50代になりマンションの購入を検討しているものの、貯金がないからと諦めている方は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、50代で貯金がなくてもマンションを購入する方法はあります。
この記事では、50代で貯金がなくてもマンションを購入するための方法や注意点、住宅ローンの審査に通るコツについて詳しく解説します。
50代貯金なしでマンション購入はできる?
前述の通り、50代で貯金がなくてもマンションは購入できます。ここでは、その理由を詳しく解説します。
住宅ローンを借りることは可能
貯金のない50代でもマンション購入が可能かどうか決定するポイントは、住宅ローンを借りられるかどうかです。
住宅ローンの審査では、返済時の年齢、健康状態、年収、返済負担率などが考慮されます。
借入時年齢と返済時年齢の条件をクリアしていれば、50代でも住宅ローンを借りることは可能です。
ただし、金融機関の審査は厳しくなるため、年収や健康状態などをしっかりアピールすることが大切です。
物件選びは中古マンションがおすすめ
貯金のない50代がマンションを購入する場合は、中古マンションがおすすめです。
中古マンションは新築マンションに比べて価格が安く、立地や設備を確認できるというメリットがあります。
また、修繕積立金や管理費が安く、資産価値の下落率が低い場合もありますが、もちろん、中古マンションにもデメリットはあります。
リフォームや修繕が必要な場合もありますし、防音性や耐震性が低い場合もあります。また、住宅ローンの金利や借入期間が高い、または短いこともあるでしょう。
中古マンションを選ぶ際には、物件の状態や周辺環境をよく調べ、信頼できる不動産業者に相談することが大切です。
貯金がない50代がマンションを買うには?2つのケースを紹介
ここでは、貯金がない50代がマンションを購入できたケースを2つ紹介します。
ケース1:頭金0円借入期間15年で2,500万円の中古マンションを購入したAさん
家族構成は妻と子ども2人で、これまで賃貸マンションに住んでいましたが、定年後の住まいを確保するためにマンションの購入を決意しました。
しかし、Aさんには貯金がほとんどありません。そこで、Aさんは下表の条件で住宅ローンを組みました。
項目 | 金額 |
中古マンション価格 | 2,500万円 |
金利 | 0.35% |
借入金額 | 2,500万円 |
借入期間 | 15年 |
利息 | 66万5,637円 |
諸費用 | 77万円 |
総返済額 | 2,643万5,637円 |
この場合、Aさんの月々の返済額は約14.7万円です。年収は600万円ですから、月々の返済額は年収の約3割に相当します。
これは、一般的にいわれている返済能力の範囲内(年収の25~35%)です。また、65歳までに住宅ローンを完済できるため、定年後の返済負担もありません。
Aさんは頭金0円、借入期間15年で2,500万円の中古マンションを購入することができました。
このケースでは、中古マンションを選択することで、新築マンションよりも価格を抑えることができた点と、低金利の住宅ローンを選択することで、支払利息を節約できた点がポイントです。
ケース2:ローン期間20年、頭金0円で2,500万円の中古マンションを購入したBさん
Bさんは51歳の自営業の男性で、家族構成は妻と子供1人です。
30年以上持ち家の一戸建てに住んでいましたが、老朽化が進み、新しい家に住み替えたいと考えていました。
とはいえ、自営業であること、住宅ローンを組むのが難しいこと、貯金が少ないことからあきらめていました。
ところがある日、友人から中古マンションの購入を相談されたBさんは、友人の紹介で信頼できる不動産会社に相談に行き、自分に合った条件の住宅ローンを組むことができました。
そこで、Bさんは下表のような条件で住宅ローンを借りました。
項目 | 金額 |
中古マンション価格 | 2,500万円 |
金利 | 0.35% |
借入金額 | 2,500万円 |
借入期間 | 20年 |
利息 | 88万8,852円 |
諸費用 | 77万円 |
総返済額 | 2,665万8,852円 |
この場合、Bさんの月々の返済額は約11.1万円です。年収が800万円なので、月々の返済額は年収の約17%に相当します。
これは、返済能力の目安を下回っています。また、Bさんは71歳までに住宅ローンを完済できるため、定年退職後も返済を続ける必要があります。
とはいえ、頭金0円、借入期間20年で2,500万円の中古マンションを購入することに成功しました。
このケースのポイントは、自営業者でも信頼できる不動産業者に相談することで住宅ローンを組むことができたこと、借入期間を長くすることで月々の返済額を抑えることができたことです。
貯金なしの50代がマンションを購入する際の注意点
貯金なしの50代がマンションを購入することは可能ですが、注意すべき点もあります。ここでは、3つのポイントを解説します。
健康状態に注意して団体信用生命保険に加入する
団体信用生命保険(団信)とは、抵当権者が万が一死亡した場合に、保険金で住宅ローンを完済する保険です。
住宅ローンには、団体信用生命保険への加入が前提となっているものもあります。ただし、借主の健康状態によっては加入できないケースもあります。
この場合、50代は健康状態が悪くなりやすいため、団信に加入できるかどうか事前に確認しておくことが大切です。
物件価格を抑える
貯金のない50代がマンションを購入する場合、物件価格を抑える必要があります。
なぜなら、老後資金やバリアフリーのリフォーム費用などを考えると、高額な物件の購入費用は重い負担になるからです。
物件価格を抑えるためには、新築マンションではなく中古マンションを選んだり、物件の広さや立地を妥協することが有効です。
また、住宅ローンの借入額は少ない方が審査が通りやすくなります。物件価格の目安は、2,000万円以下がおすすめです。
老後を見据えた物件選び
50代でマンションを購入する場合、老後の生活を考えて物件を選ぶことが大切です。高齢になると足腰が弱くなり、病気やケガをする可能性が高くなります。
そのため、バリアフリー設計になっていたり、エレベーターやスロープなどの設備が整っている物件を選ぶとよいでしょう。
バリアフリー設計でない物件を購入した場合、将来的にバリアフリーへのリフォームが必要になります。
バリアフリーリフォームには、費用や管理組合の同意などの問題があるため、事前に計画や予算を立てておくことが大切です。
貯金なしの50代が住宅ローンに通るためのコツ
ここでは、50代で貯金がなくても住宅ローンの審査に通るための3つのコツを紹介します。
返済期間を短くする
住宅ローンの返済期間は、借入時の年齢によって制限されます。一般的には、完済年齢が80歳未満になるように設定されています。
つまり、50歳で借りた場合、最長返済期間は30年しか設定できません。そのため、35年ローンに比べると月々の返済額は高くなります。
しかし、返済期間を短くすることで利息負担を減らし、返済能力をアピールすることができます。
返済期間が短いほど、支払う利息の総額は少なくなり、住宅ローンの負担軽減につながります。また、金融機関は返済期間が長いほどリスクが高いと判断するため、返済期間が短いほど信用力が高く評価されます。
返済期間を短く設定するには、物件価格を下げて収入を増やすことが効果的です。
住宅ローン以外の借入金を完済しておく
住宅ローンの審査では、他社の借入金も考慮されるため、自動車ローンやカードローンなどを完済しておくことが大切です。
他社の借入が多いと、年収に占めるローン返済額の割合が大きくなり、返済能力が不十分と判断される可能性があり、審査に不利に働きます。
また、携帯電話の分割払いや税金の支払いなどで滞納の記録がある場合も審査に不利に働くため、自身の信用情報を確認しておきましょう。
信用情報とは、個人の信用度やクレジットヒストリーを記録した情報のことで、金融機関や信用情報機関に照会できます。
信用情報に問題がある場合は、改善に努めましょう。
親子リレーローンを検討する
親子リレーローンとは、契約者とその子供が借り手となり、親子で一緒に返済していく住宅ローンです。
契約者本人だけでは住宅ローンの返済が難しい場合や、子どもの住宅購入を援助したい場合などに利用されます。
親子リレーローンを申し込む際には、子どもの同意が必要で、金融機関によっては子どもと同居していることが条件となる場合もあります。
また、親子ともに団信への加入が必要な場合もあるため、金融機関の申込条件をよく確認する必要があります。
親子間のトラブルを避けるためにも、十分な話し合いの上で検討しましょう。
まとめ
貯金なしの50代がマンションを購入する方法と注意点を解説しました。マイホーム購入は、50代で貯金がなくても条件次第ではあきらめる必要はありません。
とはいえ、住宅ローンの審査や返済、物件の状態、周辺環境、老後の生活などを考慮する必要があります。
この記事を通じて、読者の皆さんがマイホーム購入を実現できることを願っています。