不動産投資にはさまざまなメリットがありますが、同時にリスクも伴います。
特に20代から30代の若い世代は、将来の資産形成のために不動産投資を考える人が多い傾向にあります。
しかし、資金面やリスク管理について十分に考えずに投資を始めると、失敗する可能性が高くなります。
この記事では、不動産投資に失敗する理由や向いていない人の特徴を紹介しながら、投資初心者の方が失敗を避けるためのポイントを紹介します。不動産投資に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
不動産投資失敗の定義
不動産投資の失敗とは、「総合的な損失が生じること」を指します。
投資目的の不動産物件を購入し、家賃収入でローンを返済します。ローンが完済されると家賃収入は利益となりますが、物件を売却するまでの全体的な利益が出るかどうかで成功か失敗かを判断するのが一般的です。
そのため、運用中の赤字は必ずしも投資失敗とは言えません。家賃収入からローン返済や各種経費を引いたキャッシュフローが赤字であっても、売却時に利益が出る場合は、その投資は成功となります。
不動産投資における失敗は、主に以下の2つのケースに分けられます。
- 家賃収入で黒字だが、売却時にトータルで赤字となるケース
- 家賃収入と売却時の双方で赤字となるケース
節税効果がある場合でも、損失を前提とした投資は避けるべきです。基本的には、「利益を生む投資が最優先」であるという考え方が重要です。
初心者が不動産投資に失敗する原因
初心者が不動産投資に失敗してしまう原因は、主に以下の3つが想定されます。
- 事前の計画不足による投資利益の減少
- 利益の出ない物件を投資対象にしてしまう
- 不動産会社の選定ミス
ここでは、それぞれの原因と対策について詳しく解説していきます。
事前の計画不足による投資利益の減少
不動産投資では、計画不足により思わぬ支出が発生することがあります。例えば、税金による収入の減少や維持費や修繕費の発生などです。
これらの要因により、想定よりも利益が減少し、返済ローンにキャッシュフローが追いつかなくなってしまうケースがあります。
対策として、事前に収支計画を立て、毎月一定金額を積立てておくことが重要です。また、税金の節約方法や維持費・修繕費の最適化を検討することも効果的です。
利益の出ない物件を投資対象にしてしまう
不動産投資の投資対象は物件であるため、物件選びが投資成果に大きく影響します。
そのため、空室が続く物件や価値が下落する物件を選んでしまうと、利益が出ずに失敗してしまいます。
対策として、入居者目線で物件選びを行うことが大切です。周辺の地域の需要や利便性を考慮し、将来的にも人気が続く物件を選ぶことが求められます。
また、物件の状態や設備もチェックし、修繕や改修が必要な場合はそれらの費用も考慮に入れましょう。
不動産会社の選定ミス
不動産投資では、物件の選定から購入、管理まで不動産会社が重要な役割を果たします。適切な不動産会社を選ぶことが、投資の成功に大きく寄与します。
不動産会社選びで失敗する原因として、サブリース契約の問題やサポート体制の不備が挙げられます。
サブリース契約の場合、管理業務をすべて不動産会社に委ねることになりますが、管理が不十分だと入居者の安全が損なわれ、物件価値が低下する可能性があります。
さらに、物件購入後のサポート体制が整っていない不動産会社では、問題が発生した際に自己負担が増え、投資成果に悪影響を与えることも考えられます。
対策として、不動産会社選びに十分な注意を払うことが重要です。物件購入前に契約内容を確認し、自分に適したサポート体制を提供する不動産会社を選びましょう。
また、口コミや評判をチェックすることで、実際のサービス品質や対応の良さを把握できます。
不動産投資で絶対にしてはいけないNG行動
ここでは、不動産投資をする際に避けるべき3つの行動を紹介します。
感情に左右された取引を行う
投資は、未来の利益を見込んでお金を投じることです。そのため、客観的なデータや数字をもとに冷静な判断を下すことが重要です。
感情的な決断をすると、将来的に損失を被ることがあります。
例えば、有名な投資家であるウォーレン・バフェットも感情に任せて投資を行った結果、損失を出してしまったことがあります。
将来的に資産価値が下落するものを購入する
不動産投資には、インカムゲインとキャピタルゲインという2つの利益があります。キャピタルゲインを得るためには、将来的に資産価値が上昇することが必要です。
そのため、将来的に価値が減少する可能性の高いものを選ぶことは避けるべきです。
例えば、不動産投資においては、新しい耐震基準に満たない物件を購入することは避けるべきです。
資産価値が大幅に下落したときに売却する
不動産価格が大幅に下落したときに、恐怖心によって急いで売却すると、将来的に損失を被る可能性が高いでしょう。
長期的な視点で投資することが大切であり、長期間保有し続けることで価値が回復する可能性があります。
例えば、確定拠出型年金(iDeCo)の場合、リーマンショックで株価指数が下落したときに売却した人は、その後の株価上昇によって損失を被った可能性があります。
初心者が不動産投資に失敗するケース
不動産投資においては、さまざまな要因によって失敗が発生することがあります。
最後に、実際に発生した不動産投資の失敗事例を参考に、初心者が陥りやすい失敗パターンを3つ紹介します。
空室の増加による資金繰りの悩み
空室リスクは、不動産投資における最大のリスクの一つです。相場よりも高い家賃を設定してしまうと、空室が増えるケースがあります。
例えば、Aさんは中古マンションを購入し家賃9万円で賃貸に出しましたが、入居者が決まらず家賃を下げる必要がありました。
空室率を抑えるためには、入居者が好む物件や家賃相場を把握し、適切な家賃設定が重要です。
予測できない物件価値の下落
物件価値が大幅に下落すると、投資利益がマイナスになる可能性が高まります。
例えば、Bさんは新築アパート1棟を購入しましたが、物件の老化による価値下落で、5年後には家賃を下げても入居者が見つからなくなりました。
物件価値の下落リスクは、投資開始時に考慮する必要があります。
家賃の滞納による収益の減少
家賃収入は不動産投資の主な収入源であり、滞納は収支の悪化につながります。
例えば、Cさんは中古マンションを購入し学生に賃貸しましたが、家賃の滞納で収入が途絶えローン返済が困難になりました。
家賃滞納対策として、入居者の審査を自分で行うなどの対策が重要です。
これらの失敗事例から学ぶことで、初心者が不動産投資において陥りやすい失敗を避けることができます。
適切な物件選びや家賃設定、入居者審査などの注意を払い、安定的な利益を得られる不動産投資を目指しましょう。
まとめ
初心者が不動産投資に失敗してしまう原因は、「事前の計画不足による投資利益の減少」、「利益の出ない物件を投資対象にしてしまう」、「不動産会社の選定ミス」の3つが主な要因です。
これらの原因を踏まえ、事前に収支計画を立てて入居者目線で物件選びを行い、信頼できる不動産会社を選ぶことが、不動産投資の失敗を回避するための重要なポイントとなります。
これらの対策を実践することで、安定的な利益を得ることができる不動産投資を実現することができるでしょう。