新築マンションは、自分好みの間取りや設備が選べることや、メンテナンスが少なくてすむことなど、魅力的な住まいです。
しかし、新築マンションを購入する際には、高額な費用や長期的なローン返済など、さまざまなリスクもあります。
後悔しないためには、購入前にしっかりと注意点を把握しておくことが大切です。
この記事では、新築マンション購入の注意点を4つのポイントに分けて解説します。注意点を把握し、入居後に後悔のない物件選びを心がけましょう。
また、災害時に安心できる最新の耐震構造についても紹介します。
費用に関する注意点
新築マンションを購入するためには、物件価格だけでなく、諸費用や維持費なども考慮しなければなりません。
無理のない資金計画を立てるためには、以下3つのポイントに注意しましょう。
住宅ローンの返済額を確認する
住宅ローンは、自分が借りられる金額と返せる金額が必ずしも一致しないことに注意しましょう。
金融機関が貸してくれる住宅ローンの金額は、年収や勤務先などさまざまな条件で決まりますが、無理なく返済できる金額とはかぎりません。
一般的には年間のローン返済額(住宅ローン以外の返済も含む)が年収の35%以内といわれますが、実際の返済可能額は世帯の事情によって異なります。
個々の事情に合わせて無理のない範囲で返済できるような借入額を設定しましょう。
諸費用を見積る
マンションを購入すると、毎月の管理費や修繕積立金などの維持費がかかります。管理費は、共用部分の清掃や警備、管理人の給料などに充てられます。
修繕積立金は、建物の老朽化に備えて積み立てられるお金で、大規模修繕工事などに使われます。
これらの維持費は、マンションの規模や設備、管理体制などによって異なりますが、一般的には月額で物件価格の0.5~1%程度が目安とされています。
税金も考慮する
年に1回支払う税金(固定資産税、都市計画税)も必要です。
固定資産税・都市計画税は毎年1月1日時点での所有者に課税されるため、購入した年は売主が支払った分を買主が日割り計算して支払います。
固定資産税・都市計画税の金額は物件の評価額によって異なりますが、一般的には物件価格の0.3~0.5%程度が目安とされています。
無理のない予算を立てるためには、事前にしっかりとこうした費用も見積りましょう。
専有部分に関する注意点
マンションを購入するときには、自分が住む部屋である専有部分もチェックする必要があります。以下、専有部分に関する注意点を詳しく解説します。
間取りや面積を確認する
マンションを選ぶ際には、間取りや面積が重要なポイントです。間取りや面積は、自分や家族のライフスタイルや将来の変化に合っているかどうかを考える必要があります。
例えば、子どもがいる場合や将来増える可能性がある場合は、子ども部屋や収納スペースが十分にあるかどうかを確認しましょう。
また、仕事や趣味で在宅が多い場合は、作業スペースやリビングスペースが広く快適かどうかも大切な要素となります。
間取りや面積を確認する際には、実際に現地での内覧をおすすめします。広告やパンフレットに書かれている数字や図面だけでは、実感としてわかりにくいことがあります。
実際に部屋の中を歩いてみると、部屋の広さや形、日当たりや風通し、眺望や音環境などをたしかめることができます。
内覧する際には、家具や荷物を置くイメージをしながら、自分の暮らしに合っているかどうかをチェックしましょう。
設備や仕様を確認する
マンションの専有部分には、キッチンやバスルーム、トイレなどの水まわりや、エアコンや給湯器などの設備があります。
これらの設備は、快適さや省エネ性、メンテナンス性などに影響します。設備の種類や性能、メーカーなどを確認しましょう。
また、設備だけでなく、壁や床、天井などの仕様も要チェックです。仕様は、断熱性や防音性、耐久性などに影響します。仕様の種類や材質、厚さなどを確認しておきましょう。
設備や仕様を確認する際には、実際に設備を操作してみたり、壁や床を触ってみたりすることで、自分の好みや要望に合っているかどうかをたしかめることができます。
内覧する際には、水まわりの水圧や温度、設備の動作音や振動に加え壁、床、天井などの色合いや質感などにも注意しましょう。
リフォームの可否を確認する
マンションの専有部分は自分の所有物ですが、自由にリフォームできるわけではありません。マンションは共同住宅であるため、リフォームする際には管理組合の承認が必要です。
管理組合はマンション全体の安全性や美観性を守るために、リフォームに関する規約や基準を定めています。
例えば、壁や床の色や材質を変える場合や、間取りを変える場合などは承認が必要です。
また、バルコニーに物干し竿を取り付けたり、窓にフィルムを貼ったりする場合も承認が必要です。リフォームの可否を確認する際には、管理組合の規約や基準を確認しましょう。
また、管理組合だけでなく、建築基準法や消防法などの法律も遵守しなければなりません。
例えば、窓枠や玄関ドアなどの外観を変える場合や、専有部分と共用部分との境界を変更する場合などは、建築基準法や消防法に基づく許可や届出が必要です。
災害対策も忘れずに
マンションを購入するときは、その場所で長く暮らすことになるため、災害リスクをしっかりと調べることが必要です。ここでは、災害対策として、二つのポイントを取り上げます。
ハザードマップでリスクを確認
安くて魅力的なマンションでも、地震や洪水などの危険が高い場所にあるかもしれません。契約する前に、ハザードマップを見て、どのような災害が起こりやすいかをたしかめましょう。
もちろん、ハザードマップでリスクがあると分かっても、その場所に住むことがダメだというわけではありません。
マンション自体が耐震性や防水性などの対策をしていることもありますし、自分で食料や水などの備蓄をしたり、避難ルートや方法を考えておいたりすることもできます。
リスクを理解して、上手に対処することが大切です。
長期優良住宅の認定を受けているか
耐震性能を判断するためには、耐震等級や長期優良住宅の認定の有無などをチェックする必要があります。
耐震等級は、地震に対して建物が倒壊しにくい度合いを1から3までの数字で表したものです。
耐震等級3のマンションは、耐震等級1のマンションよりも1.5倍の強度を持っています。耐震等級は、住宅性能表示制度という制度で表示されます。
長期優良住宅は、国土交通省が定めた9つの基準を満たし、認定を受けた住宅です。耐震性だけでなく、劣化対策や維持管理・更新の容易性なども考慮されています。
長期優良住宅を新築や取得すると、税金の軽減などのメリットもあります。
もちろん、他にも地盤や地形、周辺施設なども重要です。災害リスクを把握して、自分に合ったマンションを見つけましょう。
まとめ
この記事では、新築マンション購入の注意点を4つのポイントに分けて解説しました。新築マンションを購入する際には、お金や建物、立地などさまざまなことに注意が必要です。
新築マンションは一生に一度の買物と言っても過言ではありません。後悔しないためには、購入前にしっかりと情報収集し、自分に合ったマンションを選ぶことが大切です。
この記事が満足のゆくマンション選びの参考になれば幸いです。