引越しで本籍地は変更すべき?どこにするか・転籍届の方法・注意点を解説【2026年最新】

本籍地 どこにする

最終更新日:2026年10月21日(2024年3月施行の改正戸籍法による戸籍証明書の広域交付・届出時の戸籍謄本添付の不要化、2025年5月からの戸籍へのフリガナ記載、マイナ免許証の手続きなどを反映しました)

この記事でわかること

引越しをしても本籍地を変更する義務はありません。2024年3月からは、戸籍謄本を本籍地以外の市区町村の窓口でも取得できるようになったため、本籍地が遠くても以前ほど不便ではなくなりました。変更する場合は、新しい住所の市区町村など、今後長く関わる場所にするのがおすすめです。

  • 本籍地の変更は「転籍届」で行います。2024年3月から戸籍謄本の添付は不要になりました。
  • 本籍地を変更したら、運転免許証の届出が必要です。本籍の都道府県が変わった場合は、パスポートの手続きも必要になります。

引越しを検討している方の中には、住所の変更に合わせて本籍地の変更を検討している方もいるのではないでしょうか。

引越しで本籍地を変更する必要はありませんが、本籍地を住所の近くにしておくと、戸籍に関する手続きがしやすくなる場面があります。一方で、2024年3月の戸籍法改正により、戸籍謄本は本籍地以外でも取得できるようになり、本籍地を変更するメリットは以前より小さくなっています。

この記事では、本籍地の確認方法や変更方法、変更するならどこにするべきか、メリット・注意点などについて、最新の制度をもとに詳しく紹介します。

佐々木 健太

宅地建物取引士/株式会社アイデアル 代表取締役

佐々木 健太

2003年に株式会社エスティアに入社。2007年に株式会社アップスタイルの創業に参画し、営業戦略・新規事業開発を統括。2014年に株式会社アイデアルを設立し、代表取締役に就任。賃貸・売買仲介、物件管理、投資用不動産の実務を経験し、現在は中古一棟収益不動産を活用した資産形成コンサルティングを行う。Homeeeマガジンでは、住まい探しや不動産会社選び、街の住みやすさに関する記事を実務経験に基づいて監修している。

そもそも本籍地とは

ポイント

本籍地とは、戸籍を置いている場所のことです。住所(住民票がある場所)とは別のもので、住所のように引越しのたびに届け出る義務はありません。本籍地は、本籍が記載された住民票や戸籍謄本で確認できます。

本籍地とは、戸籍を置いている場所のことです。住所(住民票がある場所)とは別のもので、住所のように引越しのたびに届け出る義務はありません。本籍地は、本籍が記載された住民票や戸籍謄本で確認できます。

ここでは、本籍地について詳しく解説します。

本籍地と住所の違い

本籍地が戸籍を置いている場所であるのに対して、住所は今住んでいる場所のことです。

住所は住民票の届出を行っている場所であり、自治体による行政サービスの基礎情報となります。本籍地と違い、住所の変更届出は法律で義務づけられています。

別の市区町村へ引越した場合は、引越した日から14日以内に転入届を出す必要があります。正当な理由なく届出をしなかった場合は、5万円以下の過料に処されることがあります。

本籍地は住んでいる住所が変わっても変更する必要はなく、変更しなくても罰則はありません。

出典元:e-Gov法令検索「住民基本台帳法」第22条・第52条

引越しの時に必要な住所変更や手続き方法まとめ

本籍地の確認方法

自分の本籍地を確認する方法としては、主に次のようなものがあります。

本籍地の確認方法
  • 本籍が記載された住民票の写しを取得する
  • 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を確認する
  • 運転免許証のICチップの情報を読み取る
  • 親族に聞く

もっとも手軽なのは、本籍が記載された住民票の写しを取得する方法です。住民票は通常、本籍が省略されて発行されるため、申請時に「本籍の記載あり」を選びましょう。マイナンバーカードがあれば、対応する市区町村ではコンビニでも取得できます。

なお、マイナンバーカードには本籍は記録されていません。また、運転免許証も2007年以降に交付されたICチップ付きのものは券面に本籍が記載されていないため、確認するには警察署や運転免許センターなどに設置されている読み取り機と、免許証の交付時に設定した暗証番号が必要です。

本籍地の変更方法(転籍届)

本籍地を変更する手続きを「転籍」といい、市区町村の窓口に転籍届を提出して行います。主なポイントは次のとおりです。

届出先 現在の本籍地、新しい本籍地、または届出人の住所地(所在地)の市区町村
届出人 戸籍の筆頭者とその配偶者(配偶者がいる場合は2人とも署名が必要)
必要なもの 転籍届、窓口に来た人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
戸籍謄本 2024年3月1日から添付は原則不要
印鑑 押印は任意(署名のみで届出可能)
手数料 無料

以前は、ほかの市区町村へ本籍地を移す場合に戸籍謄本の添付が必要でしたが、2024年3月1日に施行された改正戸籍法により、市区町村の職員がシステムで戸籍を確認できるようになったため、原則として不要になりました。

転籍届の様式や、新しい本籍地の書き方などは市区町村によって案内が異なる場合があるため、届出先の市区町村のホームページなどで事前に確認しておくと安心です。

出典元:法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」

戸籍には氏名のフリガナも記載されるようになった

2025年5月26日に施行された改正戸籍法により、戸籍に氏名のフリガナが記載されるようになりました。本籍地の市区町村から届いた通知のフリガナに誤りがなければ、2026年5月26日以降、通知どおりのフリガナが市区町村長の職権で戸籍に記載されています。

戸籍に記載されたフリガナに誤りがある場合などは、届出によって変更できる場合があります。本籍地を変更する前後で、戸籍のフリガナが正しく記載されているかもあわせて確認しておくとよいでしょう。

出典元:法務省「戸籍にフリガナが記載されます」

本籍地を変更するならどこにするべき?

ポイント

本籍地は、日本国内で地番などが存在する場所であれば自由に設定できます。引越しを機に変更するなら、新しい住所の市区町村など、今後長く住む予定の場所にするのがおすすめです。転勤などで引越しが多い方は、無理に変更せず、実家などに置いたままにしておくのも選択肢です。

ここでは、本籍地を変更するならどこがいいのかを詳しく解説します。

そもそも本籍地はどこに設定できるのか

本籍地は、日本国内で土地の地番や住居表示の街区符号が存在する場所であれば、基本的にどこでも設定できます。

そのため、現在の住所や実家だけでなく、ゆかりのある場所や思い出の場所を本籍地に設定することも可能です。実際に、皇居や大阪城、甲子園球場などの所在地を本籍地にしている人もいるといわれています。

もちろん、引越しで本籍地を変更する場合でも、新しい本籍地を引越し先の市区町村にする必要はありません。

今後長く住む予定の場所がおすすめ

引越しで本籍地を変更する場合は、新しい住所の市区町村など、今後長く住む予定の場所にすることをおすすめします。

2024年3月からは、戸籍謄本を本籍地以外の市区町村の窓口でも取得できるようになりました。ただし、郵送での請求や代理人による請求、戸籍の一部事項証明書などは、引き続き本籍地の市区町村に請求する必要があります。本籍地が住所と同じ市区町村にあれば、こうした場合でも手続きがスムーズです。

一方で、転勤などで数年ごとに引越す予定がある場合は、引越しのたびに本籍地を変更すると、後述するように相続の際の戸籍集めの手間が増えます。そのような場合は、実家など変わらない場所に本籍地を置いたままにしておくのも一つの方法です。

そもそも、引越しで本籍地を変更する必要はありません。変更後は運転免許証などの手続きも必要になるため、メリットと手間を比べて判断しましょう。

本籍地を変更するメリット

ポイント

本籍地を住所と同じ市区町村にしておくと、郵送や代理人による戸籍謄本の請求、戸籍の一部事項証明書の取得などがしやすくなります。ただし、2024年3月からは本籍地以外の窓口でも戸籍謄本を取得できるようになったため、以前に比べるとメリットは小さくなっています。

以前は、戸籍謄本は本籍地の市区町村でしか取得できなかったため、本籍地が遠い場合は郵送で取り寄せる必要がありました。そのため、本籍地を住所の近くに移すことには大きなメリットがありました。

2024年3月1日からは「戸籍証明書等の広域交付」が始まり、本人や配偶者、父母・祖父母などの直系尊属、子・孫などの直系卑属であれば、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍謄本や除籍謄本を取得できるようになっています。

戸籍証明書の主な取得方法と、本籍地との関係は次のとおりです。

取得方法 本籍地が遠い場合 注意点
本籍地の市区町村の窓口 本籍地まで行く必要がある 代理人による請求も可能(委任状が必要)
広域交付(本籍地以外の市区町村の窓口) 住所地など最寄りの窓口で取得できる 本人などが窓口に行く必要がある。顔写真付きの本人確認書類が必要。郵送・代理人による請求や、一部事項証明書、コンピュータ化されていない一部の戸籍は対象外
郵送 本籍地の市区町村に郵送で請求する 定額小為替などで手数料を支払う。届くまで日数がかかる
コンビニ交付 本籍地の市区町村が対応していれば取得できる マイナンバーカードが必要。本籍地が住所と異なる場合は事前の利用登録が必要なことがある

そのため、本籍地を住所の近くにするメリットがあるのは、主に次のような場合です。

  • 家族に代理で戸籍謄本を取ってきてもらうことがある
  • 戸籍の一部事項証明書や戸籍の附票が必要になることがある
  • 平日に窓口へ行くのが難しく、郵送で請求したい

戸籍謄本は、相続の手続きや公正証書遺言の作成、パスポートの申請、年金の請求などで必要になることがあります。なお、婚姻届や離婚届などの戸籍の届出は、2024年3月から本籍地以外の市区町村に提出する場合でも、戸籍謄本の添付が原則不要になりました。パスポートも、2025年3月24日以降のオンライン申請で戸籍電子証明書を提出すれば、戸籍謄本の提出は不要です。

また、結婚を機に夫婦の新しい戸籍を作る際に、2人の思い出の場所や新居を本籍地に選ぶなど、気持ちの区切りとして変更する方もいます。

出典元:法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」

引越しで本籍地を変更する際の注意点

ポイント

本籍地を何度も変更すると、相続の際に集める戸籍の数が増えます。また、本籍地を変更したら運転免許証の記載事項変更の届出が必要で、怠ると2万円以下の罰金または科料の対象になります。本籍の都道府県が変わった場合は、パスポートの申請も必要です。

本籍地の変更はメリットだけではありません。以下で紹介する注意点は、事前に把握しておきましょう。

相続の際に集める戸籍が増える

1つ目の注意点は、相続の手続きで集める戸籍が増えることです。

転籍すると、元の本籍地の戸籍は除籍となって元の市区町村に残り、新しい本籍地で新しい戸籍が作られます。新しい戸籍には、転籍前の婚姻や子どもの出生などの記録がすべて引き継がれるわけではありません。

相続の手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍謄本や改製原戸籍を含む)が必要になります。そのため、本籍地を変更した回数が多いほど、集める戸籍の数も増えます。

2024年3月からは広域交付により、1か所の窓口でまとめて請求できるようになったため、以前に比べると負担は軽くなりました。ただし、窓口に行く必要があることや、コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は対象外であること、兄弟姉妹の戸籍は請求できないことなどの制限があります。

転勤で何度も引越すような場合は、本籍地を変更しない方がよいケースもあります。本籍地の変更を検討する場合は、メリットとデメリットを十分に比べて判断しましょう。

運転免許証の本籍変更の届出を忘れない

本籍地を変更した後は、運転免許証の記載事項変更の届出を速やかに行う必要があります。現在の運転免許証は券面に本籍が記載されていませんが、ICチップには本籍の情報が記録されているためです。

道路交通法第94条では、免許証の記載事項に変更があった場合は速やかに届け出ることが定められており、届出を怠った場合は、同法第121条により2万円以下の罰金または科料の対象となります。

届出は、住所地を管轄する警察署や運転免許センターなどで行います。一般的に、運転免許証と、新しい本籍が記載された住民票の写しが必要です。

2025年3月24日から始まったマイナ免許証(マイナンバーカードと一体化した運転免許証)のみを持っている方は、マイナポータルなどでのオンライン手続きで警察への届出が不要になる場合があります。必要書類や手続き方法は都道府県警察によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

出典元:e-Gov法令検索「道路交通法」第94条・第121条
出典元:警察庁「運転免許の更新等運転免許に関する諸手続について」

本籍の都道府県が変わったらパスポートの手続きも必要

パスポートには本籍の都道府県が記載されています。そのため、転籍によって本籍の都道府県が変わった場合は、パスポートの記載事項を変更する申請(残存有効期間同一旅券の申請)か、新しいパスポートの申請が必要です。

同じ都道府県内で本籍地を変更した場合は、パスポートの手続きは不要です。

申請には原則として戸籍謄本が必要ですが、2025年3月24日以降のオンライン申請で戸籍電子証明書を提出する場合は、戸籍謄本の提出は不要です。

出典元:沖縄県「パスポートの記載事項に変更があったとき(残存有効期間同一申請)」

本籍地の変更に関するよくある質問

引越しをしたら本籍地も変更しなければいけませんか?

変更する義務はありません。住所の変更(転入届など)は法律で義務づけられていますが、本籍地は引越しをしてもそのままで問題なく、変更しなくても罰則はありません。

本籍地が遠くても戸籍謄本は取れますか?

取れます。2024年3月1日から、本人や配偶者、直系の親族であれば、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍謄本を請求できるようになりました。ただし窓口に本人が行く必要があり、郵送や代理人による請求はできません。

転籍届に戸籍謄本は必要ですか?

2024年3月1日から、転籍届に戸籍謄本を添付する必要は原則なくなりました。必要なものは転籍届と窓口に来た人の本人確認書類で、押印は任意です。

本籍地を変更したら、運転免許証の手続きは必要ですか?

必要です。免許証の券面には本籍は記載されていませんが、ICチップに記録されているため、警察署などで記載事項変更の届出を行います。届出を怠ると、2万円以下の罰金または科料の対象になります。

まとめ

まとめ

引越しで本籍地を変更する義務はなく、2024年3月からは戸籍謄本を本籍地以外でも取得できるようになりました。変更する場合は今後長く住む場所を選び、転籍届を出した後は運転免許証の届出と、都道府県が変わる場合はパスポートの手続きを忘れずに行いましょう。

この記事では、本籍地の基本や確認・変更方法、どこに変更するべきか、変更するメリットや注意点について解説しました。

大前提として覚えておいてほしいのは、引越しで本籍地を変更しなければならない義務はないということです。

2024年3月の戸籍法改正により、戸籍謄本は本籍地以外の窓口でも取得できるようになり、本籍地が遠いことによる不便さは小さくなりました。それでも、郵送や代理人による請求を考えると、本籍地が住所と近いほうが便利な場面はあります。

また、本籍地は自由に設定できるため、結婚する際に夫婦2人の思い出の地を本籍地にするなど、思い出の場所として変更する方も少なくありません。

引越しで本籍地の変更を検討している方は、この記事を参考に、メリットや注意点、変更後に必要な手続きなどから必要性を考えてみてください。

Homeeeマガジン編集部

Homeeeマガジン編集部
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