新型コロナウィルスによる収入減や物価高の影響などから、近年、注目度が高まっている生活のスタイルにルームシェアがあります。
不動産投資をしている方の中には、ルームシェア用物件に興味があるという方もいるでしょう。しかし、一般的な物件とは異なる点もあるため、失敗しないためにはメリットやデメリットを理解しておく必要があります。
この記事では、ルームシェア物件に不動産投資するメリットや注意点を詳しく解説します。
ルームシェア用物件とは
ルームシェア用物件とは、複数人で住むことが許可されているマンションやアパートの1室のことです。
2LDKや3LDKなど複数の部屋がある物件がルームシェア用物件となり、それぞれが自分の部屋を持ちながらリビングや水まわりなどを共有しながら生活を行います。
ルームシェアには家賃や生活費を抑えられる、何かあったときに助け合えるなど、さまざまなメリットがあります。
ルームシェア用の物件は代表者が契約するパターンと入居者それぞれが管理会社と契約を結ぶパターンがあり、どちらの場合もルームメイト同士で管理して運営するスタイルです。
ルームシェア用物件に不動産投資するメリット
ルームシェア用物件は住む側にも魅力が多いですが、不動産投資する側にもメリットがあります。ここでは、ルームシェア用物件に投資するメリットを紹介します。
ターゲットを絞って集客ができる
ルームシェア用物件は一般の物件に比べて数が少ないため、ターゲットを絞ることでコンセプトを設計し、他の物件と差別化しながら集客できます。
例えば、女性をターゲットにする場合は小型でおしゃれなインテリアを多く配置し、オートロックや警備システムを強化することで女性の入居を促すことが可能です。
コンセプトを明確にしてターゲットを絞ることで、チラシを作るときも具体的にアピールができます。また、魅力的なコンセプトがあれば、立地にデメリットがあっても集客が可能です。
高い利回りが期待できる
ルームシェア用物件は複数の入居者から家賃収入を得られるため、高い利回りが期待できます。入居者側も、1人が支払う家賃は1人暮らしをする場合に比べて安くなるため、どちらにとってもメリットです。
例えば、3LDKのマンションを貸した場合の家賃収入が10万円だったとします。
この物件を3人が居住できるルームシェア用物件にして、1人あたり5万円の家賃を設定すると、合計で入ってくる家賃は15万円になるというわけです。
合計で入ってくる家賃が多くなることで、利回りが大きくなります。
空室リスクを抑えられる
ルームシェア用物件には、個別に貸す場合に比べると空室リスクを抑えられるメリットがあります。
その理由は、個別に貸すと退去して次の入居者が見つかるまで空室の期間が長くなりますが、複数人に貸すルームシェアであれば1人が退去しても他の入居者から家賃収入が得られるためです。
ルームシェアをしている人が一気に退去することは少ないため、家賃収入が0円になるリスクは低いといえます。
ルームシェア用物件に不動産投資する注意点
続いては、ルームシェア用物件に不動産投資する場合の注意点を3つ紹介します。
入居者同士のトラブルが発生しやすい
ルームシェア用物件は入居者同士のトラブルが発生しやすいため、トラブルが発端となって全員が退去するリスクがあります。
ルームシェアは複数人が生活を共有するため、トイレやお風呂、ゴミ出しなどのルールを巡ってトラブルになることも少なくありません。
いじめや貴重品の盗難など、赤の他人が同じ部屋で共同生活を送るならではのトラブルが発生することもあります。
入居者同士のトラブルが発生したら、オーナーとしてトラブル解決に努めなければなりません。また、入居者にトラブルメーカーがいる場合は退去してもらうのも対策の1つです。
迅速にトラブル対応を行うためには、契約形態を一ヶ月のように短く設定しておくと、トラブルがあったときに即座に退去してもらえます。
入居者が集まりにくい
ルームシェアをする人が昔に比べて増えているといっても、一般的な賃貸に比べると数は多くありません。
都心のように家賃が高いエリアならルームシェアの需要は大きいですが、都心から離れた郊外や地方になると、そもそもの家賃が安いことからルームシェアの需要も小さくなります。
そのため、場所によってはルームシェア物件にしても入居者が集まらず、家賃収入を得られない可能性があります。
ルームシェアは下記のような場所に需要が多いため、不動産投資を検討している場合は立地も考えておきましょう。
- 大学の周辺
- 駅からのアクセスが良い
- 企業が多くある場所
ルームシェアは大学生や新卒など収入が少ない若者の需要が高いため、大学や企業が多くある場所の近くだと集客しやすくなります。
設備の劣化速度が速い
ルームシェア用物件は、共有部を共同利用するため設備の劣化速度が想定よりも進みやすいです。
例えば、個人がマンションを借りる場合は自分の責任で設備を管理しなければなりませんが、複数人で借りるルームシェアだと責任意識が分散されて管理を怠りやすくなります。
お風呂やトイレなどの使用頻度についても入居者が多くなればなるほど増えるため、使用頻度が少ない場合に比べると水回りの劣化スピードは上がります。
共有部の劣化速度が速まると、それだけ修繕費も多く必要になり、実質利回りも低下するため注意が必要です。
しかし、設備の劣化速度については入居者の質によって変わる部分でもあります。丁寧で真面目な入居者が多ければ、設備の劣化速度も抑えられるでしょう。
ルームシェア用物件の不動産投資で失敗しないコツ
ルームシェア物件の不動産投資で失敗しないためには、リスクを知った上で対策を行うことが大切です。ここでは、ルームシェア用物件の不動産投資で失敗しないコツを紹介します。
コンセプトを明確にする
ルームシェア用物件の不動産投資で失敗しないためには、コンセプトを明確にしてターゲットを絞りましょう。
基本的には、単身の若い世代をターゲットにするのがおすすめで、働く若い世代が多い都市部や大学周辺などが向いています。
一方、高齢者が多い地域やファミリー世帯が多い郊外・地方は、ルームシェア物件の不動産投資には不向きです。コンセプトを明確にすると付加価値もつけられるため、集客の際にアピールポイントになります。
入居審査を細かく行う
賃貸物件を探す側の視点でみたときに、ルームシェアの入居審査はかなり厳しいといわれています。これは、入居者同士のトラブルや騒音によるトラブルリスクを小さくするため、厳しく細かな審査をするからです。
すぐに家賃収入を確保したいという理由で入居審査を緩くすると、入居後に大きなトラブルにつながる可能性もあります。入居審査はできるだけ細かく行い、安心できる入居者が見つかるまでは妥協しないことがポイントです。
特に下記については厳しくチェックしましょう。
- 身だしなみ
- 態度
- 人柄
- 服装
- 言葉遣い
- 職業
また、ルームシェアの場合は同居予定の人も一緒に審査する必要があります。
まとめ
ルームシェア用物件の不動産投資は高い利回りが期待できます。特にルームシェアは単身の若い世代にニーズがあるため、不動産投資を行う場合は都市部や大学周辺などの物件で運用するのがよいでしょう。
一方、入居者同士や設備の劣化が速いなどルームシェアならではの注意点もあります。ターゲットを明確にし、入居審査を厳しく行うことが不動産投資で失敗しないコツです。
ルームシェア用物件の不動産投資を検討している方や興味がある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。