近年は日本国内だけではなく東南アジアが不動産投資先として注目されています。その中でもとくに高い注目を集めているのが、平均年齢が若く人口の増加率が高いフィリピンです。
透き通る青い海と澄んだ空気が広がるフィリピンは、未開の島も含めて7,109個もの島々で成り立ちます。首都はマニラで人口は1億人以上、さらに80前後の言語が使われているという世界でも珍しい国です。東京から飛行機で約4時間で行けるため、日本人も多く訪れます。
この記事では、近年とくに高い注目を集めているフィリピンへの不動産投資が注目されている理由をメリットとデメリットを紹介しながら解説していきます。フィリピンへの不動産投資を考えている方、海外で物件を購入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
フィリピン不動産投資のメリット
はじめに、フィリピン不動産投資のメリットを紹介していきます。
住宅需要の拡大が見込める状況
フィリピンは高齢者よりも若年層が多いという理想的な正三角形のピラミッド型です。
人口は2014年7月27日に1億人を突破していますが、2030年には1億1000万人、2040年には1億2000万人と、国連は2091年まで人口が伸び続けると予想しています。
経済活動の原動力となる生産年齢人口も2050年まで伸び続けると予想されているため、豊富な労働力により高度経済成長が長く続くと予想されているのがフィリピンの現状です。
人口が増加しているエリアでは、当然ですがその数の人が住むための住宅が必要です。
日本では人口減少による空き家が社会問題になっていますが、フィリピンは人が増え続けていますので今後も高い住宅需要が見込めるのです。
不動産投資は空室リスクを押さえることで長く安定したリターンを得られるため、末永く高い住宅需要があるフィリピンは魅力的な国であるといえます。
利回りが上昇する可能性が高い
経済成長が著しいフィリピンでは不動産投資において高い利回りが期待できます。
物件の利回りは物件の価値が上昇することで上がります。賃貸住宅の家賃水準を上げるためには高い住宅需要が必要ですが、前述したようにフィリピンは今後も人口が増え続ける国なので末永く高い住宅需要が見込まれています。
高度経済成長が続くフィリピンは国民所得の上昇と共に物価の上昇も期待できるため、将来的には現在の水準よりも高い利回りが期待できるというわけです。
日本は少子高齢化なので、将来的には今よりも住宅需要は低くなります。一方でフィリピンは人口が増え続ける国なので、不動産投資の将来性という観点からみても魅力的です。
経済成長が加速傾向にある
マルコス政権崩壊後の改革と積極的な外国資本の誘致により、フィリピンのGDPは2005年から2020年にかけて約3倍に成長しています。
大手銀行HSBCの経済レポートでも、実質GDPは今後も堅調な成長を続けると予想されており、2050年には東南アジアで最大の経済大国に成長するとしています。
2020年から21年にかけて世界中で流行したコロナ禍においてもフィリピンは政策金利の引き下げを敢行し、国民所得の上昇を促すための取り組みを実施して成功しました。
経済が成長しているということは国民が豊かであることを意味します。豊かな国には人が集まりますので、フィリピンは将来的にみても多くの人が集まり住宅需要が高い国であることがわかります。
物件の価格が安い
フィリピンは日本よりも物件の価格が安いです。
富裕層が多く暮らすマカティの単価は、東京都心の最高級マンションと比較して1/4の値段です。高級マンションは日本で建てられている建物と比べても見劣りしない設備と外観を兼ね備えていますが値段は安いため、高級マンションを安く所有できるというメリットがあります。
前述したようにフィリピンは経済成長が目覚ましい国ではありますが、近年になって急激に成長しているため、現在でもまだ不動産市場の価格は安いまま。将来的には値上がりが期待されてはいますが、現在は割安で物件を購入できるという点は大きなメリットといえます。
フィリピン不動産投資のデメリット
続いては、フィリピン不動産投資のデメリットを紹介していきます。
プレビルドという購入方法
フィリピンを始めとする東南アジアでは、物件をプレビルドという手法で購入するのが一般的です。
プレビルドとは、建設工事の途中で売りに出されるというもので、買主は完成した後の物件ではなく未完成の物件を購入しなければいけません。完成前に購入することで割安で買えるというメリットがある一方で、建設工事が途中で中断されてしまう可能性があるリスクがあります。
完成品を下見せずに購入するわけですから、購入後のイメージが違うというケースも考えられます。仕上がりイメージが違えばスムーズな貸し出しを実現できないかもしれませんので、最悪の場合は購入しても人に貸すことができずに利益を得られないことも考えられます。
大手の不動産会社を通して購入すれば倒産リスクは下げられますが、名の知られていない会社から物件を購入すると完成度が低く倒産リスクもありますので注意しなければいけません。
想定以上の値段で売却できない可能性がある
前述したプレビルド物件は完成が近づくにつれて値段が高くなります。
つまり、着手直後に購入して完成後すぐに売るのが最も高い売却益を得られるのですが、物件が完成するまでに数年かかる可能性があり、完成後に思ったような価格で売却できないかもしれないというデメリットがあります。
また、プレビルド物件はまず手付金を支払い分割払いで購入するのが一般的なので気軽にエントリーできるのですが、引き渡し時に残金をまとめて支払わなければいけません。
もしも支払うことができなければ当然ですが物件の引き渡しは行われませんし、支払いが住んでいる金額が没収されることもあります。海外での不動産会社はトラブルが付き物なので、信用できるデベロッパーとの強いコネクションを事前に結んでおく必要があります。
良物件の見極めが困難
これはフィリピン不動産投資だけではなく海外の不動産投資全般にいえることですが、日本人が馴染みのない国の良物件を見極めることは非常に困難です。
たとえば日本国内であれば、駅チカが便利、繁華街がある街、再開発が進んでいる街の情報などは気軽に入手できます。不動産投資を行っている方同士のコミュニティにも気軽に参加できるため、常に生きている情報を入手できる環境であるといえます。
一方でフィリピン不動産投資の場合は、エリアと建物種別の見極めが困難です。今後の伸びが予想されるエリアと伸びないエリアはある程度の情報は入手できますが、そもそも母国語が違いますので生きた情報を自分の力だけで入手することもできません。
良物件でなければ空室リスクがあります。いくら経済成長が著しく人口が増え続けているフィリピンであっても、空室であれば収入は入りませんので利益は得られません。日本よりも良物件を探すのが困難だという点は大きなデメリットです。
まとめ
フィリピン不動産投資のメリットとデメリットを紹介していきました。
経済成長が進み人口が増え続けているフィリピンは、東京都内よりも安く高品質な高級マンションを購入できます。今後も末永く高い賃貸需要が見込まれる国なので、人が集中するエリアに最適な物件を購入できれば、高い利回りで物件を貸し出すことができるでしょう。
しかし、フィリピンで不動産投資をするにはプレビルドという購入方法の仕組みや良物件を見つけるのが困難というデメリットがあることも把握しておかなければいけません。
そのため、いきなりフィリピンで不動産投資をするのではなく、まずは日本国内で実際に試してみることをおすすめします。今後長きに渡りフィリピンは不動産投資先として注目の国であり続けることは間違いありませんので、今後の市場にもぜひ注目してみてください。