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不動産の生前贈与による税金対策とは?メリットと死因贈与との違いを解説

親や親族から財産を相続する場合、相続税の負担が大きくなることがあります。

そのため、親や親族から財産を相続する際には、相続税の負担を軽減するための対策が必要ですが、その1つが生前贈与という方法です。

今回は、生前贈与のメリットと注意点、生前贈与がおすすめのケースを解説します。親や親族から財産を相続する予定のある方や、子や孫に財産を引き継ぎたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

不動産の生前贈与とは?

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不動産の生前贈与とは?

不動産の生前贈与とは、贈与者が所有する不動産を無償で受贈者に譲ることを指します。相続に関連する方法には、生前贈与、死因贈与、遺贈、相続の4つがあります。

譲渡方法内容
生前贈与贈与者が生きているうちに、受贈者に財産を贈る
死因贈与贈与者が亡くなったことを契機として、受贈者に財産を贈る
遺贈遺言書によって特定の受贈者に財産を譲る
相続亡くなった人の財産を法定相続人が引き継ぐ

生前贈与と死因贈与の違い

生前贈与とは、人が生きているうちに自分が所有する財産を無償で他者に譲渡することをいいます。

不動産の生前贈与は相続税の節税効果があるため、高齢者や相続に関心のある方にとっては有効な方法ですが、生前贈与を行う場合は、注意点や手続きがあるため専門家のアドバイスを受ける必要があります。

一方、死因贈与とは、贈与者が死亡した場合にその効力を生じる契約を指します。ただし、死因贈与契約の場合は、契約内容を明確にすることが非常に重要です。

贈与の対象となる財産や、負担付死因贈与契約の場合は負担の内容を記載し、不動産については、登記事項証明書の内容に従って正確に記載することが求められます。

預貯金については、銀行名や口座の種類、番号、名義人を明確にしなければなりません。

死因贈与契約においては、執行者を指定することもできます。執行者は、相続人間でのトラブルを避けるため、専門家の司法書士などに任せることが望ましいとされています。

生前贈与のメリットと注意点

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生前贈与と死因贈与には、それぞれ特有の利点と注意点があります。親や親族から財産を相続する予定がある場合は、両者を比較して最も適切な方法を選択することが大切です。

生前贈与の最大のメリット

生前贈与は、親や親族から自分が望む財産を確実に受け取ることができるという最大のメリットがあります。

遺言が残されていない場合、法定相続人で財産を分けることになり、意図しない相続人が財産の一部を持っている可能性があります。また、相続人同士の分割協議が複雑化し、争いに発展することもあります。

生前贈与による相続税の節税効果

財産を相続する際には相続税がかかりますが、生前贈与を受けることで相続税を軽減することができます。

生前贈与を行うことで相続財産の評価額が下がるため、相続税額を低く抑えることができます。また、生前贈与にかかる贈与税は、親や親族から受け取った場合、一定額まで非課税となります。

資産価値が上がる前の生前に贈与を受けることで、相続税や贈与税の軽減が期待できるでしょう。

生前贈与による資産価値の最適化

将来的に価格が上昇することが予測される不動産については、生前贈与によって最適な活用が可能です。

例えば、土地開発を行う場合や高収益物件である場合には、相続税の負担を抑えるために、生前贈与によって所有権を譲渡することが有効です。

価格が上昇してから相続税を納めるよりも、贈与税を支払って生前贈与を行った方が、納付額を抑えることができます。

生前贈与の注意点

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生前贈与にはいくつかの注意点があります。まず、贈与者は贈与された財産を取り戻すことはできません。贈与者がその財産を必要とする場合は、買い戻すか賃貸する必要があります。

また、生前贈与で財産を取得した場合、その後の管理維持費や相続税の問題が発生することもあります。

したがって、生前贈与を受ける場合には、相続時の問題や管理方法、維持費などについて贈与者と十分に話し合うことが必要です。

さらに、生前贈与を受ける際には、相続人や家族への配慮も必要です。生前贈与で財産を贈与できる相手が限定されるため、他の相続人や家族との関係が悪化する可能性があります。

生前贈与は家族間のトラブルの原因になることもあるため、事前に家族全員が納得できるような話し合いをすることが必要です。

生前贈与が得になる3つのケース

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生前贈与を受けると、相続人として遺産を受け取ることができ、相続税が節税できるメリットがありますが、贈与税がかかる場合があります。

ただし、教育資金、結婚・子育て資金、住宅取得資金については、制度を利用すれば贈与税が非課税になる特例があります。

以下では、特に生前贈与を受けると有利なケースとして、留学の資金調達、孫が生まれた場合、マイホームの購入の3つを解説します。

留学の資金調達

留学にはお金がかかることが多いです。生前贈与により、両親や祖父母に留学資金を援助してもらうという方法も考えられます。

しかし、教育資金非課税制度を利用すれば、最大1,500万円までなら確定申告の必要がなく非課税にすることができます。この非課税枠は、留学に限らず、大学などの教育資金にも利用できます。

生前贈与による留学資金支援は、将来の夢を実現するための大きな支えとなり、両親や祖父母の相続税対策にもなります。

両親や祖父母は、生前贈与を行うことで、将来的に相続税がかかる財産を減らすことができます。

孫が生まれた場合

お子さんにお孫さんが生まれた場合、ご両親や祖父母から生前贈与により出産祝いや将来の教育費として贈与を受けることができます。

この場合、結婚・子育て資金の非課税制度により、1,000万円までなら申告不要で非課税になります。

生前贈与による孫への贈与は、両親や祖父母の大切な愛情表現です。また、自分の子どもや孫の将来の教育費や住宅購入費に役立てることができ、大きな助けとなります。

マイホームの購入

自分や家族がマイホームを購入したり、すでに所有している住宅をリフォームしたりしたい場合、両親や祖父母から生前贈与で資金援助を受けることができます。

この場合、住宅取得等資金の非課税制度を利用しましょう。

この制度は、自己の居住の用に供する家屋の取得、家屋の増改築、土地の購入に要する資金について、相続税の非課税枠に加え、一定の金額が非課税となるものです。

上限は2023年12月末までは1,000万円、2024年1月以降は800万円に引き下げられる予定です。制度を利用する場合は、贈与を受けた人自身が申告する必要があります。

また、贈与を受けた人が住宅を取得した場合、取得した住宅を5年以上居住用として所有する必要があります。所有期間が短くなると、非課税枠が取り払われ、贈与税が課されることになります。

このため、住宅取得等資金の非課税枠を利用する場合は、所有期間をよく考慮した上で判断する必要があるでしょう。

まとめ

この記事では、不動産の生前贈与について、相続人に遺産を残すための手段であることや、相続税の節税につながる可能性があることを解説しました。

また、死後贈与との違いや、生前贈与によるメリットについても詳しくお伝えしました。

贈る側が自分自身で贈与の意思を伝え、希望する相手に不動産を贈ることができる生前贈与は、相続において大切な考え方の1つです。

親や親族が希望する不動産を確実に受け取ることができ、相続税の負担も軽減されるというメリットがあります。

とはいえ、注意点もありますので、適切なタイミング、適任者の選定、家族・相続人との話し合いなどを経て、慎重に検討するようにしましょう。

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