不動産投資の詐欺手口を知っていますか?
詐欺的な勧誘、または過剰な勧誘によって無理に契約を締結させられるという事例が後を絶たない不動産投資ですが、不動産特有の詐欺としては立件しにくいという事情から表沙汰にならないケースが多く、詐欺手口があまり知られずに横行しているのが実情です。
不動産投資は数ある投資商品の中でも特に大きな金額が動く投資なので、詐欺に騙されずに適切な取引を行いたいですよね。
この記事では、よくある不動産投資の詐欺手口と悪質業者に騙されないための対策法を紹介していきますので、損を被ってしまわないようにしっかりと勉強しておきましょう。
不動産投資のよくある詐欺手口
物件を購入し入居者から振り込まれる家賃で収益を得る不動産投資は、ミドルリスクでありながら長期的な安定リターンが見込める手堅い投資として有名です。しかし大きな金額が動く投資であるため、悪質業者による詐欺行為が横行しているのも事実です。
国民生活センターが2018年に発表した資料によると、不動産投資の勧誘における被害相談件数は1年間で1,350件です。そのうち405件が20代となっていますので、投資に関する知識が浅い若年層が多く被害に遭っていることが分かります。
ここからは、不動産投資でよくある詐欺の手口から紹介していきます。
手付金の持ち逃げ
不動産売買における手付金とは、買主から売主へ支払うお金です。買主は手付金を支払うことで、その物件を購入することを売主に対して保証する契約成立の証拠という役割もあります。
不動産投資における手付金詐欺とは、支払った手付金を持ち逃げされてしまい連絡が繋がらなくなってしまうという手口です。
以下のような言葉で、悪質業者は手付金の支払いを催促するケースが多いです。
● 申し込みが殺到しているけど手付金を今払ってもらえるならキープできる
売主が個人の場合は、確実に信頼できる人間でなければ手付金を支払ってはいけません。不動産会社に勤めていると語る相手であれば免許の有無や、実際に働いていると言っている会社へ直接連絡してみることをおすすめします。
海外の物件
不動産投資詐欺で良く使われるのが、海外の物件です。
日本国内にいると海外の不動産に関する最新情報をチェックするのは大変ですし、わざわざ現地まで行って調査することもできません。それを逆手に取り、言葉巧みに海外の投資用物件を勧めてくるという詐欺手口がよくあります。
経済成長が著しい東南アジアにマンションを購入しておけば数年で倍以上の価格で売却することができるなど、海外の情報格差を利用した営業をしてくる場合があります。
実際に海外で購入した物件を数年後に高値で売却して利益を得るという投資はありますが、売却益を見込めない二束三文にもならない物件を購入させようとしてくる場合もあります。
海外の不動産事情を知らずに購入させようとしてくる、情報格差を利用した詐欺手口には十分に注意して下さい。
満室に見せかける
家賃収入で利益を得る不動産投資において、空室にならずに入居者が常にいる人気物件かどうかは非常に重要です。入居者がいなければ家賃が入りませんので、利益を上げることはできません。
不動産投資でよくある満室に見せかける詐欺は、サクラを雇って購入希望者が内見に来る時だけ住んでもらったり、わざとカーテンや明かりをつけて本当は入居者がいないにもかかわらず住んでいる人がいるかのように見せかける手口です。
常に満室で入居率の高い物件であり利回りが良いと宣伝し、本来はあまり人気がない物件を購入させます。満室詐欺を回避する方法としておすすめなのは、各部屋の契約時期をレントロールで確認するというもの。
しかし巧妙な詐欺手口の場合は、この賃貸借条件さえも改竄されている可能性があるため、信頼できて名が知られている不動産会社を通すなどの対策が必要です。
偽りの利回り
不動産投資で気になる点と言えば、やはり利回りです。
利回りが良ければ毎月の収入が増えますので、その分だけ利益になります。しかし、この利回りに関しては、ただ高ければ良いというものではありません。重要なのは、その物件の家賃が相場通りかどうかです。
悪質業者は、購入希望者の意欲を高めるためだけに家賃を上げて利回りが良いと吹聴します。家賃が高ければ利回りは上がりますが、相場よりも高く設定された家賃の物件に住みたいと思う人はいません。
住む人がいなければ当然収入は得られませんので、その後に家賃を相場通りにして通常よりも低い利回りの物件を買わされてしまったと気付くわけです。
デート商法
マッチングアプリや婚活アプリなどで異性の方と出会うケースは増えていますが、こういった場にも不動産投資詐欺で儲けようと考えている悪質業者が多くいます。
まずは普通にツールを活用して異性と出会い、数回デートを重ねます。そして親しくなってきたタイミングで、不動産投資の契約を誘ってくるのです。
● 折半で投資費用を捻出しよう
相手が自分に興味があるという段階で誘ってくるケースが多いので無碍にすることもできず、仕方なく支払ってしまうことが多いようです。
当然ですが、その後は何かと理由をつけて会えなくなっていき、最終的には連絡が取れなくなり音沙汰なし。残ったものは利回りが低く収益性が悪い物件か、最悪の場合はお金だけを持ち逃げされるケースもあります。
不動産投資詐欺に騙されないための対策法
上記で不動産投資のよくある詐欺手口を紹介してきましたが、ここからは詐欺に騙されないための対策法を紹介していきます。
甘い言葉だけの業者を信用しない
不動産投資は手堅い投資ではありますが、投資なのでリスクは必ずあります。
悪質業者はすぐにでも契約してもらいお金を得たいと考えているため、基本的には不動産投資をする上で気を付けなければいけないリスクの存在は明かしません。
● 老後はこれで安心
● 利回りは下がらない
● 常にニーズがある
もちろん不動産投資が成功すれば老後の資金になりますし、長期的に安定したリターンを得ることができます。しかし、絶対に利回りが下がらないという保証はプロの担当者であっても断言はできません。
優良不動産投資会社の担当者は、必ず購入物件のリスクも伝えてくれます。良いことばかりではないのが投資なので、甘く都合がいい言葉だけの業者は信用しないと心に決めておく方が良いでしょう。
事前に知識を身に着けておく
不動産投資を始める前に、最低限の知識を身に着けておくことをおすすめします。
知識があれば利回りが良すぎる物件の家賃が高すぎるなどの違和感に気付くことができますので、言われるがままに物件を購入して損をすることはなくなります。
不動産投資を進める上で、不動産会社と信頼関係を築くことは非常に重要です。自分自身に投資に関する最低限の知識があれば、自分の利益になる提案を親身になってしてくれる担当者の選別もできるようになります。
無料相談会やセミナー、または書籍などで不動産投資で成功するための最低限必要な知識は身に着けておきましょう。
まとめ
不動産投資のよくある詐欺手口と騙されないための対策法を紹介しましたが、参考になりましたか?
長期的に安定リターンを得られる不動産投資は、老後の生活、万が一仕事ができなくなった時の保険、節税対策など、多くのメリットがある一方で、大きなお金が動くことで詐欺も横行しています。
お金を持ち逃げされるなどの明確な詐欺以外にも、本来は利回りが悪く成功の可能性が低い物件を嘘をつかれて買わされてしまうなどの詐欺もあるので、物件購入の際は細心の注意が必要です。
実際に投資を始める際は信用できる不動産投資会社を見つけ、信頼関係を築きながら購入を検討していく流れがおすすめです。