マンションや戸建てに住んでいると、「不動産を売却しませんか」といった内容のチラシがポストに投函された経験がある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、チラシを配布する不動産会社の目的や、実際に売却を依頼する際のメリットや注意点について詳しく紹介します。
「不動産売却を考えている」「チラシの業者へ依頼してもよいか知りたい」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
不動産会社がチラシを配る理由
はじめに、不動産会社が不動産売却のチラシを配る理由を解説します。
売主獲得のための効率化
売主を獲得するために、チラシは効率的かつ有効な手法です。
売主には不動産を売りたい理由があり、一度契約が成立すれば売却までの見込みが高いため、不動産会社は売主獲得のためにチラシを配ることで業務の効率化を図ることができます。
不動産会社が売主を獲得するためには、まず売却を検討している人を見つけ出す必要があります。そのためには、チラシを配布してターゲット層に訴求しなければいけません。
また、チラシには物件情報や売却の秘訣、売却実績や登録物件数などの情報を掲載することで、売主の関心を引き付けることができます。
売却物件を増やせる
不動産会社のアピールポイントとして、売却物件数が重要であることは確かです。売却物件が多ければ買い手は選択肢が増え、売買契約の成立率が高くなる可能性があります。
また、売却物件数が増えれば多くの不動産仲介手数料が発生するため、不動産会社の利益に直結します。そのため、不動産会社は売却物件数を増やすことで利益を最大化しようとします。
しかし、いくら物件数が多くても品質が低ければ買い手からの信頼を失い、売買契約が成立しないことも考えられます。不動産会社は売却物件数の増加と品質の維持を両立させるために、チラシを配布します。
他社と差別化できる
不動産会社は、他社との差別化を図るために保有する売却物件数の多さをアピールポイントにしています。
売却物件数が多ければ、それだけ珍しい物件を扱える可能性が高くなります。また、売主との契約方法によっては、該当の物件をその不動産会社だけで取り扱うこともできます。
チラシはインターネットで広告を出すよりも手に取って見てもらえる可能性が高いため、他社との差別化をアピールする際に有用です。
両手取引が狙える
不動産会社は売主と買主をマッチングさせることで、売買契約を成立させ、手数料で利益を得ることができます。
売却物件数が多いほど売買契約が成立する可能性が高まるため、不動産会社は物件数の増加に力を入れます。また、売主と買主の両方と契約することで、不動産会社は両手取引を行うことができ利益増加につながります。
しかし、近年はインターネットによって個人でも物件情報が簡単に入手できるようになり、両手取引は減少傾向にあります。そのため、不動産会社は創意工夫を凝らし、他社と差別化することが求められています。
前述の通りチラシは、インターネット広告よりもターゲット層の目に入りやすく、地域密着型などのアピールポイントを主張しやすくなります。
チラシの不動産会社に売却を依頼するメリット
不動産を売却する際には、さまざまな方法がありますが、その中でも一般的なのが不動産会社に売却査定を依頼する方法です。ここでは、チラシの業者に不動産売却を依頼するメリットについて解説します。
物件の状況や相場をよく把握している
チラシを投函する不動産会社は、その地域の不動産市場をよく把握しています。
そのため、マンションや戸建て住宅の相場を正確に把握していると同時に、物件の状況についても情報を多く持っているといえるでしょう。
不動産の価値は物件自体の状態だけでなく、周辺環境や交通アクセスなど多岐にわたる要因が影響します。
そのため、地域に特化した不動産会社であれば、物件の価値を正確に把握したうえで適正価格で売却してくれる可能性が高くなります。
正確な査定額を得られる
長年にわたり地域に根付いて営業している不動産会社は、同じ物件を何度も取り扱うことで、物件の実情を詳しく知っています。
例えば、物件の修繕履歴や周辺環境の変化など、物件の詳細な情報を把握していることがあります。そのため、チラシの不動産会社に査定を依頼することで、より正確な売却査定額を得ることが期待できます。
高すぎず安すぎない適正な売却査定額を提示してもらえるため、損をすることなく売却できる可能性が高まります。
見込み客がいれば早く売れる
チラシの不動産会社に売却査定を依頼すると、見込み客がいれば早く売れる可能性が高いというメリットがあります。
見込み客とは、不動産会社があらかじめ顧客から「このエリアで売り物件があったら教えてほしい」と依頼を受けている人たちのことを指します。見込み客は購入意欲が高く、即座に物件を購入する可能性があります。
チラシの不動産会社は、そのエリアの市場動向や見込み客のニーズをよく把握しており、見込み客と出会える機会を多く持っています。
特に、地元で長年営業している不動産会社は、地元住民に信頼され、見込み客を抱えている可能性が高いです。
もしチラシの不動産会社が見込み客と出会った場合、物件を高値で購入してくれる可能性があります。そのため、早く売却することができ、手間や時間を省くことができます。
しかし、見込み客がいなかった場合は売却に時間がかかる可能性があるため、査定金額には注意が必要です。売却期限が決まっている場合は、金額だけでなく売却までのスピードも重視する必要があります。
チラシの業者に不動産売買を依頼する際の注意点
チラシを見て不動産会社に問い合わせることは、自分の不動産を高く売却するために役立つことが多いですが、注意が必要な点もあります。
中には悪質な業者も存在するため、以下の注意点を押さえておくことが大切です。
高い査定額には注意が必要
チラシに書かれている査定額は、相場よりも高く設定されていることがあります。
実際に査定を受ける際にも、相場より高い査定額を提示されることがありますが、査定額はあくまでも査定額であり、実際に売れる価格ではありません。
高額な査定額に踊らされず、別の不動産会社からも査定してもらうことをおすすめします。
相場よりも高額な場合は理由を確認する
相場よりも高額な売却額を提示された場合は、その理由を確認することが大切です。
不動産会社が特別な買い手を有しているなどの特殊な条件がある場合は、高額な査定額を提示されることがあります。しかし、高額な査定額を提示しておきながら実際に売却が成立しないことも少なくありません。
相場とは異なる高額な査定額の場合は、理由をきちんと確認するようにしましょう。
買取保証には注意が必要
不動産会社によっては、買取保証をつけることがあります。買取保証とは、一定期間で売却できない場合に不動産会社が直接買い取る制度です。
しかし、悪質業者の場合は買取保証を利用して高い査定額を提示し、最終的に相場よりも低い価格で買い取るといった手法もあります。
買取保証を利用する際には、売却価格と買取価格の両方が適正かどうかを確認するようにしましょう。
まとめ
不動産の売却において、チラシの業者に頼むことにはメリットもありますが、注意が必要な点もあります。
チラシに書かれている査定額は、相場より高く設定されていることがあるため、高額な査定額に踊らされず、別の不動産会社からも査定を受けることをおすすめします。
また、買取保証は悪質業者も存在するため、利用する際は売却価格と買取価格の両方が適正かどうかを確認することが重要です。
最終的な売却価格に影響する重要なポイントであるため、不動産売却時は慎重に業者を選び、複数の査定を受けるようにしましょう。
