不動産を売却する時には、非常に多くのさまざまな書類が必要になります。
数千万円以上のお金が動く不動産売買において、厳格な書類の手続きは必要不可欠です。当然ですが必要書類が1枚でも欠けていれば契約は結べませんので、不動産を売却する時は必ず事前に用意しておく必要があります。
この記事では、不動産売却で絶対に必要になる書類をまとめて紹介していきます。それぞれの書類の必要性や意味、入手方法についても合わせて解説していきますので、不動産売却を考えている方、もしくは現在進行形で進めている方は、ぜひこの記事を参考にして下さい。
不動産売却の必要書類まとめ
不動産売却前の売却活動中に必要な書類と売却が完了した時に必要な書類は異なりますが、以下で不動産売却の時に必要となる書類を一覧でまとめて紹介していきます。
● 印鑑証明書
● 住民票
● 銀行口座通帳
● ローン残高証明書
● 登記事項証明書
● 物件の重要事項説明書
● 土地測量図
● 固定資産税納税通知書
● 建築確認済証
● 耐震診断報告書
上記が、不動産売却時に必要な書類です。以下の項目で、詳しく説明していきましょう。
本人確認書類
売主の身分を証明するための本人確認書類は、不動産売却時に不動産会社と媒介契約を結ぶ際に提出します。本人と証明することができる証明書がなければ第三者からすればその方が本人かどうかを判断できませんので、本人確認書類の提出は必須です。
本人確認書類として認められているのは、運転免許証、健康保険証、パスポート、マイナンバーカードなど、一般的に身分証明書として公的に認められているものです。厳重に確認するわけではありませんが、不動産会社との契約の際には必須です。
印鑑証明書
前述した本人確認書類と同様に、本人確認のために必要なのが印鑑証明書です。
登録されている印鑑が本物であることを証明する書類で、多数の書類に印鑑を押す不動産売却の取引において、印鑑証明書も必須な確認書類です。
対象となる印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のもので、不動産の所有者が複数いる場合は全員の証明書を揃えておく必要があります。
本人であれば役所の窓口へ行けばすぐに入手できますが、マイナンバーカードを持っている方であればコンビニのマルチコピー機でも発行できます。
住民票
登記上の住所と現住所が異なる場合は、住民票も用意しておかなければなりません。こちらも印鑑証明書と同様に有効期限がありますので、発行から3ヶ月以内のものを準備しておきましょう。
銀行口座通帳
売主の銀行口座通帳も、必要書類になります。
その理由は、不動産売買で動く現金のやり取りは銀行振り込みになるのが一般的なので、買主へ売主の銀行口座情報を伝えておく必要があるからです。
銀行口座の通帳は売買契約が締結される時に必要になりますので、不動産売却活動中は用意しておく必要はありません。
ローン残高証明書
不動産会社との媒介契約時に、ローン残高証明書が必要です。
売却に出している不動産の住宅ローンの残債がある場合のみ必要なので必須ではありませんが、残債の総額を知らせるために必要な書類です。
お届け印があれば、近くの銀行支店で手続きが可能です。手続きが完了してから1週間から10日でお届けの住所へローン残高証明書が届きます。
登記事項証明書
不動産登記事項証明書とは、所有する土地や建物の権利関係を明確にするための書類です。
所有している不動産が土地の場合は地積と抵当権、建物の場合は不動産登記法に定められている種類、構造、床面積などの状態が記録されています。
不動産売買が完了すれば、その土地や建物の所有者が変更されます。その時に所有権移転登記が行われますが、この時に登記内容がしっかりと明記されている登記事項証明書が必ず必要になってくるわけです。
登記事項証明書を入手できる場所は法務局ですが、2005年3月に法改正され、インターネットで登記申請ができるようになり、オンライン申請で通知が可能になりました。
物件の重要事項説明書
不動産は一生に一度の買い物であると言われているくらい、購入頻度が低いものです。ゆえに、一般の方は不動産売買に関する知識と経験がほとんどありません。
宅地建物取引業法という法律に定められている手続きで重要事項説明というものがあるのですが、この説明の時に利用されるのが重要事項説明書です。
- 登記された権利の種類と内容
- 飲用水、電気、ガスの供給の整備状況
- 契約解除に関する概要
- 敷地に関する権利の種類と内容
- 共有部分に関する規約
上記で説明した以外にも、数多くの不動産に関する重要事項が記載されています。売買契約に必要な情報が記載されていますので、不動産会社との媒介契約時に必ず必要です。
土地測量図
土地測量図は、一戸建てや土地を売買する時に必須となる書類です。
その土地の面積を正確に境界をはっきりしてくれるのが土地測量図で、境界があやふやなまま土地が売買されて後々にトラブルになることを避けるために必要です。
土地測量図が必要になる場面は土地売買の他にも…
- 土地を分ける
- 複数の隣り合っている土地を合わせる
このような場面に使われます。ここからここまでが自分の土地という目印が地面に書いているわけではありませんので、土地測量図でしっかりと自分の土地がここからここまでであるということは明確にしておく必要があり、売買の時にはそれを引き継がなくてはいけません。
固定資産税納税通知書
固定資産税とは、毎年1月1日現在の土地や家屋の所有者に対して、固定資産の価格をもとに算出される税額のことです。市町村が課税する税金ですが、東京23区内だけは特例で都が課税をすることになっています。
その不動産の固定資産税がいくらなのかを把握するために、固定資産税納税通知書は必要不可欠な書類です。また、移転登記の際の登録免許税を算出する際にも、この書類が必要になります。
都市計画税納税通知書は固定資産税納税通知書と同様に、固定資産税の確認や移転登記の際に必要となる書類です。都市計画事業の財源に宛てられる税で、どちらの書類も必要になるケースもありますので、しっかりと用意しておきましょう。
建築確認済証
その物件が建築基準法に則って建築されていることを証明してくれるのが、建築確認済証です。
一戸建ての売買の際には必ず必要となる書類で、買主にとっても法律を遵守して作られた物件なのかどうなのかを知らなければ、なかなか購入へと踏み切れませんので、売主は必ず提出しなければいけないという義務があります。
建築確認済証と同時に、建築設計図書や工事記録書などがあれば、同時に提出するのが好ましいです。購入希望者の信頼度を上げるためにも、しっかりとした過程で作られた物件であるということを証明しましょう。
耐震診断報告書
一昔前に社会問題に発展した、耐震偽装問題。
耐震診断報告書は、耐震偽装問題やアスベスト被害がないことを証明するための書類です。この書類を発行してくれるのは建築士なので、事前に連絡して用意しておきましょう。
前述した、不動産の建築に問題がないことを証明するための建築確認済証、建築設計図書、工事記録書と共に売主に提示するのが望ましいです。
まとめ
不動産売却で必要になる書類をまとめて紹介してきましたが、参考になりましたか?
人生で最も大きな買い物である不動産は、買うのも大量の書類にサインをしたかと思いますが、売るにも大量の書類を用意しておく必要があります。売主と買主が納得できる形で売買契約を締結するためにも、法的に確約されている事項を証明する書類や、買主を安心させることができる書類は事前に必ず用意しておきましょう。
不動産売却は誰もが初めての経験である場合がほとんどです。聞いたこともない書類が多いかと思いますが、入手方法や必要性を理解し、不動産売却時に必要な書類を集める時に、ぜひこの記事を参考にして下さい。