マイホーム購入は夢が膨らむ一方で、住宅ローンへの不安も大きいですよね。
特に5,000万円を超える物件を検討されているなら、「本当に借りられる?」「無理なく返済できる?」といった心配はなおさら強いと思います。
この記事では、5,000万円の住宅ローンを組むために知っておきたい年収の目安から、実際に返済が厳しくなりやすい年収層、そしてその不安を解消するための具体的な対策まで、徹底的に解説します。
あなたのマイホーム計画をより明確にし、安心して夢を叶えるために、ぜひ最後まで読んでください。
5,000万円の住宅ローンが組める年収とは?

金融機関が住宅ローンの融資額を決める際、年収に占める年間の返済額の割合である「返済比率」が重視されます一般的に、返済比率の上限を30〜35%程度に設定している金融機関が多いです。
しかし、実際に無理なく返済していくためには、年間の返済額を年収の25%以内に抑えるのが理想的と言われています。
例えば、5,000万円の住宅ローンを金利1.0%、35年返済で試算すると、毎月の返済額は約14万円になります。この金額から考えると、無理なく返済できる年収の目安としては、年収700万円以上が一つの目安となります。
ただし、これはあくまで一般的な目安です。
ご自身の貯蓄額や、自動車ローンなどの他の借入状況によって、無理なく返済できる金額は大きく変わってきますので、ご注意ください。
住宅ローン5,000万円がきついと感じる世帯年収は?

年収500万円
年収500万円で5,000万円の住宅ローンを組むと、試算上の年間返済負担率は約34%となり、かなり高い水準になります。
毎月約14万円の返済額は、日々の生活費、お子さんの教育費などを考えると、家計に大きな負担となる可能性が非常に高いでしょう。「毎月の支払いが厳しくて、生活が苦しい」と感じる場面が増えるかもしれません。
このような状況では、経済的なゆとりを持つことが難しくなり、急な病気や車の修理など、予期せぬ支出にも対応しづらくなることが懸念されます。夢のマイホームのために日々の生活が圧迫されてしまうのは避けたいところです。
年収700万円
年収700万円で5,000万円の住宅ローンを組んだ場合、返済負担率は約24%となり、理論上は返済可能と言えます。
しかし、実際に経済的な余裕がどの程度あるかは、他の生活費や将来の貯蓄計画とのバランスによって大きく左右されます。
特に、ご家族の人数が多い場合や、これからお子さんが生まれる予定のあるご家庭では、食費や教育費といった支出が増えることが予想されます。そうなると、年収700万円でも毎月の返済が負担に感じられ、「きつい」と感じる可能性は十分にあります。
住宅ローンの検討だけでなく、将来のライフプラン全体を見据えた、より慎重な資金計画を立てることが非常に重要になります。
年収1,000万円
年収1,000万円であれば、5,000万円の住宅ローンの返済負担率は約17%となり、一般的には比較的余裕を持って返済できると考えられます。
しかし、高収入であることに伴い、住居費以外にも生活水準が上がり、結果的に毎月の支出が大きくなってしまうケースも少なくありません。見かけ上の返済負担率が低くても、油断は禁物です。
また、年収1,000万円という収入を長期間維持できる保証はありません。景気変動や転職、ご自身のキャリアの変化など、収入が減少するリスクも考慮しておく必要があります。
経済的な余裕があるうちに、繰上げ返済を行うなどの対策は必要になります。
5,000万円の住宅ローンがきついと感じる理由

毎月の返済額が大きい
5,000万円という高額な住宅ローンは、毎月の返済額も決して小さくありません。金利1%で35年返済の場合の約14万円という金額は、月々の家計にとって大きな負担となります。
経済的な負担はもちろんのこと、毎月この大きな金額を長期間にわたって払い続けなければならないというプレッシャーは、精神的な負担にも繋がります。「本当にこの生活がずっと続くのか」「もしものことがあったらどうしよう」といった不安を感じることもあるでしょう。
住宅ローンを検討する際には、経済的な側面だけでなく、ご自身の心の健康も考慮に入れることが大切です。
住宅ローン以外の支払い額が大きい
住宅を購入すると、住宅ローンの返済以外にも様々な費用が発生します。
固定資産税や都市計画税、火災保険料、マンションの場合は管理費や修繕積立金など、これらの費用は毎年または毎月発生し、総支払額を大きく押し上げます。
5,000万円を超える住宅の場合は、これらの金額も高額になることが多く、住宅ローンの返済と合わせると相当な負担になる可能性があります。これらの費用を十分に考慮せずに住宅ローンを組んでしまうと、「住宅ローンは組めたけれど、毎月の支払いが厳しくて生活が苦しい」と感じることになります。
金利上昇による返済額の増加額が大きい
変動金利型の住宅ローンを利用する場合、金利の変動は毎月の返済額に直接影響します。
特に5,000万円という高額な借入金の場合、わずかな金利の上昇でも返済額の増加は無視できないものになります。
金利が1%から1.5%に上昇するだけで毎月約1.2万円、2%になると約2.4万円も返済額が増加します。
年間で考えると、それぞれ約14.4万円、約28.8万円の負担増となり、この負担増は家計にとって非常に大きな影響です。
変動金利を選択する場合は、金利動向を常に注視するとともに、もし金利が上昇しても無理なく返済を続けられるだけの経済的な余裕を持っておくことが重要です。固定金利型も選択肢の一つとして検討したり、繰り上げ返済を積極的に行うなど、リスクを軽減するための対策も考えておくと良いでしょう。
5,000万円の住宅ローンがきついと感じた場合の対処法

ペアローンを検討する
共働きのご夫婦にとって、ペアローンは住宅購入の選択肢を広げる有効な手段の一つです。ペアローンはご夫婦それぞれが住宅ローンを契約するため、単独で借りるよりも借入可能額を増やせる可能性があります。
ご主人だけの年収では5,000万円の住宅ローンが難しい場合でも、奥様の収入を合算することで、融資を受けられる可能性が出てきます。
さらに、ペアローンならではの大きなメリットとして、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられる点が挙げられます。ただし、離婚した場合の住宅ローンの扱いや、どちらか一方に収入の変動があった場合のリスクなどを事前にしっかりと話し合っておく必要があります。
借り換えで金利や返済額を見直す
現在支払っている住宅ローンの金利が高いと感じている場合や、毎月の返済額が家計の負担になっている場合は、より有利な条件の住宅ローンへの借り換えを検討することは非常に有効な対処法です。
借り換えを行うことで、金利タイプを見直したり、返済期間を延長したりすることができ、その結果、毎月の返済額を減らすことができる可能性があります。
特に、過去に高い金利で住宅ローンを組んでしまった方にとっては、現在の低金利環境を活かすことで、大幅な返済額の軽減につながることもあります。
ただし、借り換えを行うには、繰り上げ返済手数料や、新しい住宅ローンの事務手数料、登記費用、印紙税などの諸費用が発生します。
これらの費用は決して安くはないため、借り換えによって得られる金利差による返済額の軽減効果と、これらの借り換え費用をしっかりと比較検討することが重要です。
金額の安い物件か賃貸への住み替え
住宅ローンの返済がどうしても困難になった場合は、思い切ってより負担の少ない住居への変更を検討することも重要な選択肢となります。
マイホームへの愛着は当然あると思いますが、返済が滞ってしまうと、最終的には大切な家を手放さざるを得なくなるだけでなく、信用情報にも傷がつき、その後の生活に大きな影響が出てしまう可能性があります。
より安い金額の物件への住み替えや、賃貸住宅への住み替えは、毎月の住居費を大幅に削減できる可能性があります。早い段階でこれらの選択肢を検討することで、経済的な破綻という最悪の事態を防ぐことができるかもしれません。
まとめ
5,000万円の住宅ローンは、夢のマイホームという大きな喜びをもたらしてくれる一方で、長期にわたる経済的な負担も伴います。住宅ローンを検討する際には、現在の年収だけでなく、将来の収入の見込みや、貯蓄などの資産状況をしっかりと把握することが何よりも重要です。
「借りられる金額」ではなく、「無理なく返済できる金額」を基準に、慎重な借入計画を立てる必要があります。
そして、35年といった長い返済期間においては、予期せぬ収入の変化や支出の増加も起こりえます。
そのため、借り換えや住み替えといった選択肢も常に頭に入れておき、状況に応じて適切な対策を講じることが、安心してマイホームでの生活を続けるためには不可欠です。