不動産投資を始める際、新築と中古のどちらにするか迷う方は多いでしょう。
新築物件には、設備の充実や初期不良が少ないといった魅力がありますが、一方で、高額な初期費用や利回りの低さといったデメリットも存在します。
この記事では、新築物件で不動産投資を始めるのに向いている人の特徴や、メリット・デメリット、そして失敗しないための注意点を解説します。
これから不動産投資を始める方の投資判断の参考にしてください。
新築物件で不動産投資を始めるべき人とは?

新築物件での不動産投資は、長期的に安定した家賃収入を得たい人に向いています。
築年数が浅いため空室になりにくく、設備の故障や修繕費も当初はほとんどかかりません。管理の手間をできるだけ減らしたい投資家にも適しています。また、新築はローンの審査が通りやすく、長期融資を受けやすいのも大きなメリットです。
一方で、短期間で高い利回りを求める人や、初期費用を抑えたい人には向いていません。
新築物件で不動産投資を始めるメリット

高い入居率が期待できる
新築物件は、最新の設備やデザインが整っているため、入居希望者が集まりやすいのが特徴です。
中古物件に比べて競争力が高く、特に立地の良い物件なら、ほとんど常に満室状態を維持できる可能性があります。
また、築年数が浅いうちは家賃が下がりにくいため、安定した収入を得やすいのも大きな魅力です。
初期の修繕コストがほぼ不要
新築物件は建物や設備が新しいため、入居開始から数年間は大きな修繕費がかかりません。
そもそも設備の故障リスクは低いですが、万一故障した場合でもメーカー保証が数年ついています。また、建物の主要構造部には最低10年間のアフターサービス保証が義務付けられています。
そのため、オーナーの負担になる修繕コストはほとんどなく、運用開始直後のキャッシュフローが安定しやすいのが特徴です。
予期せぬ出費を抑え、収支を安定させたい人に向いているでしょう。
ローンの融資条件が有利
新築物件は、中古物件よりも有利な条件でローンを組める可能性があります。
空室リスクが低く担保価値が高いと評価されるため、金融機関から低金利での借り入れが可能です。さらに、建物の耐用年数が長く残っているため、長期のローンを組めるのも大きなメリットです。
低金利で長期間のローンが組めることによって、月々の返済負担を抑えられ、投資を始めてすぐに安定したキャッシュフローが期待できます。
新築物件で不動産投資を始めるデメリット

販売価格が高額
新築物件は販売価格が高く設定されるため、自己資金や借入額が大きくなり、利回りが低くなる傾向があります。
高額な投資に伴う返済リスクも考慮しなければなりません。また、新築物件は購入した瞬間から中古扱いとなり、資産価値が大きく下がります。
そのため、短期間での売却は大きな損失につながる可能性が高く、長期的に保有することを前提とした投資が基本となります。
短期間で売却益(キャピタルゲイン)を狙う投資家には向いていないかもしれません。
購入後は入居ゼロからスタート
新築物件は、購入してから入居者が集まるまでに時間がかかることがあります。
特に戸数が多い物件では、満室になるまで数ヶ月かかることも珍しくありません。
早期に満室を目指すには、家賃を下げたり、フリーレント(家賃無料期間)を設けたりするなど、オーナー側が負担を強いられるケースもあります。
最初の数ヶ月は収入がない可能性も考慮し、その間のローン返済や諸費用をまかなえる資金をあらかじめ準備しておくことが大切です。
家賃下落のリスク
新築物件は、新築プレミアムとして相場よりも高い家賃を設定できます。しかし、賃貸物件の家賃は築年数が経つにつれて下落するのが一般的です。
特に新築物件は、新築でなくなった瞬間に大きく家賃が下がる傾向があります。
また、周辺に競合する新しい物件が建つと、家賃を下げざるを得なくなる可能性も出てきます。
家賃下落のリスクは中古物件にもありますが、新築時の家賃が最も高いため、家賃の下落を考慮した長期的な収支シミュレーションを組むことが非常に重要です。
新築物件での不動産投資で失敗しないために気をつけるべきこと

立地条件を最優先に選定する
新築であっても、立地が悪ければ入居者は集まりません。
駅からの距離、周辺施設、治安、将来的な開発計画などをしっかり調査し、長期的に需要が見込めるエリアを選びましょう。
立地がよければ、将来的に競合物件が増えても安定した入居率を維持できます。また、エリアの需要に合った物件を選ぶことも大切です。
たとえば、ワンルームの方が収益性が高くても、ファミリー層が多いエリアでは高い入居率を保つのが難しくなります。
ターゲット層(ワンルーム需要、ファミリー需要など)を明確にしてから物件を選びましょう。
長期で厳しいシミュレーションを立てる
新築投資物件の大きなメリットは、長期で保有することにあります。しかし、10年〜20年後の状況を正確に予測するのは困難です。
周辺の競合物件や環境がどう変化するかは、誰にも分かりません。
新築物件は、最初のうちは家賃が高くても、数年後には下落する可能性があります。
そこで重要なのが、家賃下落や金利上昇、修繕費の増加も見込んだ、厳しめの長期シミュレーションです。これにより、さまざまなリスクに備えることができ、想定外の事態が起きても慌てずに対処できます。
信頼できる管理会社を選ぶ
新築物件であっても、管理体制が不十分だと入居率や物件価値は下がってしまいます。そのため、管理会社選びは非常に重要です。
実績が豊富で、入居者への対応やメンテナンス体制がしっかりしている会社を選びましょう。また、状況の変化に応じて適切な提案をしてくれる、信頼できる管理会社を選ぶことも大切です。
特に遠方の物件では、自分で見に行く機会が少ないため、円滑にコミュニケーションが取れる管理会社を選ぶことが、投資の成功を左右するといっても過言ではありません。
まとめ
新築物件への不動産投資は、安定した入居率や低い修繕コスト、そして有利なローン条件が魅力です。
一方で、初期費用が高くなりがちなこと、家賃が下落するリスク、そして短期的な売却益を狙いにくいといったデメリットもあります。
投資を成功させるには、立地選び、長期的な収支計画、そして信頼できる管理会社の選定が不可欠です。
長期的な安定運用を目指す方には、新築物件は十分に有力な選択肢となるでしょう。