ませることができます。
例えば、物件の価格が4,000万円で、抵当権設定登記と所有権移転登記をする場合、登記費用は司法書士に依頼すれば15万円程度ですが、自分で行えば6万円程度で済みます。
このように、登記を自分で行うことで、諸費用を抑えることができる場合があります。
ローン保証料を節約する
住宅ローンを借りる際には、保証会社に保証料を支払う必要があります。この保証料は一般的に融資額の2％＋消費税です。
例えば、物件価格が4,000万円で全額融資の場合、保証料は88万円です。ただし、保証料が不要な住宅ローンもあります。
そのような住宅ローンを利用することで、他の出費を抑えることができるかもしれません。
火災保険料を節約する
新耐震基準を満たした物件、耐震等級を取得した物件、住宅性能評価を取得した物件などは、保険料が安くなる場合があります。
また、保険会社によって保険料や補償内容が異なるため、複数の保険会社から見積りを取り、保険料や補償内容を比較することも大切です。
引越しのタイミングを考える
閑散期の引越しは諸経費を節約できる可能性があります。マンションを購入する際には、引っ越し費用がかかります。
引越し費用は荷物の量や距離などによって異なりますが、一般的には10～20万円程度です。ただし、時期によっても費用は変わります。
3月や9月などの繁忙期は引っ越し需要が高いため、費用が高くなる傾向にあります。一方、需要が少ない1月や6月などの閑散期は、費用が安くなる傾向にあります。
また、引越し業者によって費用やサービス内容が異なるため、複数の業者から見積りを取り、比較するようにしましょう。
不動産取得税の減税を利用する
不動産取得税は、マンションを購入する際に課税される税金で、おおよそ物件価格（課税標準額）×3％です。
例えば、物件価格が4,000万円の場合、不動産取得税は120万円となります。ただし、新築マンションや築10年以内の中古マンションには減免措置があります。
この特例を利用すれば、不動産取得税は半分以下に抑えることができるでしょう。このように、不動産取得税の軽減措置を利用することで、諸費用を節約できる可能性があります。
まとめ
この記事では、マンション購入時にかかる費用の内訳や目安を簡潔に解説しました。マンション購入には物件価格だけでなく、さまざまな諸費用が必要になります。
マンション購入時の諸費用は、物件価格に加えて現金で支払う必要があるため、資金計画を立てる際には忘れずに考慮しましょう。
また、この記事では初期費用を抑えるためのポイントも紹介しました。ぜひマンション購入に関する基礎知識として参考にしてください。
