不動産投資を始めるうえで多い悩みは、税金に関することです。
物件を売買したり家賃収入を得た場合、住民税、登録免許税、不動産所得税、固定資産税といったさまざまな税金がかかるため、知識が不十分だと悩みの種になってしまうはずです。
理解が不十分で確定申告に漏れがあると、税務調査により追徴課税が発生する可能性もありますので、不動産投資を始める際は最低限の税金に関する知識が不可欠です。
不動産投資にかかる税金の勉強をする時間がないという方は、税金のエキスパートである税理士へ相談すれば、確定申告の作成だけではなく税務に関するアドバイスを得られます。
本記事では、不動産投資で税理士へ依頼するメリットとデメリットを詳しく解説します。税金に関する不安を抱えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
不動産投資で税理士へ依頼するメリット
はじめに、不動産投資で税理士へ依頼するメリットを3つ紹介します。
確定申告の申請書を作成してもらえる
不動産投資において避けては通れないのが確定申告です。
確定申告に必要な項目はさまざまあり、家賃収入を得られた日にちと金額はもちろん、不動産経営で出費した経費などをすべて帳簿に記載する必要があります。
確定申告の申請書は自分で作ることもできますが、各種申請書類を作成する作業は複雑かつ難解なので、すべてを作成するのは時間と労力がかかります。
しかし、税理士へ確定申告の作成を依頼することで、自身は必要書類を用意するだけになるので時間と労力を大きく削減することが可能です。
確定申告では、意図せずとも申告漏れにより追徴課税が発生するリスクがあるため、収支に関わる書類や領収書などをすべて管理してもらえる税理士は大きな力になります。
ちなみに、確定申告の依頼は年間の顧問契約ではなくスポット契約でも可能なので、税理士へ支払う報酬を抑えることもできます。
不動産投資で確定申告をする方法は以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
⇒不動産投資による確定申告のやり方は?必要書類や計上できる経費を紹介
節税効果を最大化できる
税理士は税金のプロなので、節税対策に関しても安心して任せることができます。
節税とは、税務制度に則った正しい方法で税額を抑えることを意味しますが、知識がなければその効果を最大化することはできません。
税金は有利な特例などが適用対象であっても、自動的に適用されるわけではないため自身で申告をしなければ適用とはなりません。
知らないばかりに節税のチャンスを逸していることは多くありますので、税金のプロに任せて節税効果を最大化できる点は大きなメリットです。
不動産投資による節税の仕組みは以下の記事でも詳しく解説していますので、気になる方は合わせてご覧ください。
税務に関するアドバイスが得られる
税理士へ依頼すれば、不動産投資の税務に関するさまざまなアドバイスが得られます。
確定申告や決算書の作成に関するアドバイスはもちろん、中には不動産に関するコンサルティングや経営の相談を行っている税理士事務所も少なくありません。
というのも、税理士はお金の流れを把握するプロなので、物件の選び方や資金調達の方法、キャッシュフローのシミュレーションなど、さまざまな角度から相談ができます。
不動産投資に関する専門的な知識が豊富な税理士をパートナーに選べば、税務に関する相談以外にもさまざまな観点から的確なアドバイスが貰えるでしょう。
不動産投資で税理士へ依頼するデメリット
続いては、不動産投資で税理士へ依頼するデメリットを3つ紹介します。
コストがかかる
不動産投資で税理士へ依頼するデメリットは、コストが発生する点です。
一般的に税理士へ業務を依頼する際は顧問契約を結ぶ必要がありますが、その際の費用は1ヶ月あたり少なくとも1万~2万円のコストがかかります。
帳簿の作成や修正、書類や領収書の管理、確定申告の作成依頼をする際は別途で5万円~10万円の費用が発生するので、年間で考えると20~30万円が費用の相場であるとされています。
確定申告のみのスポット依頼で費用を抑えることはできますが、それでも物件の規模次第では10万円以上の費用がかかる場合もあります。
税理士のホームページには費用体系が記載されていますので、自身の状況や収入に合わせて税理士へ依頼した方が得なのかを精査していきましょう。
税理士により仕事の内容や質に差がある
税理士は、全員が同じ能力を備えているわけではありません。
そもそも税理士事務所はそれぞれで得意分野が異なるため、不動産投資に関する業務を行ったことがなければ、的確なアドバイスを貰うことは難しいでしょう。
さらに、顧問料に含まれている仕事の領域も事務所によりバラつきがあります。経営相談や税金のアドバイスが含まれている場合が一般的ですが、中には別途料金が必要な場合もあります。
また、人と人とのやり取りになりますので、税理士との付き合いがうまくいかず、気軽に相談しにくい関係性になる可能性がないとは断言できません。
不動産投資に強い税理士の選び方
最後に、不動産投資に強い税理士を選ぶ時のポイントを詳しく紹介します。
不動産業に強い税理士事務所を選ぶ
不動産投資を得意としている税理士を選ぶためには、不動産投資分野に特化している税理士事務所を選ぶようにしてください。
前述したように税理士にはさまざまな得意分野があるため、基本的には自身のニーズに合っている税理士を選ぶのが得策です。
ホームページで地域を含めながら不動産投資に強い税理士を検索すれば、不動産業に特化している事務所を見つけることができます。
自身の得意分野はホームページでもアピールしてプロモーションしていることが多いため、不動産業を全面に推している税理士へ依頼するようにしてください。
不動産会社から紹介してもらう
不動産会社から紹介してもらえる税理士は、不動産業を得意としている場合が多いです。
不動産業に強いからこそ不動産会社と提携しているという側面があるため、信頼できる会社であればそこから税理士を紹介してもらうのもおすすめです。
Web検索や自身で探すよりも早く不動産業に特化した税理士を探せるので、手間なく最適な人材を見つけられるというメリットがあります。
自らも不動産投資を行っている
不動産投資に強い税理士は、その知識を活かしながら自らも投資を行っている場合があります。
実際に税理士が投資を行っている場合は、より実践的な節税対策やアドバイスが得られます。もちろん絶対条件ではありませんが、自身で投資を行っている税理士の方が、より詳しく具体的な投資方法のアドバイスが貰えることは間違いありません。
税理士の中には、自身のブランディングとして自らも不動産投資をしているということをアピールしている場合もあります。一つの判断材料にはなりますので、税理士事務所のホームページをチェックしながら、不動産投資の実績をチェックしてみましょう。
まとめ
不動産投資で税理士へ依頼するメリットとデメリット、不動産投資に強い税理士を選ぶポイントを解説していきました。
税理士への依頼は必須ではありませんが、確定申告における労務作業を削減することができ、税務に関するさまざまなアドバイスが貰えるというメリットは、不動産投資を続けていくうえでは非常に大きいです。
税理士にはさまざまな得意分野があるため、顧問契約を結ぶ際は不動産投資に強いかどうかを必ず確認するようにしてください。