不動産投資はミドルリスクミドルリターンの手堅い投資というイメージを持っている方が多いと思いますが、投資である以上、成功する人と失敗する人がいるのも事実です。
老後の貯蓄や不労所得を得る目的で副業として不動産投資を開始する方は多く、管理を不動産業者に一任することができるメリットがあるため、ほとんど関与せずに毎月安定してまとまった収入を得ている方も多くいます。しかし、不動産投資に失敗して数百万円から数千万円の損害を被ってしまった方もいます。
この記事では、不動産投資で失敗する人の共通点と成功する人の特徴をまとめて紹介していきますので、これから投資を始めようと考えている方、または現状利益を上げることができていないと悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
不動産投資における失敗とは
まず始めに、不動産投資における失敗の定義ついて理解しておきましょう。
投資の目的とは、もちろん利益です。不動産投資の目的には節税対策や保険などもあるため、一概にすべての人が利益を目的にしているとは言えませんが、多くの方は長期的な安定リターンを求めて不動産投資を行います。
不動産投資には、利益を出す仕組みが2種類あります。
● インカムゲイン
キャピタルゲインは購入時よりも高く物件を売却してその差額で利益を得るもので、インカムゲインは入居者の家賃から利益を得るものです。短期的な売買を繰り返すキャピタルゲインではなく、多くの方が家賃収入で利益を得るインカムゲインにて不動産投資を行います。
投資における失敗の定義とは、利益を生まないことです。これを不動産投資に置き換えて考えると、『購入した物件が利益を生まないこと』が不動産投資における失敗と定義付けることができます。
不動産投資で失敗する人の特徴
早速ここからは、不動産投資で失敗する人に共通する特徴を紹介していきます。
すべてを人任せにしている
不動産投資は株、FX、投資信託などの一般的な投資に比べれば、人任せでも十分な安定収益を毎月得ることができる投資です。その理由は購入、管理、売却などを不動産会社に一任することができるため、自分が勉強して動かなくても、「この物件がおすすめです」「管理はお任せ下さい」と担当者が動き、自分はお金を出すだけで投資が完了してしまうからです。
確かに、不動産投資においてパートナーとなる不動産会社の存在は非常に重要です。おすすめされる物件や管理などをある程度は信頼して購入するというのも間違いではありませんが、すべてを人任せにしてしまうと失敗してしまいます。
不動産投資を考えている方に近寄ってくる営業マンの中には、うまい話だけを伝えてとにかく多くの物件を売りたいと考えている方も大勢います。もちろん有益な情報を持ってきてくれる営業マンもたくさんいますが、すべてを人任せにして自分で何も考えずに投資を進めていると、本来は条件が悪い物件でも購入してしまい失敗してしまうことが考えられます。
勉強不足
不動産投資は営業マンが持ってくる物件を買うかどうか判断するだけと思っている方が多く、その結果まったく勉強をせずに投資をしてしまう方がいます。
不労所得という言葉を聞くと楽して簡単に稼げると考えられがちですが、必要最低限の知識と最新の情報を常に入手するというインプットは重要です。
● すでに投資をしている方と話す機会を作る
● セミナーに参加する
● 無料相談会に出席する
不動産投資会社が開催しているセミナーや相談会へ出席すれば最低限の知識は身に着けることができますし、そういった場に参加すれば投資仲間ができて情報交換ができるなどのコミュニティを形成することも可能です。
自分に不動産投資に関する知識がなければ、この物件を購入しても大丈夫かどうかの判断ができません。自分自身の力で適切な判断ができるように、成功する物件と失敗する物件の見極めができるだけの最低限の知識は身につけましょう。
計画性がない
不動産投資の成功の鍵を握るのは、長期的な継続です。そのためには、家賃で得られる収入金額の見積もりだけではなく、定期的に発生する支出についても計画しておかなければいけません。
● 修繕費
● 固定資産税
特に不動産投資で失敗する人に多いのが、突発的に発生する可能性がある修繕費をまったく考慮していないというパターンです。
例えば利回りが良いという理由だけで築年数が古い物件を購入してしまい、後になって高額な修繕費が必要になるパターンが良くあります。利回り10%で年間120万円の利益が出る物件を購入しても、修繕費で240万円を支払えば、その回収だけで2年間も必要になります。当然ですが、その2年間は収益は0円です。
事前に購入物件の修繕履歴やメンテナンス状態を確認することで防げる部分でもありますので、利回りだけを気にするのではなく長期的な視点で収入と支出の計画を立てることが重要です。
不動産投資で成功する人の特徴
上記項目で失敗する人の特徴を紹介してきましたが、ここからは不動産投資で成功する人の特徴を紹介していきます。
リスクヘッジ能力に長けている
実は不動産投資で成功している方の多くは、性格がマイナス思考です。その理由は、マイナス思考で物事を考えてしまう方の多くがリスクヘッジ能力に長けているからです。
前述したように不動産投資の強みは、長期的な安定リターンです。ミドルリターンを長く継続することで大きな価値を生み出す投資なので、常にリスクを分散して備えておくという考え方が非常に重要です。
● 滞納
● 災害
● 増税
● 金利上昇
空室リスクに備えるために入居率が高い不動産会社を探しておこう、滞納リスクには家賃保証会社、災害には物件購入前の事前調査と保険加入…このように事前にリスクヘッジすることで、さまざまなリスクを回避できます。
不動産投資で成功するためには良いことばかりに目を向けるのではなく、リスクの把握と備えが重要だということを理解しておきましょう。
利回りよりも稼働率を重視
不動産投資で成功している方の多くは、利回りよりも稼働率を重視します。
利回りは数字が高ければ高いほど毎月入ってくる収入は良くなるので、特に初心者の方は利回りを重視しがちです。多くの営業マンも、利回りが良い物件を真っ先に紹介してくることが多いでしょう。
しかし、利回りよりも重要なのは稼働率です。
利回りが良い物件は相場よりも家賃が高いケースが多いので、稼働率が低い傾向にあります。長期間に渡り常に入居していれば良いですが、相場よりも高い家賃で提供されている物件であれば利回りが良くてもいずれは稼働率が低下していくでしょう。
反対に利回りが多少悪くても稼働率が高い物件であれば、長期的に見た場合に利益が多くなります。不動産投資は長期的にミドルリターンを狙う投資なので、稼働率を重視して物件を探す人の方が成功確率は高いです。
まとめ
不動産投資における失敗の定義、成功する人と失敗する人の特徴をまとめて紹介してきましたが、参考になりましたか?
マイナス金利政策で投資ローンを組みやすくなり、さらに高齢化社会に突入したことで将来に対する不安を抱えている方が多い現代社会において、長期的なミドルリターンが期待できる不動産投資は将来を見据えた大きな収入源になり得る存在です。
現物資産を保有できるという観点から手堅い投資と考えられている不動産投資ですが、人任せ、勉強不足、計画性のなさなどが理由で失敗してしまう事例は数多くあります。
上記で説明した成功する人の特徴を踏まえた上で、不動産投資を考えている方はぜひ検討してみて下さい。