不動産投資は、適切に運用できれば安定した収入を得られるため、2戸以上の物件を所有してさらに資産を増やす方も少なくありません。
不動産投資において、複数の物件を運用することは非常に有効だといえます。しかし、具体的な物件の増やし方が分からず、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産投資物件の増やし方と物件を増やすメリットデメリット、物件を増やす際の注意点について解説していきます。
不動産投資物件の増やし方
不動産の買い増しを検討する際は、いつまでにどれだけの資金を築きたいのかという目標の設定から行います。なぜなら、設定した目標により選ぶべき物件の規模や資金の調達方法などが異なるからです。
不動産投資は、焦らずコツコツ拡大していくのがおすすめです。まずは、自分の人生設計に想いを巡らせ、1戸ずつ着実に買い増していきましょう。
ここでは、不動産投資物件の具体的な増やし方を紹介します。
不動産会社と懇意になる
現在、不動産を1戸所有している場合は、購入した不動産会社と密に連絡を取り懇意になることが重要です。
物件を10戸以上購入してきたようなベテランの投資家は、不動産会社からポータルサイトに公開される前の非公開物件を紹介してもらうこともあります。
なぜそのようなことが可能なのかというと、その業者から1度以上購入したことがあるからです。
一度でも取引をしたお客さんとは信頼関係も築いてあるうえ、投資家の資産状況も把握できているため、水面下の情報をメールや電話で紹介してもらえる確率が高くなります。
物件探しをルーティン化する
物件を買い増す際に大切なのは、毎日ポータルサイトなどで物件をチェックすることです。特に不動産投資初心者の場合、思いがけず優良物件が見つかる可能性はあまり高くありません。
そのため、不動産会社からの非公開物件の紹介と併せて、毎日のポータルサイトチェックをルーティン化し、地道に物件を探すことが必要となります。
焦らず1戸ずつ買い増していく
不動産投資で物件を増やす際にもっとも重要なのは、焦って大きな物件を購入したり、同時に複数の物件に手を出したりしないことです。
物件の買い増しを検討している方の中には、大きなアパートやマンションを1棟購入し、大きく利益を増やしたいと思われている方も多いですが、そのような考えは捨てた方がよいでしょう。
不動産投資で大きな利益を上げている投資家でさえ、初めは小さなアパートやマンションなどから始めて少しずつ大きな物件を買い増しています。
1年に1戸ずつ拡大していったとしても、5年で5戸、10年で10戸になります。焦らず毎日物件探しを続け、着実に拡大していきましょう。
不動産投資物件を増やすメリット・デメリット
不動産投資で所有物件を増やすメリット・デメリットとは、一体どのようなものなのでしょうか。ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
メリット
まずは、不動産投資物件を増やす具体的なメリットを紹介します。
収入や資産が増える
物件を増やす最も大きなメリットは、収入や資産が増えることです。所有する物件が増えれば増えるほど、家賃収入が増えていきます。
ローンを支払っている間は家賃がすべて自分のものになるわけではありませんが、完済すれば複数物件からの家賃がすべて収入になるため、多くの収入が期待できるようになります。
リスクを分散できる
複数の物件を所有していれば、自然災害や予期せぬ修繕工事、需要の減少など、所有する物件のひとつに何かあったとしても家賃収入がゼロにならないため、リスクの分散につながります。
節税対策になる
複数の物件を所有し、不動産投資を事業として行っている場合、青色申告特別控除や青色事業専従者などの制度を利用することで、高い節税効果が期待できます。
ローンの見直しができる
物件を買い増す際、より低金利なローンに乗り換えることが可能です。ただし、保証料や印紙代など諸費用がかかる点に注意しましょう。
デメリット
不動産投資は、物件を増やせば単純に収入も増えていきますが、以下のようなデメリットもあることを忘れてはいけません。
総借入額が増える
物件を増やすことによる最も大きなデメリットは、総借入額が増えることです。
ローンを組まず自己資金のみで購入していない限り、物件を買い増せば総借入額は増えることになり、返済のリスクも大きくなります。
修繕やメンテナンスが必要になる
物件の種類にかかわらず、一定期間が経過した建物は修繕やメンテナンスを行う必要があります。
その際、1度に大きな出費があるため、十分な蓄えがなければ赤字になってしまうかもしれません。特に、複数の物件を所有していると修繕時期が重なってしまう可能性もあります。
赤字が倍増する可能性がある
複数の物件を所有している場合、入居者が確保できていれば収入もその分増えますが、空室ができると赤字も倍増してしまう点に注意が必要です。空室リスクについて想定しておくことが大切です。
不動産投資物件を増やす際の注意点
最後に、不動産投資物件を増やす際の注意点について解説します。やみくもに物件を増やしたからといって利益が伸びるわけではありません。以下の点に注意して慎重に検討しましょう。
物件の選定を慎重に行う
物件を選ぶときは、融資を受けられる物件であること・投資価値の高い物件であることが重要です。
物件の購入には多額の費用がかかります。基本的には不動産投資ローンを組むことになるため、融資を受けられるであろう物件を選ぶようにしてください。
また、設備や仕様、立地の良さ、周辺施設の充実度なども入居率や家賃の維持につながります。建物自体の築年数も、入居率に関わる重要なポイントであるためチェックしておきましょう。
物件を買い増すタイミングを見極める
物件の買い増しは、以下のようなタイミングで行うのがベストです。
- 1戸目の運用が安定し、不動産投資に慣れてきたとき
- 自己資金に余裕があるとき
- 好条件で融資が受けられるとき
物件を買い増す前に、1戸目の物件から安定した収益を得られていることが大切なポイントです。1戸目である程度の自己資金を確保し、それを次の投資に充てるからこそ利益が利益を生むのです。
とはいえ、2戸目をすべて自己資金でまかなえるケースはほとんどありません。
多くの場合、2戸目も不動産投資ローンを利用することになりますが、頭金が用意できていないと融資を受けられない可能性もあるため、ある程度自己資金に余裕が出てから購入を検討しましょう。
これまでの不動産実績の成果により、金融機関からの信頼が獲得できていれば、好条件で融資が受けられることもあります。そのような場合も、物件の買い増しを検討すべきでしょう。
まとめ
不動産投資物件の増やし方と物件を増やすメリットデメリット、物件を増やす際の注意点について解説しました。
物件を増やすには、不動産業者と懇意になること、ポータルサイトなどでの物件チェックをルーティン化すること、焦って買い増さないことが重要です。
ほとんどの場合、物件は不動産投資ローンを組んで購入することになるため、物件を増やした後に資金を回収できるかどうか、よく検討しましょう。
不動産投資物件の買い増しを検討されている方は、本記事で紹介した内容を参考に、少しずつ資産を増やしていくことをおすすめします。