ドッグフードの中には危険なものも?危険な原材料や添加物について解説

ドッグフードの中には危険

愛犬に与えるドッグフードは、毎日の食事としてできるだけ健康に良いものを与えたいと思うのが飼い主です。ただ、現在日本で販売されているドッグフードの中には、危険な成分や原材料を使用しているものがあることも事実です。

本記事では、日本で販売されているドッグフードに使用されている原材料や成分の中でも、とくに危険性が高く注意喚起されているものを中心に解説します。

ドッグフードの危険な“原材料”

ドッグフードの危険な“原材料”

ドッグフードの中には、危険性が高い原材料が配合されていることがあります。飼い主としては、原材料を確認するときに危険性が高い原材料は何かを知っておきたいものですよね。

本章では、ドッグフードに配合されている危険性の高い原材料を紹介します。

危険な原材料①4Dミート

ドッグフードに含まれている原材料でとくに注意を払う必要がある原材料は、「4Dミート」です。ただ、4Dミートは、ドッグフードの原材料には、明記されていません。

4Dミートとは、Dead(すでに死んでしまっている動物の肉)・Dying(死に瀕した動物の肉)Disabled(障害を持たされている動物の肉)・Diseased(何らかの病気にり患している動物の肉)のことを挿します。人の食卓には供されるべき肉ではなく、本来であれば処分されるべき肉といえるでしょう。

4Dミートは感染症にかかっているなどの問題を抱えた動物の肉のため、愛犬に健康被害をもたらす可能性が高いといえます。

危険な原材料②ミートミール

ミートミールとは世界的なドッグフードの成分の基準となっているAAFCO(米国飼料検査官協会)が定めたところによると、動物の血液・爪・被毛・皮などを除いた部分から脂肪だけを取り除き、高温で乾燥させて粉状にしたものとなっています。

そのためミートミールは高タンパク質・低脂肪ではありますが、ミートミールの中には原料となる肉類が不明なものがあることも事実です。

すべてのミートミールが悪い素材というわけではありませんが、4Dミートなどの不適切な肉が使われている可能性があることだけは知っておく必要があるでしょう。

危険な原材料③肉骨粉・肉副産物

動物の肉だけではなく骨も一緒に脂肪分を除去する作業を行って、粉状にしたものが肉骨粉(ミート&ボーンミル)です。肉副産物とは、肉以外の部分を挿し一般的には内臓などのことです。人の場合も肉類だけではなく、ミネラルやビタミンの補給を目的として動物の内臓を食べています。

そのため、肉副産物すべてが危険というわけではないのですが、4Dミートを使用した肉副産物がドッグフードの原材料となっている場合がありますよね。とくに、生産地や肉の種類が明確になっていないドッグフードは、4Dミートが使用されている可能性が高いといえます。

危険な原材料④動物性の油脂

ドッグフードの原材料の表記で見かける動物性油脂とは、ミートミルなどを製造する過程で作られる油脂のことです。ドッグフードに動物性油脂を使用する最大の目的は、ドッグフードの形を安定させるためと犬の食欲を増進させるためです。

動物性の油脂の香りは肉食だった犬たちの食欲を増進させるため、安価なドッグフードのほとんどに使用されているといえるでしょう。ただ、原材料に単に「動物性油脂」と表記されている場合は、粗悪な4Dミートなどが使用されている可能性が高いといえます。

また、動物性油脂は酸化しやすいため、酸化防止剤などの使用が多くなる可能性があります。

危険な原材料⑤ビートパルプ

ビートパルプは、砂糖の原料となる「サトウダイコン(テンサイ)」から糖分だけを絞った残りの部分のことで、多くの不溶性食物繊維が含まれています。ビートパルプをドッグフードに配合することで、便を固め量を多く見せることができますよね。

実際、ビートパルプ自体は悪いものではありませんが、問題なことは製造過程で薬剤が使われている可能性があること、糖分が残っているかもしれないこと、便を固める作用があるため健康状態の把握が難しくなることの3つが考えられます。

危険な原材料⑥小麦やトウモロコシなど、大量の穀物

危険な原材料⑥小麦やトウモロコシなど、大量の穀物

肉食である犬は、人が本来持っているアミラーゼというでんぷんをうまく消化させることができる消化酵素を唾液中に持ち合わせていません。そのため、たくさんの穀物類を毎日摂取することで、消化不良など健康上のトラブルが生じる確率が高くなります。

さらに、十分に消化することができなかった物質は、アレルゲンとなって皮膚炎などのアレルギー症状がみられることがあります。

とくに犬は小麦とトウモロコシの消化が苦手なため、大量に摂取することでアレルギーを発症するリスクが上昇すると考えられます。

小麦に含まれるグルテンは犬には必要のない栄養素

プレミアムフードなどでよく見かける表示に「グルテンフリー」がありますよね。グルテンフリーとは、小麦や大麦などに含まれているグルテンを使用していないドッグフードという意味です。

グルテンは、タンパク質のひとつでうどんやパンの粘りやコシを出すために必要な栄養成分です。ドッグフードではおもに原材料のつなぎとして使用されていますが、犬の中にはグルテンの消化を苦手としアレルギーを引き起こす原因となる可能性が高いため、犬には必要のない栄養素ともいえるでしょう。

危険な原材料⑦砂糖

犬はとても甘いものが好きということは、飼い主なら感じたことがあるでしょう。とくにさつまいもやリンゴ、にんじんなどを好んで食べますよね。

甘いものを好む犬は砂糖も大好きなのですが、砂糖を与えすぎることで「砂糖依存症」のような状態になることがあります。また、砂糖の摂取過剰は、肥満や糖尿病を発症するリスクを高めます。

さらに人工甘味料である「キシリトール」は、急性肝不全や低血糖などの中毒症状を起こすリスクがあるため絶対に犬が口にしないようにしましょう。

ドッグフードに使われると危険な“添加物”

ドッグフードに使われると危険な“添加物”

ドッグフードにはさまざまな添加物が使われていますが、天然由来の添加物と人工的に作られた添加物があります。

本章では、とくにドッグフードに使われると危険と考えられる人工添加物を紹介します。

危険な添加物①酸化防止剤である「BHT」と「BHA」

「BHT」と「BHA」は、強い酸化防止効果が期待できるため、ドッグフードをはじめとする動物用飼料に多く使用されている成分です。「BHT」と「BHA」はともにほぼ同じ成分で構成されていますが、唯一の違いは「BHT」の方が「BHA」よりも安価であるということでしょう。

日本ではペットフード安全法の施行後、エトキシキン・BHA・BHTの総量で150ppm以下という基準が設けられています。

ただ、BHA・BHTには、発がん性がある・内分泌かく乱物資といわれる環境ホルモンに作用するという懸念があります。BHA・BHTは、使用量を規制する基準がありませんが、厚生労働省は少量の使用は容認できるとしています。

危険な添加物②酸化防止剤「エトキシキン」

エトキシキンは酸化防止剤として、ペットフードをはじめとする動物用飼料に使われている成分ですが知っていますか?エトキシキンは、染色体異常や発がん性など健康への被害が懸念されている成分です。

エトキシキンは人が食べる食品の酸化防止剤としての使用は認められておらず、人の場合エトキシキンの残留基準は1ppm以下となっています。

一方、ドッグフードでの残留基準値が75ppm以下で、牛による実験では長期間の摂取によって体内に残留することが確認されています。

危険な添加物③保存料や発色剤である「亜硝酸ナトリウム」

亜硝酸ナトリウムは、日本ではおもにハムやたらこなど綺麗な赤色を保つ発色剤として使用されていますよね。また、亜硝酸ナトリウムは、ボツリヌス菌などの活動を抑制する効果があるため保存料としても使用されることがあります。

ただ、亜硝酸ナトリウムを大量に摂取すると癌になりやすいという指摘もあるため、厚生労働省は指定添加物として使用基準を設けています。ドッグフードには、おもにに発色剤として使用されており、ドッグフード1g中100μgという基準が設けられています。

危険な添加物④保湿剤「プロビレングリコール」

プロビレングリコールは、無味無臭の成分で人にはほとんど無害といえます。ただ、犬がプロビレングリコールを過剰摂取した場合、嘔吐などの軽度から中度程度の中毒症状を起こす可能性があるため注意しましょう。

プロビレングリコールは、おもにウエットタイプのドッグフードの保湿剤として使用されています。キャットフードでは赤血球に異常が起こり貧血になる可能性が高いため使用禁止になっていますが、犬の場合は使用基準値を守っていれば安全性に問題はないとされています。

危険な添加物⑤防腐剤「ソルビン酸カリウム」

世界的にも古くから防腐剤として使用されている成分が、ソルビン酸カリウムです。ソルビン酸カリウムは、おもに細菌やカビの活動を阻止する効果があり、長期間の保存を必要とする食品やドッグフードに使用されているといえるでしょう。

アメリカでは、ソルビン酸カリウムの使用量の制限は設けられておらず、厚生労働省へ報告された安全性に関する調査でも健康に対する毒性は低いと位置づけされています。

また、ソルビン酸カリウムと亜硝酸ナトリウムが結合し体内で化学的に変化することで発がん性が高まるといわれていますが、あくまでも特殊な条件下での結果であり通常の条件下では健康を害するような変化は見られないという見解を内閣府食品安全委員会は妥当としています。

危険な添加物⑥甘味料「グリシリジン・アンモニエート」

グリシリジン・アンモニエートは甘さを砂糖よりも感じられるといわれており、甘いものに反応しやすい犬の食いつきをよくするためにドッグフードに配合されていることが多い添加物です。

また、保存料としての効果を併せ持っていることも、ドッグフードに使用されている理由のひとつでしょう。

ただ、グリシリジン・アンモニエートは客観的な安全性の確認がされていないため、人の食品には使用されない添加物です。安全性が確認されていないグリシリジン・アンモニエートは、避けた方が良い添加物といえます。

危険な添加物⑦着色料

危険な添加物「着色料」一覧
  • エリスロシン(赤色3号)
  • アルラレッドAC(赤色40号)
  • ニューコクシン(赤色102号)
  • ローズベンガル(赤色105号)
  • インジゴカルミン(青色2号)

ドッグフードの中には、褐色だけではなく赤色など色鮮やかなものが販売されています。飼い主の目にはとても美味しそうに見えるかもしれませんが、色の識別が苦手な犬にとって見た目は食いつきには関係ないかもしれません。

上記の着色料は、日本ではタール系着色料としてドッグフード以外にも広く使用されていますが、いずれの着色料も癌などの健康被害をもたらすことがわかっています。そのため、タール系の着色料は、ベルギーやアメリカ、カナダ、ドイツなどで食品への使用が禁止になっています。

ドッグフードを選ぶ時に気をつけたいポイント

ドッグフードを選ぶ時に気をつけたいポイント

大切な家族である愛犬には、長生きしてもらいたいという願いは多くの飼い主が抱いています。愛犬に長生きしてもらうためにも、毎日の食事には気をつけたいですよね。

本章では、愛犬に安心して与えることができるドッグフードを選定するときのポイントを紹介します。

選ぶ時のポイント①無添加のドッグフードを選ぶ

ドッグフードを選ぶときに気を付けいたいポイントは、できるだけ添加物が使用されていないフードを選ぶことです。

ほとんどの飼い主は、「無添加」と表示されているドッグフードを選びますよね。ただ、知っておいてほしいことはドッグフードで「無添加」と表示できるのは、人工添加物・保存料・着色料・香料のいずれか1つ以上を使用していないということが条件となっています。

つまり、「無添加」と表示されているドッグフードは、ひとつでも使用していなければ「無添加」と表示することができるためいずれかの人工添加物を使用している可能性があるということです。

選ぶ時のポイント②成分表示をチェックする

ドッグフードを選ぶときには、ドッグフードの裏に表記されている原材料や成分表を確認しましょう。日本では、ペットフード安全法の施行後、ドッグフードには原材料や成分を表示することが義務付けられています。

愛犬に与えているドッグフードの原材料や成分表示を確認し、人工添加物や保存料、着色料などの使用状況を確認しましょう。

ドッグフードは長期間の保存を可能にするために、全く保存料などの添加物を使用していないとは考えられません。ドッグフードにどのような添加物が使用されているかを確認するためにも、成分表示は必ずチェックすることをおすすめします。

選ぶ時のポイント③賞味期限をチェックする

ドッグフードの賞味期限を確認したことはありますか?一般的にドッグフードは、長期間保存できるように保存料が使用されているため、賞味期限が2年以上のフードも多くみられます。

ただ、長期間保存ができるということは、保存料が多く使用されている可能性が考えられます。ドッグフードを選ぶときは、賞味期限まで期間があるか、賞味期限が短いフードを愛犬が賞味期限内に食べきれる量だけ購入するようにしましょう。

愛犬のためのおすすめドッグフード

愛犬には、できるだけ添加物の少ない安心できるドッグフードを与えたいですよね。本章では、安心して愛犬に与えることができるおすすめのドッグフードを3選紹介します。

おすすめドッグフード①モグワン

モグワン
価格4,708円(税込)
内容量1.8㎏
原材料チキン&サーモン56.5%(放し飼いチキン生肉 21%、生サーモン 12%、乾燥チキン 12%、乾燥サーモン 7.5%、チキングレイビー 2%、サーモンオイル 2%)、サツマイモ、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆、ビール酵母、アルファルファ、ココナッツオイル、バナナ、リンゴ、海藻、クランベリー、カボチャ、カモミール、マリーゴールド、セイヨウタンポポ、トマト、ショウガ、アスパラガス、パパイヤ、グルコサミン、メチルスルフォニルメタン( MSM)、コンドロイチン、ミネラル類(亜鉛、鉄、マンガン、ヨウ素)、ビタミン類(A、D3、E)、乳酸菌
原産国イギリス
対象月齢全年齢対応

モグワンは、愛犬の健康を真剣に考えたレティシアのスタッフが食いつきがよく安全性の高いレシピを考案し、イギリスの厳しい衛生検査にも合格した工場で生産されているドッグフードです。

モグワンには、着色料や香料などの人工的な添加物は使用されていません。モグワンで保存料として使用されている成分は、すべて天然由来のものであるため安心して愛犬に与えることができます。

また、モグワンは、犬の食いつきをよくするために生の鶏肉や生のサーモンを50%使用し、自然の香りを大切にしています。

おすすめドッグフード②このこのごはん

このこのごはん
価格3,850円(税込)
内容量1㎏
原材料鶏肉(ささみ、レバー)、大麦、玄米、ビール酵母、鰹節、米油、乾燥卵黄、鹿肉、まぐろ、青パパイヤ未、モリンガ、さつまいも、わかめ、乳酸菌、昆布、ミネラル類(牛骨カルシウム、卵殻カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グルコン酸亜鉛、ピロリン酸第二鉄、グルコン酸銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB2、パントテン酸カルシウム、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE)
原産国日本
対象月齢全年齢対応

このこのごはんは、愛犬のために考え出された愛情たっぷりのドッグフードです。とくに、安全性にこだわり人工添加物は一切使用されておらず、犬には必要ではないグルテンを含んだ小麦なども使われていません。

このこのごはんのレシピはいたってシンプルで、犬に必要な栄養素がバランスよく配合されています。運動量が比較的少ない日本の室内犬をイメージして作られていることもあり、低カロリーで小型犬が食べやすい形状となっています。

おすすめドッグフード③カナガンドッグフード

カナガン
価格4,708円(税込)
内容量2㎏
原材料チキン生肉26%、乾燥チキン25%、サツマイモ、エンドウ豆、ジャガイモ、エンドウ豆タンパク、アルファルファ、チキンオイル3.1%、乾燥卵3.1%、チキングレイビー1.6%、サーモンオイル1.2%、グルコサミン、メチルスルフォニルメタン(MSM)、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、オオバコ、海藻、フラクトオリゴ糖、コンドロイチン硫酸、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、クランベリー、アニス、コロハ、ミネラル類(鉄、亜鉛、マンガン、銅、ヨウ素、セレン)、ビタミン類(A、D3、E)
原産国イギリス
対象月齢全年齢対応

カナガンは、モグワンと同様にイギリスの安全性が高い衛生的な工場で作られているドッグフードです。犬の体には必要ないといわれる小麦やトウモロコシなどの穀物を一切使用していないグレインフリーのドッグフードで、原材料にはヒューマングレードの素材を使っていることが特徴です。

カナガンには、着色料や香料はもちろん使用されていません。自然のままの香りと色合いを大切に作られているドッグフードです。

また、カナガンのタンパク質は、上質な鶏肉を50%以上使用していますが、アレルギーに悩む犬のためにサーモンをタンパク源としたフードもあります。

愛犬のために安全なドッグフードを選ぼう

毎日食べるドッグフードは、犬の健康維持のためにも安全性の高いフードを選びたいものです。日本では、ペットフード安全法が施行されペットフードの安全に関する基準が設定されたことでようやくスタートラインに立ったといえるでしょう。

ただ、日本はペットフードの規制に関しては後進国であり、愛犬の健康は飼い主自身が守っていく必要があります。そのためにも、今一度、飼い主は愛犬が現在食べているドッグフードが安全なのかを確認することが大切です。