犬に与えてはいけない食べ物26選|危険度に分けて解説します!【獣医師が解説】

犬に与えてはいけない食べ物

人と犬では体の構造や機能に違いがあるため、人にとっては健康に良い食べ物でも、犬にとっては健康を害する場合があります。

しかし、愛犬が人の食べ物を欲しがっていると、ついつい一口あげてしまう飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、犬にあげてはいけない食べ物をいくつか紹介し、それらを食べてしまった場合に見られる中毒症状や、もし食べてしまった場合の対応について解説していきます。

西岡優子(にしおか ゆうこ)獣医師
北里大学獣医学科卒業後、香川県の動物病院に就職。結婚を機に、都内の獣医師専門書籍出版社にて勤務。現在は、パート獣医として働く傍ら、犬・猫・小動物系のライターとして活動。

目次 -INDEX-

犬にあげてはいけない食べ物 危険度一覧

犬にあげてはいけない食べ物 危険度一覧
危険度レベル

【超危険】・・・犬が死亡する恐れがある食べ物
【危険】・・・犬が過剰に摂取すると危険な食べ物、調理方法により食べられるもの
【少し危険】・・・少量なら食べても良いとされているが、積極的に勧めない食べ物、食べる部分によって危険がある食べ物

超危険危険少し危険
チョコレート・ココア
キシリトール
生の豚肉
鶏の骨
たまねぎ・ネギ類
ニラ・にんにく
アボカド
ぶどう・レーズン
いちじく
マカデミアナッツ
アルコール類
コーヒー
カフェインを含む飲み物
梅干し
コーヒー
香辛料などの刺激物

イカ
エビ・カニ
牛乳(人間用)
チーズ(人間用)

トマト
アーモンド・ピーナッツ

上の表は、犬にあげてはいけない食べ物を危険度に分けてまとめています。

これらの食べ物を犬が食べるとどうなるのか詳しく解説していきますので、是非参考にしてください。

犬にあげてはいけない食べ物【肉編】

犬に与えてはいけない肉類

牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類は種類に関わらず、肉の表面や中にはウイルスや細菌、寄生虫などの病原体が生息しています。

ですので、犬に肉類をあげる時には、肉の種類に関わらず、必ず加熱処理をしてから食べさせるようにしましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|生の豚肉

生の豚肉の表面や中には、細菌やウイルス、寄生虫など様々な病原体が生息しています。

犬が生の豚肉を食べるとこれらの病原体による感染症を引き起こすため大変危険です。

主な病原体としては、E型肝炎ウイルス、トキソプラズマ、カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌などが挙げられます。

そのため、犬が生の豚肉を食べてしまうと、1~2日以内に下痢・嘔吐・発熱・元気がなくなるなどの症状が見られる可能性があるため、豚肉は必ず加熱してから与えるようにしましょう。

また、細菌による食中毒では、下痢や嘔吐、重篤な事態に陥ることもあります。

犬にあげてはいけない食べ物|鶏の骨

犬が生の鶏の骨を食べてしまうと、サルモネラ菌による食中毒を引き起こすため注意が必要です。

サルモネラ感染症では発熱、嘔吐、下痢、食欲不振、元気がなくなるといった症状が見られます。

また、加熱処理した鶏の骨なら与えても良いかと言うと、特に小型犬では骨を丸飲みして食道閉塞を起こす危険性があるため、鶏鳥の骨を与えることは控えましょう。

さらに、鶏の骨は加熱すると砕けやすくなるため、骨の欠片が詰まり腸閉塞を起こしたり、先端が尖った欠片により胃や腸などが傷つき、酷い場合には穴が開くこともあるため注意が必要です。

犬にあげてはいけない食べ物【魚介類編】

犬にあげてはいけない魚介類

魚介類は、たんぱく質やDHAが多く含まれているものがあり、犬にとっても大きなメリットがある食材です。

しかし、種類によっては犬にあげると中毒症状などを引き起こしてしまう可能性があります。

ここでは、犬にあげていけない魚介類を見ていきましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|エビ・カニ

生のエビやカニには、チアミン(ビタミンB1)を分解するチアミナーゼという酵素が含まれています。

チアミンはブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素で、犬の健康維持には大切な成分です。

そのため、犬が生のエビやカニを過度に食べると、健康維持に必要なチアミンの多くが分解されてしまい、チアミン欠乏症になるおそれがあります。

チアミン欠乏症では、主に脳や神経系に障害が起こり、体重減少や食欲不振・嘔吐・ふらつくなどの運動失調、痙攣・視力障害の症状が現れ、早期に治療が行われなかった場合には、2日以内に死亡するケースもあると言われているため注意が必要です。

しかし、チアミナーゼは熱に弱く、加熱すると活性が失われるため、加熱処理したエビやカニであれば、犬に与えても大きな問題はありません

ただ、加熱したエビやカニであっても、愛犬に甲殻類にアレルギーがある場合には、アレルギー症状を起こすことがあります。

アレルギーの場合には、甲殻類を食べてから数分から3日以内に、皮膚のかゆみやむくみ・食欲不振・腹痛・嘔吐・下痢などの症状が現れることがあるので気を付けましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|イカ

生のイカにはエビとカニ同様、チアミン(ビタミンB1)を分解するチアミナーゼという酵素が含まれているため、前述したようなチアミン欠乏症の症状が現れます。

特によく現れる症状としては、神経障害によるふらつきです。

もし、愛犬が後ろ足を踏ん張れず、真っ直ぐ歩けない場合や、痙攣や嘔吐が見られる場合には、早急に動物病院を受診してください。

イカはアレルギー症状が出ることはほぼないため、充分に加熱処理すれば犬に食べさせても問題ありません

しかし、イカは硬く消化には悪いため、細かく切るなどあげ方を工夫しましょう。

犬にあげてはいけない食べ物【野菜編】

犬にあげてはいけない野菜

「犬に玉ねぎを食べさせてはいけない」という話を耳にしたことはあるでしょうか?

しかし、玉ねぎ以外にも犬にあげてはいけない野菜はいくつかあります。

ここでは、犬にあげてはいけない野菜について見ていきましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|ネギ類・玉ねぎ

玉ねぎやネギなどネギ類を食べると、これらに含まれるアリルプロピルジスルフィドという有機チオ硫黄化合物が、犬の赤血球を破壊(溶血)し貧血を引き起こします。

犬の溶血性貧血の症状は、口などの粘膜が白っぽくなる・血尿・黄疸・呼吸数の増加・元気がなくなるなどといったものです。

また、貧血が進行し、重度になると最悪な場合死に至るケースもあります。

この有機チオ硫酸化合物は、加熱や乾燥などの加工を加えたとしても毒性は変わらないため、加工した玉ねぎやネギであっても犬に中毒を引き起こす危険性があるのであげないようにしましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|ニラ・にんにく

ニラやにんにくは、ヒガンバナ科ネギ属に分類される植物です。

ニラやにんにくには、玉ねぎやネギ同様、二硫化アリルやアリルプロピルジスルフィドといった有機チオ硫酸化合物が含まれています。

この成分により、前述した溶血性貧血が犬に引き起こされるのです。

犬が大量のにんにくやニラを口にしてしまうと、早くて翌日までに血尿などの貧血の症状が現れます。

また、少量であっても連日食べると、数日後に症状が現れる場合があるので注意が必要です。

犬にあげてはいけない食べ物|アボカド

アボカドに含まるペルシンという成分は、様々な動物に中毒症状を引き起こします。

特に、鳥ではアボガドを食べてから数時間以内に死に至ることがあり、毒性が非常に高い成分です。

犬では鳥ほどの中毒症状は現れませんが、1〜3日で頻回の嘔吐・痙攣・全身や四肢のむくみ・荒い呼吸・湿った咳・赤い痰を吐く・舌が紫っぽい色になるなど、消化器や呼吸器に対する中毒症状が見られることがあります。

ですので、犬にアボガドはあげないように気を付けましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|トマト

トマトのへたや葉・茎・花の部分にはトマチンと呼ばれる有毒物質が存在しています。

また、未熟な青いトマトにもこのトマチンが比較的多く含まれているのです。

犬がこのトマチンを多量に摂取すると、中毒を起こし、赤血球が破壊されたり、下痢や嘔吐といった消化器症状が現れます。

さらに、症状が進行して、重症化してしまうと死に至るケースもあり危険です。

このトマチンはトマトが完熟するとほとんど含まれなくなるため、完熟トマトであれば犬に安心してあげることができるので、へた・葉・茎などをきちんと取ってから犬にあげるようにしましょう。

犬にあげてはいけない食べ物【果物編】

犬にあげてはいけない果物

果物のなかには、りんごやさくらんぼのように実自体には犬に毒性はないものの、芯や種、葉などに毒性があるものがあります。

そのような場合は、芯や種を取り除いてから犬にあげるようにしましょう。

ここでは、果実そのものに毒性がある果物について紹介していきます。

犬にあげてはいけない食べ物|ぶどう・レーズン

犬がぶどうを食べると、24時間以内に中毒を引き起こす可能性が高いです。

ぶどうが犬に中毒を引き起こす原因物質はわかっていませんが、ぶどうの皮や、干しぶどうであるレーズンを食べた場合に、中毒症状が見られます。

症状としては、ぶどうを食べてから6~12時間以内に嘔吐・下痢・食欲不振・腹痛などが見られ、症状が進行し重度になるとぶどうを食べてから24~72時間以内に急性腎障害を引き起こし、最悪の場合死に至るケースもあるのです。

犬にあげてはいけない食べ物|いちじく

いちじくには、ソラレン・フィシン・ラテックスなど犬に有害な成分がいくつか含まれているため、犬にはあげないようにしましょう。

まず、ソラレンは皮膚に付着した状態で紫外線を浴びると、皮膚が赤くなったり、かゆくなったり、酷い場合にはただれを引き起こす成分です。

このソラレンという成分は、柑橘系のフルーツの皮の部分にも多く含まれているため、愛犬にあげる際には実の部分だけを与えるようにしましょう。

次に、いちじくを切ると出る乳白色の液はフィシンという成分で、胃腸や口の中の粘膜に炎症を起こし、口内炎・よだれ・嘔吐や下痢などの症状が現れる可能性があります。

さらに、天然ゴムに含まれる成分でもあるラテックスは、ラテックスアレルギーをもつ犬が触れると、蕁麻疹やアナフィラキシーといったアレルギー症状を引き起こす恐れがあるものです。

ラテックスを含む食べ物はいちじく以外に、バナナ、アボカド、キウイ、メロンなどがあります。

これらの野菜や果物はそのまま愛犬にあげるのはもちろん、ジュースやジャム、スープなどの加工食品も与えないようにしましょう。

犬にあげてはいけない食べ物【ナッツ類編】

犬に与えてはいけないナッツ類

アーモンドやピーナッツのナッツ類は一部を除き、犬にあげても特に問題はありませんが、犬にとって消化が悪いため、消化不良を起こす場合があります。

また、ナッツ類はカロリーが非常に高いため、食べすぎには注意しましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|マカダミアナッツ

多くのナッツ類は犬が食べても問題ありませんが、マカダミアナッツは中毒を引き起こしてしまう危険なものです。

マカダミアナッツのどの成分が犬に対して中毒症状を引き起こす原因なのかは、未だにわかっていません。

しかし、マカダミアナッツを食べた犬が中毒症状を起こしたという報告が多数されているのです。

多くの場合、マカダミアナッツを食べてから12時間以内に嘔吐・運動失調・腹痛・後ろ足の麻痺・発熱などの症状が現れます

ですので、マカダミアナッツを犬にあげるのは控えましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|アーモンド・ピーナッツ

ナッツ類のなかでもアーモンド、ピーナッツ、クルミ、カシューナッツ、ピスタチオは犬にあげても大きな問題はないとされています。

ただ、ナッツ類は犬にとって消化が悪いため、食べすぎると嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こすことがあるのです。

さらに、ナッツ類はカロリーが非常に高いため、食べすぎると肥満につながるがる可能性もあります。

犬にあげてはいけない食べ物【乳製品編】

犬に与えてはいけない乳製品

犬は人とは違い、牛乳に含まれる乳糖を分解することができません。

そのため、犬が人用の乳製品を食べると下痢などの消化器症状が見られる場合があります。

ここでは、犬にあげてはいけない人用の乳製品について解説していきます。

犬にあげてはいけない食べ物|チーズ(人間用)

人用のチーズは犬が食べられるものですが、犬用のチーズに比べて含まれる塩分の量が多いため、食べ過ぎると食塩中毒を引き起こしてしまう可能性があります。

食塩中毒は脳神経症状や肺水腫、腎機能障害などを引き起こし、死亡する場合もある恐ろしいものです。

また、犬用に比べ人用のチーズは脂質とカロリーが多く含まれているため肥満につながる可能性もあります。

さらに、チーズに含まれる乳糖による体調不良や、アレルギー症状が見られる場合もあるため、必ず人用ではなく犬用のチーズを与えるようにしましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|牛乳(人間用)

人でも乳糖不耐症という体質で、牛乳を飲むと下痢などの症状が出る方もいらっしゃると思います。

牛乳には乳糖(ラクトース)という成分が含まれており、この乳糖を体の中で分解するためにはラクターゼという消化酵素が必要です。

犬はこのラクターゼの分泌がかなり少なく、人用の牛乳では乳糖が分解されず残った乳糖が腸に刺激を与え、下痢や消化不良といった症状を引き起こしてしまいます。

ですので、牛乳をあげる際には、人用ではなく必ず犬用の牛乳を与えるようにしましょう。

犬にあげてはいけない食べ物【飲み物】

犬に与えてはいけない飲み物

犬に水以外の飲み物を与えることはあまりないと思いますが、飼い主さんが少し目を離したすきにコップに入った飲み物を愛犬が舐めてしまうということがあるかと思います。

ここでは、犬が飲んでしまうと危険な飲み物について解説していきます。

犬にあげてはいけない食べ物|コーヒー

コーヒーはご存知のとおり、カフェインという成分が含まれています。

犬がカフェインを過剰に摂取すると速やかに吸収され、数時間以内に多飲・尿失禁・落ち着きがなくなるなどの興奮・心拍数の増加・下痢・嘔吐などの症状を引き起こすのです。

また、カフェインは代謝されると中枢神経興奮作用をもつテオブロミンという成分になります。

テオブロミンは、高血圧や不整脈・痙攣やてんかん発作を引き起こし、最悪の場合には死に至るケースもあります。

犬にあげてはいけない食べ物|アルコール類

人がアルコールを摂取すると、アルコールは酵素により無害化されます。

しかし、犬はこれらの酵素や代謝機能を持っていないためアルコールは無害化されず、脳に影響を与えるのです。

また、アルコールが分解されないまま長時間体内に残ると、脳以外の犬の体の様々な臓器の機能にも悪い影響を与えます。

アルコールによる中毒症状は、ふらつく・ボーっとする・グッタリして動かない・食欲がない・嘔吐・意識がもうろうとする・呼吸が弱くなるなどです。

特に、呼びかけても意識がもうろうとして反応が鈍くなっている場合や呼吸が弱い場合は、命にかかわる危険性が高いので、早急に動物病院を受診しましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|カフェインを含む飲み物

前述したように、犬がカフェインを摂取してしまうと、カフェインとその代謝物であるテオブロミンにより中毒症状が見られます。

カフェインを含む飲み物はコーヒーの他にも、ココア、栄養ドリンク、コーラ、緑茶などのお茶があります。

ですので、どうしても犬に飲み物をあげたい場合には、麦茶やはと麦茶、タンポポ茶、黒豆茶、ルイボス茶などのカフェインの入ってないお茶にしましょう。

犬にあげてはいけない食べ物【その他】

その他犬に与えてはいけない食べ物

犬にあげてはいけない食べ物を種類に分けて紹介してきました。

ここでは、それ以外の犬にあげてはいけない食べ物を挙げていきます。

犬にあげてはいけない食べ物|チョコレート・ココア

チョコレートやココアの主原料であるカカオ豆には、テオブロミンという物質が含まれています。

犬は人と違って、テオブロミンを分解、排出することができないため、体内に蓄積されます。そうすると、神経や心臓に異常をきたし、中毒症状を引き起こしてしまうのです。

犬のチョコレート中毒の初期症状としては、嘔吐・下痢・失禁・落ち着きがなくなるなどが見られます。

さらに症状が進行すると、震え・心拍数が増加する頻脈・痙攣(けいれん)が起こり、最悪の場合は死に至るケースもあります。

犬にあげてはいけない食べ物|キシリトール

キシリトールは、人用のキャンディやクッキー、チョコレートなどのお菓子類、イチゴやプラムなどの果物類、カリフラワーやナスなどの野菜類、清涼飲料水、歯磨き粉に含まれる成分です。

しかし、犬では重い中毒症状を引き起こすことがあります。

犬が中毒になる量のキシリトールを摂取すると、30分から1時間以内に、嘔吐・無気力・脱力感・立てないや歩けないなどの運動失調といった症状が見られるのです。

また、摂取後数時間から2日以内に急性肝不全を引き起こし、頻回な嘔吐・痙攣・意識もうろうなどの症状や、白目や皮膚が黄色い・尿が黄色いといった黄疸の症状など重篤な状態になる場合もあります。

犬にあげてはいけない食べ物|梅干し

梅干しには犬に中毒を引き起こす成分は含まれていませんが、その塩分や種には注意が必要です。

犬が梅干しを過剰に摂取すると、食塩中毒を引き起こします。

食塩中毒の症状は、摂取してから数十分から数時間以内に現れ、嘔吐や下痢・ふらつき・発作などの症状です。

また、重度の場合は、脳神経症状や肺水腫、腎機能障害などを引き起こし、死亡する場合もある恐ろしいものです。

また、梅干しの種は消化されることがないため、喉に詰まらせて呼吸困難になったり、胃腸に詰まって閉塞を引き起こすことがあるため犬にあげないようにしましょう。

犬にあげてはいけない食べ物|香辛料など刺激物

香辛料には様々なものがありますが、その中で犬にあげてはいけないものは、辛みがあって、刺激になるものです。

犬が辛みの強い香辛料を食べてしまうと、胃腸が刺激され炎症を起こし、下痢・嘔吐・食欲不振などといった消化器症状を引き起こす場合があります。

また、酷いケースでは胃の感覚の麻痺が起こることがあり、それにより様々な病気を引き起こしてしまうためとても危険です。

ですので、サンショウ、トウガラシ、マスタード、わさびなど辛み強い香辛料や、辛みはそれほど強くはないですが、大量のコショウも犬にあげることは控えましょう。

犬が中毒症状を起こしている時の状態

犬が中毒症状を起こしている時の状態

前述したように、食べた物によって特有の中毒症状が犬に現れます。

主な中毒症状としては、下痢や嘔吐などを起こす消化器症状、脳障害や痙攣などの脳神経に影響を与える神経症状、呼吸に異常を起こす呼吸器症状、皮膚にかゆみや湿疹などを引き起こす皮膚症状、心拍数が上がったり、不整脈を起こす循環器症状などです。

食べた物や中毒症状によって治療方法も異なってくるため、愛犬の様子を注意深く観察しましょう。

ただ、動物病院に連れて行き、食べた物を吐かせることが出来たとしても、中毒を起こす原因物質がすでに体内に吸収されていると、治療による症状の改善が難しくなる場合があります。

犬が中毒性のある食べ物を食べてしまった時の対応

犬が中毒性のある食べ物を食べてしまった時の対応

インターネット上などで食塩を使って吐かせる方法などを紹介していますが、犬が食べてはいけない物を食べたからといって、飼い主さんの自己判断で自宅で吐かせるのは危険なため必ず獣医師さんに処置をしてもらいましょう。 

ここでは、犬が中毒性のある食べ物を食べてしまった時の対処法についまてお伝えします。

食べた物が中毒性の低い物で少しの量で、食欲や元気があれば、自宅で数時間様子を見ても問題はありません。

ただ、飼い主さんがどうしても心配なときや、飼い主さんが見てない隙に食べてしまっていて食べた量が分からないときには、かかりつけの動物病院を早目に受診することをオススメします。

動物病院を受診する際には、状況に応じた治療がスムーズに受けられるよう、何を食べたのか?どれぐらい前に食べたのか?どれくらいの量を食べたのか?を伝えてください。

また、中毒性が高い危険な物を食べてしまった場合や、吐き気・嘔吐・呼吸が荒くなる・ふらつき・痙攣などといった中毒症状が見られた場合には、食べた量に関わらず速やかな治療が必要なため、一刻も早く動物病院へ連れて行きましょう。

【まとめ】命の危険にも関わるため犬に食べ物を与える時は注意しましょう

今回は、犬にあげてはいけない食べ物をいくつか紹介し、食べてしまった場合に見られる中毒症状や、もし食べてしまった場合の対応について解説しました。

犬にあげてはいけない食べ物のなかには、重篤な状態に陥る危険性がある物もあるため、食べ物をあげる際には犬の健康に害がないか確認することが大切です。

この記事が、愛犬の健康や安全を守りながら過ごすための参考になると幸いです。