不動産投資には、さまざまな種類があります。
長期的に安定した収入を確保できる不動産投資はリスクが低く、老後資金、副収入、節税、生命保険の代わりなど、さまざまなメリットがあります。
ローンを組んで物件を購入できるので少ない費用から始められる人気の投資ですが、自分に合っている不動産投資の種類を選択しなければ、成功するどころかむしろ損をしてしまう可能性すらあります。
この記事では、不動産投資の中でも特に代表的な3種類のそれぞれの特徴と、メリットデメリットを詳しく解説していきます。自分に最も適している不動産投資の種類をきちんと見極めましょう。
代表的な不動産投資の種類
これは不動産投資に限らずすべての投資に言えることですが、明確な目的がなければ投資は成功できません。なぜなら、目的がなければ自分に合った方法を選択できないからです。
自分が不動産投資で何を目的にしているかを明確にするためには、どのような投資の種類があるのかを知らなければなりません。
ここからは、不動産投資を代表する3つの種類の特徴を紹介していきます。
区分マンション投資
区分マンション投資とは、投資用マンションを区画単位で購入して運用する投資です。
不動産投資を始めるなら区分マンション投資から始めるべきと言われている位、オーソドックスかつ初心者におすすめされることが多い投資法です。
マンションの1室から所有して運用する区分所有なので、物件管理が楽です。また、1室からの運用になるため比較的安く物件を購入できるため、初心者でも取り組みやすいとして注目されています。
一棟投資
一棟投資とは、アパートやマンションを一棟単位で購入して運用する投資です。
区分投資が部屋単位で投資するのに対して、一棟投資はマンションやアパートを一棟丸ごと購入して全室で家賃収入を得ることになります。そのため、区分投資よりも必要な元手は大きくなるものの、収入金額も大きくなります。
表面利回りも区分投資より高い傾向にありますが、一棟投資は維持管理費や修繕積立金などの経費が高いため、利回りだけに踊らされることなく慎重な見極めが必要です。
戸建て投資
戸建て投資とは、一戸建ての物件を購入して運用する投資です。
戸建てはマンションやアパートよりも耐用年数が長く、また、戸建てに住む人は長期間住み続ける傾向にあるという大きなメリットがあります。ファミリーがその地域に根付いた生活を送るために借りるケースが多いので、10年以上同じ場所に住んでもらえることもあります。
一戸建ての賃貸に住みたいという需要は今でも高くありますし、空室期間中もかかるコストが低いというメリットもあるため、初心者は戸建て投資から始めるべきという声もあります。
区分マンション投資のメリットとデメリット
投資用マンションを区画単位で購入する区分マンション投資は、初心者が始めやすい不動産投資であると言われています。メリットとデメリットを以下で詳しく解説していきます。
メリット
区分マンション投資には、4つのメリットがあります。
● 投資額が少なくて済む
● 管理や修繕の手間が少ない
● 物件の数が多い
区分マンション投資が初心者におすすめされる最大の理由は、リスクが低く投資額が少なくて済むからです。まだ慣れていない状態で投資を行ってもすぐに上手にはいきません。最初は少ない投資額から進めていき、慣れてきたら大きな物件を購入するという流れがベターです。
さらに、1室から購入する区分マンション投資は、管理と修繕の手間がかかりません。マンション全体の管理は管理会社が対応しているため、決められた管理費と修繕積立金を支払っているだけでほとんど何もしなくて大丈夫です。
一棟投資の場合、地震や災害などの被害が全体に及んでしまいますが、区分マンション投資であればリスクを分散できるため、影響を緩和できます。
デメリット
区分マンション投資には、3つのデメリットがあります。
● 運営の権限が低い
● 空室による損害が大きい
区分マンション投資では、一棟所有に比べて管理費や修繕積立金が割高に感じてしまうというデメリットがあります。その理由は、そもそも利回りの水準が低く、管理会社がランニングコストを決めているため運用に対する権限が低いという点が挙げられます。
1室しか運用していなければ空室になれば収入は0円です。しかし、その間もローンは支払わなければいけませんので、空室の時は自腹で返済する必要があります。
一棟投資のメリットとデメリット
続いては、アパートやマンションを一棟単位で購入して運用する一棟投資のメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
一棟投資には、4つのメリットがあります。
● 自由に運営できる
● 将来的な土地活用も検討できる
● 収入が0円になるリスクが低い
一棟投資の最大のメリットは、区分マンション投資に比べて利回りが高く、一棟すべての部屋から家賃収入を得ることができるため収入が多いという点です。区分マンション投資に比べて金額規模が大きくなるため、安定したキャッシュフローを築くことができます。
一棟投資の場合、仮に1部屋が空室になったとしても他の部屋に入居者がいれば家賃収入は得られるので、収入が0円になるリスクが低いというメリットもあります。
また、大規模修繕や改装、共用部などは所有者権限で自由に運営できるため、より入居者のニーズに合わせた物件へと変更することも可能です。さらに、土地もオーナー名義に変更されるため、将来的には解体して別の活用方法を考えるなどの転換も検討できます。
デメリット
一棟投資には、4つのデメリットがあります。
● 維持管理コストが高い
● 手間がかかる
● 失敗した時のリスクが高い
最大のデメリットは、投資金額が高額な点です。
区分マンション投資であれば1,000万円以下でも始められますが、一棟投資なら数千万円、下手したら1億円以上といった投資金額の規模は想定しなければいけません。頭金として2割から3割程度は用意しておかなければいけないため、高額な元手が必要です。
建物全体の維持、向上を図るコストと手間もかかるため、気軽に始められません。リスク分散が困難であるため、失敗した時の被害が大きいということも覚えておきましょう。
戸建て投資のメリットとデメリット
最後に、戸建て投資のメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
戸建て投資には、3つのメリットがあります。
● 利回りが高い
● 入居期間が長い
戸建て物件は常に賃貸需要が高いため、マンションやアパートのように駅チカでなければ空室リスクが高くなるといったことがありません。また、戸建てはファミリーが長く住むことが多いため、長期に渡り安定した家賃収入が見込めます。
賃貸需要が高いということは家賃設定も強気でいけるということになりますので、集合住宅に比べて利回りが高くなるケースが多いです。
デメリット
戸建て投資には、3つのデメリットがあります。
● 空室の時は収入が0円になってしまう
● 個別性が高いため家賃相場を掴みにくい
修繕費やリフォームは自分の判断で管理できる戸建て投資ですが、すべての修繕費を自己負担で行わなければいけないため、退去時などに多額の費用がかかるケースが多いです。
また、戸建ては集合住宅とは異なり個別性が高い物件なので、この地域でこれ位の物件なら相場は幾らと決めにくいです。区分マンション投資と同様に入居者がいなければ家賃収入は0円になってしまうので、リスク分散がしにくいというデメリットも挙げられます。
まとめ
区分マンション投資、一棟投資、戸建て投資という不動産投資の代表的な3種類の特徴とメリットデメリットを解説してきましたが、参考になりましたか?
それぞれに違いがあるため、自分が不動産投資で求めている目標や希望を叶えるためにはどれが最適なのかを考えなければいけません。
この記事を参考に、自分に合っている不動産投資の種類をぜひ検討してみてください。