購入した不動産で賃貸収入を得るか、より高い値段で売却して利益を出す不動産投資。
長期の安定リターン、副収入、節税効果、老後の資金確保などのメリットが注目を集めている不動産投資には、さまざまな種類があります。
投資対象の物件はマンション、アパート、戸建ての3種類。この中で初心者に最もおすすめとされているのが『戸建て投資』です。
この記事では、不動産投資で戸建てが初心者におすすめされる理由と注意点を詳しく解説していきます。不動産投資に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
戸建て投資とは
不動産投資の投資物件といえばマンションやアパートを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、都心や郊外に限らず、戸建てを不動産投資の対象にする場合も多くあります。
戸建て投資もマンションやアパートと利益を得る手段は変わりません。購入した戸建てを人に貸して家賃収入を得るか、より高値で売却してその差額で利益を出すかの2種類です。
戸建て投資を行う物件は、主に以下の方法で取得するケースが一般的です。
- 戸建て投資を行う目的で購入
- 転勤などの理由で住めなくなった物件を貸し出す
- 相続で引き継いだ物件を貸し出す
近年では、土地活用のため更地に戸建て投資用物件を一斉に建築する場合があるため、投資目的で購入するために高い労力を支払う必要がなくなってきました。
戸建て投資にはマンションやアパートとは異なる特徴とメリットがあるため、初心者にも高い人気があり注目を集めています。
初心者に戸建て投資がおすすめの理由
利益を得る手段はマンションやアパートと変わらないはずなのに、なぜ戸建て投資は初心者におすすめされるのでしょうか?その理由を以下の項目で詳しく解説していきます。
少額で始められて利回りが良い
新築の戸建てであれば数千万円単位の予算が必要ですが、戸建て投資は中古でも十分に魅力がある投資物件です。
郊外にある中古の戸建てであれば300~500万円ほどで購入できるため、初心者でも入りやすい少ない費用で不動産投資を始めることができます。
もちろん魅力的な投資用物件にするためにはリフォームが必要な場面も出てきますが、それも数百万円単位で抑えることができるため、都心でマンションを購入するよりも安く済みます。
そのため、利回りが10~20%といった高い物件も多くあります。初期費用と毎月かかる固定費を抑えることができるため、利回りが高い物件を狙えるのです。
不動産投資に興味はあるけどいきなり数千万円単位で投資するのは不安という方は、まずは初期費用を安く抑えることが可能な中古の戸建て投資から始めてみることをおすすめします。
競合が少ないため安定している
戸建て賃貸物件の供給量はそこまで多いわけではありません。
マンションやアパートは競合がひしめき合っているため、常に市場価値を見極めながら居住者を集める取り組みが不可欠です。同じ面積であれば戸建てよりもマンションやアパートの方が儲かるため、土地活用を検討する際に戸建ては選ばれにくいのです。
しかし、依然として戸建ては需要があるため、供給は少ないのにニーズは高いという状態です。競合が多ければ戦いに勝つのに苦労しますが、競合が少なければ空室リスクが低く、不動産投資の魅力である長期的な安定収入を手にすることができます。
出口戦略が立てやすい
不動産投資における出口とは、将来的に購入した物件と土地をどうするかという戦略です。
冒頭でも説明した通り不動産投資には月々の家賃から収益を得るインカムゲインと、売却益から収益を得るキャピタルゲインがあります。戸建て投資は物件だけではなく土地の価値もあるため、将来的にいくらで売却できるという想定がしやすいという特徴があります。
物件の価値は経年で落ちていきますが、土地の価値は極端に落ちることはありません。そのため、ここまでは家賃収入を得て、ここで売却してこれ位の利益を上げることができるという想定が初心者でも立てやすいのです。
長く住む人が多い
不動産投資における最大のデメリットは空室リスクです。どれだけ魅力的な物件で利回りがよくても、入居者がいなければ家賃収入がありませんので収益は0円です。
空室リスクを抑えるためには、入居者に長く住んでもらう必要があります。しかし、マンションやアパートは若い単身者が住むことが多いため、生活環境の変化や結婚、転勤などでひとつの家に何十年も住むことは稀です。
その一方で、戸建てに住むのは基本的にファミリーなので、ひとつの家に十年以上住むことも珍しくありません。持ち家のように愛着を持って長く住む傾向があり、さらに子どもがいれば収入も安定している家庭なので家賃滞納リスクも低いです。
不動産投資の初心者にとっては、毎月安定して収入が入ってくる投資物件がひとつあるというのは大きな安心材料になるはずです。
管理が楽
たとえばマンションやアパートを一棟買いした場合、共用部は自分自身で管理をするか管理会社へ委託しなければいけません。もちろん外部へ委託すれば費用を支払わなければいけないため、管理コストと手間がかかります。
しかし、戸建て投資であれば一切の手間がかかりません。共用部はありませんので掃除や管理の手間はなく、前述したように戸建ては自分の持ち家のように愛着を持って住んでくれる方が多いため、修繕費が必要な場面も少ないです。
不動産投資は副業で始める方が多いため、手間がかからないというのは大きなメリットであるといえるでしょう。
戸建て投資の注意点
ここからは、戸建て投資を始める際の注意点を紹介していきます。
リフォームの費用が必要
上記項目で少ない費用で始められることがメリットであると紹介しましたが、戸建て投資はリフォーム費用が多額になる可能性があります。とくに少額で始められる中古の戸建ては長い築年数が経過しているため、外見からはわからない思わぬ場所が損傷しているリスクがあります。
いくら購入費用が安くても、その後のリフォームや修繕で多額の費用を支払ってしまっては高い利回りを実現できません。そのため、戸建てを購入する場合はリフォームが必要な箇所を事前に検討し、複数業者から見積もりを出してもらってください。
ターゲットが絞られている
戸建ては入居者が長く住み続けてくれるというメリットがある一方で、ターゲットが極端に絞られているというデメリットがあります。
戸建ては常に高いニーズがある賃貸物件ではありますが、まず単身者は入居を考えません。基本的にターゲットはファミリー層と限られているため、小さな子ども連れでも安心して暮らせるエリアでなければ高い入居率は実現できません。
さらに、戸建て賃貸はマンションやアパートに比べて家賃は高くなります。そのため、高い家賃でも構わないという魅力を提供できなければ入居者は決まりません。
一棟買いの不動産投資であれば、1部屋が空室でも他の部屋に入居者がいれば一定の家賃収入は得ることができますが、戸建て投資は「0」か「100」のどちらかです。
入居者が決まれば長く安定した収入を得られる可能性は高いものの、入居者を決めるのがターゲットが限られている分困難であるという点は覚えておきましょう。
まとめ
戸建て投資が初心者におすすめの理由と注意点を解説してきましたが参考になりましたか?
マンションやアパートに比べて安い金額で始められる戸建て投資ですが、いきなり大きな利益を得られるものではありません。リスクが少なくて長期的な安定リターンが見込めるというのが大きなメリットになりますので、初心者の方には向いている投資物件です。
戸建て投資を始めようと考えている方は、必ず注意点を理解したうえで投資用物件の購入を検討してください。