住宅ローンの審査に落ちると、多くの方は不安に感じるかもしれませんが諦める必要はありません。審査に通りやすくなるポイントや最終手段を押さえておけば、成功率を格段に向上させることが可能です。
この記事では、住宅ローン審査に通らない人の最終手段について詳しく紹介します。自身の状況に合わせた対策を打てば、再度の申請ができる可能性もあります。ぜひ参考にしてください。
審査に通らない人が知っておくべき住宅ローン審査の基礎知識
住宅ローンを借りるには、金融機関による審査を通過する必要があります。はじめに、住宅ローンの審査基準や審査の流れについて詳しく解説します。
審査基準
住宅ローンの審査基準には、大きく分けて「収入」と「信用度」の2つがあります。
収入面では、借入希望者の収入が安定しているかどうかが重要なポイントです。また、借入希望者の世帯構成や家族人数、年齢なども考慮されます。
信用度面では、クレジットヒストリー(信用履歴)が重視されます。これは、借入履歴や返済状況などを基に判断されます。
また、過去に債務整理を行った経験がある場合や、ブラックリストに名前が載っている場合などは、審査に通過することが難しくなります。
審査の流れ
住宅ローンの審査には、事前審査と本審査の2つの段階があります。
事前審査では、借入希望者の返済能力や物件価格までの融資が可能かどうかを確認します。この段階では、提出書類も比較的少なく、短い期間で結果が出ます。
しかし、事前審査で融資が認められても、本審査で落とされる可能性がある点に注意が必要です。本審査では、詳細な審査が行われます。借入希望者の収入や家族構成、クレジットヒストリーなどを基に、融資の可否や借入額などが判断されます。提出書類も多く、審査期間は数週間程度です。
審査に通りやすい住宅ローン商品がある
住宅ローン審査の難易度は、銀行によって異なります。比較的審査がやさしいといわれている商品としては、「フラット35」と「ネット銀行」が挙げられます。
「フラット35」は、住宅金融支援機構と民間金融機関が共同で提供する全期間固定金利の住宅ローンで、貸し倒れのリスクが少ないことから審査基準が緩いとされています。
また、固定金利のため返済計画が立てやすく、健康に不安のある方は団体信用保険が任意で加入できる点も、申し込みのハードルを低くしています。
一方、ネット銀行にはそれぞれ特徴があり、自分に合った銀行を選ぶことで審査の難易度を下げることができます。例えば、勤続年数による申し込み条件を設けていない銀行もあります。
しかし、審査基準は銀行によって異なるため、必ずしもフラット35やネット銀行がすべての申込者にとって審査に通りやすいとは限りません。
住宅ローンを申し込む前に、自身の収入や返済能力をしっかりと把握し、複数の銀行の条件を比較・検討することが大切です。
住宅ローンの審査に通るために押さえておくべきポイント
住宅ローンを利用する際、金融機関は返済能力や信用度などをチェックし、審査を行います。ここでは、住宅ローンの審査に通るためのポイントを紹介します。
返済負担率を抑える
返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合を示します。この割合が高くなるほど、借入時に受け取れる融資額が減少し、審査に通りにくくなります。
返済負担率は、借入期間や借入額によって決まり、期間が長いと返済は少額になりますが、その分利息が膨らみ最終的な返済額が大きくなります。
また、借入額が多いほど返済負担率が高くなります。返済負担率は、年収の3分の1までが望ましいとされています。
頭金を用意する
住宅ローンを借りる際、頭金を用意することで借入額が減り、返済負担率を下げることができます。頭金が多いほど返済負担率を下げることができるため、できるだけ多く用意することが望ましいです。
頭金が用意できない場合は、担保や保証人を設定することで融資を受けることができます。しかし、保証人や担保が必要となると、その分だけ審査が厳しくなります。
返済能力を証明する
住宅ローンを借りるには、返済能力を証明する必要があります。具体的には、収入や家族構成、勤務先などが審査されます。収入が安定していることが重要で、長期間同じ会社で勤めている場合は審査に通りやすい傾向があります。
自営業者は事業計画や経営状況が重視される
自営業者の場合は、事業計画や経営状況の評価も審査で重要視されます。事業計画には、将来の見通しや事業計画書などが含まれます。
そのため、将来的な収入の見通しが立っていることや、経営状況が安定していることが求められます。また、自営業者は年収や勤務先、勤続年数など、会社員とは異なる審査項目が存在します。
自営業は所得が不安定である場合が多いため、審査に通過するためには、過去3年間にわたって所得が安定していることが求められます。
自営業者は事業計画書や直近3期分の決算書、確定申告書などを用意しておくことが必要です。
成功事例から学ぶ!審査に通らない人が実践した最終手段とは?
住宅ローンの審査が通らなくて落胆する気持ちはよくわかります。しかし、必ずしも諦める必要はありません。最終手段として以下の方法があります。
- 自己資金を増やす
- 他のローンの返済を済ませる
- 担当者と話し合う
ここでは、それぞれの方法を成功例と合わせて紹介します。
自己資金を増やす
住宅ローンの返済比率が高い場合、自己資金を増やすことで審査に通りやすくなります。自己資金を増やすと、借入金額が減り、返済比率も低くなります。
長期間に渡る返済を考えると、子育てなどの出費に備えて自己資金を増やすことがおすすめです。自己資金の額は住宅購入資金の1~2割であるとされています。
成功事例
自営業で決算書が2〜3期分必要で、過去の所得が低かったため融資が難しかった状況でした。
しかし、ご夫婦での貯蓄が多く、その一部を自己資金として計画に組み込むことができたため、銀行の反応も良く、結果的に地銀から融資が承認されました。
他のローンの返済を済ませる
審査に通りやすくするためには、返済比率を低くすることが重要です。
返済比率には、クレジットカードの分割払いやリボ払い、教育ローン、自動車ローン、携帯電話の分割払いなどが含まれます。
そのため、他の借入を完済するなどして返済比率を低くすることが有効です。
しかし、生活費や予期せぬ出費に備えるため、自分の収支状況を考慮しうえで無理のない範囲で借入を検討することが重要です。
成功事例
数年前にカードローンの支払いを延滞していたことがあり、個人信用情報に延滞の履歴が残っていたため、銀行への事前審査申し込み時に審査に落ちてしまいました。
過去の金融トラブルの有無は重要なファクターとなりますので、審査前には事前に対策を講じることが必要です。対策後には、別の地方銀行での融資申し込みが成功しました。
担当者と話し合う
担当者によって評価基準やアドバイスが異なるため、何人かの担当者に話を聞くことで自分にとってベストな方法が見つかるかもしれません。
話し合いが上手くいかなかった場合でも、諦めずに別の担当者に話を聞いてもらうことも一つの方法です。
審査担当者と話し合う場合、書面にまとめた質問や現状を持参することで、自身の状況を正確に伝えることができます。また、担当者からのアドバイスをメモすることも重要です。
成功事例
ローンが通りにくい会社経営者が、信頼を置いていた銀行の担当者とフラット35の担当者2名に相談し、試行錯誤したという事例があります。フラット35は通ると思っていたものの、団体信用生命保険料が別途必要だったため、銀行で通ることを目標にしていました。
その結果、銀行の担当者の専門知識やアドバイスを活用し、住宅ローン審査に成功したというものです。
まとめ
住宅ローンが通らない人のために、審査の基礎知識や通るためのポイント、最終手段の成功事例を紹介していきました。住宅ローンの審査で通るためには、適切な対策を立てて地道に取り組むことが大切です。また、自己資金を増やすこと、その他のローンを解決しておくこと、担当者を変えることも有効な対策です。
ぜひ、自分に合った対策を考えて、住宅ローンの審査通過を目指しましょう。