一人暮らしを始める際に気になるのが光熱費のこと。特に電気代が高騰している昨今では毎月の支払いが重荷に感じることもあります。
一人暮らしは電気の使用量が少なくて済むと思われがちですが、無駄な電気使用をしていると意外と光熱費が高くなってしまうので注意が必要な項目です。
この記事では一人暮らしにかかる電気代の平均や、電気代の節約方法について解説します。毎月の支払いが少しでも軽くなるように、是非参考にしてみてください。
目次 -INDEX-
一人暮らしの電気代平均はいくら?
一人暮らしの電気代平均は、おおよそ月額6,000円~8,000円程度と言われています。
ただし、使用する電化製品や部屋の広さや地域、季節によっても変動します。テレビやパソコン、冷蔵庫などの暮らしにおいて欠かせない電化製品の使用頻度や、エアコンの設定温度や照明の明るさによっても電気代は大きく変わります。
また、雪が多く降る地域では冬場の暖房使用が多くなるため、光熱費が平均よりも高くなることもあります。
一人暮らしの季節ごとの電気代平均
電気代は、季節によっても大きく変動します。夏場はエアコンの使用量が増えるため電気代は高くなりますし、冬場も暖房器具によっては電気代が高くなるほか、ガスの使用量も増えるので光熱費全般が高くなる傾向があります。
季節 | 電気代平均 |
2022年1月〜3月期 | 7,749円 |
2022年4月〜6月期 | 6,333円 |
2022年7月〜9月期 | 6,418円 |
2022年10月〜12月期 | 6,557円 |
2022年の一人暮らしの季節ごとの電気代平均を見てみると、夏場は月額6,500円程度、冬場は月額7,800円程度でした。
春と秋は比較的電気使用量が少なくなる傾向がありますが、その年の気候によって変動する部分もあります。冷暖房器具の使用量を減らすために夏場はエアコンの使用を日中のみにしたり、冬場は断熱材やブランケットを活用するなどの工夫をしましょう。
電気代が特に高くなるのは「夏」と「冬」
一人暮らしの光熱費の中でも、特に高くなるのが夏と冬です。夏はエアコンの使用量が多くなるため、電気代が上がります。また、冬は暖房器具を使うため、光熱費が高くなります。
暖房器具によって消費電力が異なりますが、電気ストーブや石油ストーブは消費電力が大きく、電気代が高くなる傾向があります。
夏と冬は電化製品の使用頻度や設定温度を工夫することで、電気代を削減しましょう。例えば、夏はエアコンの設定温度を26度以下に設定し、冬は暖房器具の設定温度を20度以上に設定することが有効です。
また、夏は扇風機の使用や、冬は厚手の衣服を着るなどの方法でも光熱費の節約ができますが、身体の負担にならない程度にしましょう。
一人暮らしの地域ごとの電気代平均
同じ一人暮らしでも、住んでいる地域によっても電気代が異なることがあります。特に、冬の寒さが厳しい雪国などは暖房器具の使用頻度が高いため光熱費が高くなる傾向があります。
ガスストーブや石油ストーブを併用する場合もあるので、電気代にプラスしてガス代や石油代もかかってきます。一方、関東地方や九州地方など比較的気温が高いは、電気代が安くなる傾向があるようです。
地域 | 電気代平均 |
北海道・東北地方 | 6,900円 |
関東地方 | 6,731円 |
北陸・東海地方 | 7,109円 |
中国・四国地方 | 7,449円 |
九州・沖縄地方 | 6,927円 |
電気代請求額の内訳とは
一人暮らしをしてはじめて自分で電気代を払う方も多いのではないでしょうか。
電気代の請求額はどのような内訳になっているのか、わからない点も多いですよね。内訳を理解していれば、どこが節約できるポイントかもわかってくるはずです。
ここからは、電気代の請求額の内訳とそれぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
基本料金
一般的に、電気代の請求額は「基本料金」と「従量料金」の2つで構成されています。
基本料金は電気使用にかかわらず毎月一定の金額を支払うもので、電気料金に含まれる固定費と理解しておきましょう。
一方、従量料金は実際に使用した電気量に応じて金額が変動するもので、電気使用にかかわる変動費です。基本料金は、どこの電力会社と契約するかによって変わってくるので契約前によく吟味するようにしましょう。
電力量料金
「電力量料金」とは、実際に使用した電気量に応じて金額が変動する従量料金のことです。国が定める規制価格が適用され、各電力会社がその価格に基づいて料金を設定しています。
また、一部の電力会社では時間帯によって従量料金が異なる「時間帯別電気料金」を導入している会社もあります。この場合、ピーク時に使用すると従量料金が高くなるため、昼間に電化製品を使用したり、夜間に洗濯や料理をするなどの工夫が必要です。
燃料費調整額
「燃料費調整額」とは、発電に必要な原料である石炭や天然ガスなどの価格変動に応じて変動する料金のことです。
電力会社は、発電に必要な原料が高騰した場合に燃料費調整額を上乗せして、光熱費を補填することがあります。
燃料費調整額は、電力会社が国や地方自治体から調達する原料の価格が変動した場合に適用されます。原料の価格変動によって、電気料金が上がることがあるため、注意が必要です。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」とは、再生可能エネルギーの普及を促すために導入された料金です。
電力会社が発電する電力の一定割合を再生可能エネルギーに置き換えることが義務付けられており、そのために必要な費用を負担することで、再生可能エネルギーの普及を促すことが目的です。
この料金は、電力会社から徴収され、国が再生可能エネルギーを導入するための事業に充てられます。
電気使用量の大きい家電
- 冷蔵庫
- 照明器具
- テレビ
- エアコン
家電の中にも、特に電気使用量が多いとされる家電がいくつかあります。冷蔵庫・照明器具。テレビ。エアコンなどがその代表的な家電です。
冷蔵庫は常に稼働している家電ため、効率的に使うことが大切です。冷蔵庫に入れるものの量を調整し、ドアを開け閉めする頻度を減らすなどの工夫をしましょう。
照明器具は長時間点灯していることが多いため、LED電球に交換することで省エネ効果が期待できます。
テレビは大画面であるほど消費電力が高くなりますので、画面サイズを抑えたり、待機電力を消すなどの工夫が必要です。
エアコンは設定温度を1度下げるだけで消費電力が10%上昇するため、設定温度を見直すことが必要です。
これらの家電の使用量を減らすためには、自分がどのくらいの頻度で使用しているのかを把握し、適切な使用方法を見直すことが大切です。
一人暮らしでオール電化にした場合の電気代平均は?
一人暮らしでオール電化を採用する場合、電気代の平均は月額約11,000円と言われており、一般的なガスコンロやガス給湯器を使用する場合に比べて高くなる傾向があります。
これはオール電化によって家庭内でのエネルギー使用が電気に偏るため、電気代が高額になることが多いからです。ただし、最近の低消費電力機器や断熱材の進歩によって、オール電化でも光熱費を抑えることができるようになっています。
一人暮らしで電気代が平均より高い理由
- 消費電力の高い家電を使用している、使用頻度が高い
- 電気の契約プランがあっていない
- 漏電している
一人暮らしで電気代が平均より高い場合、消費電力の高い家電を使用していることや使用頻度が高いことが原因として挙げられます。
特にエアコン・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどは使用頻度が高く、また消費電力も大きいため、光熱費がかさむことがあります。
また、電気の契約プランがあっていない場合も、光熱費が高くなる原因の1つです。適切なプランを選ぶことで、無駄な光熱費を抑えることができます。
さらに、漏電している場合も電気代が高くなる原因となります。電気代が高く感じる場合は、自分の生活スタイルや家電の使用頻度や契約プランを見直し、必要に応じて点検を受けるなどの対策を行いましょう。
【家具家電】一人暮らしの電気代を平均より下げるコツ
電気代は、家具や家電の選び方や使い方によって節約することができます。
特に使用頻度の高い家電は、節約術を習慣づけることで大きな節約につながることもありますので、こまめに意識するようにしましょう。
ここでは6つの家具家電について、電気代削減のコツをご紹介します。
冷蔵庫編
冷蔵庫は常に稼働しているため、季節を問わず電気代がかかる家電です。電気代を抑えるポイントとしては、冷蔵庫に入れるものの量を調整し物を入れすぎないようにすることで効率よく冷却ができるようにすることです。
また、冷蔵庫のドアを開け閉めする頻度を減らすことも大切です。ドアを開けたときに冷気が逃げるため、開けたときは一度に取り出すものを決めましょう。
冷蔵庫の設定温度を調整することで、電気代の節約につながります。設定温度は5℃から7℃に設定するのが効果的ですが、最近の冷蔵庫ですと冷蔵庫内に冬季・夏季で設定温度を変更できるボタンやレバーが付いている物もあるので、ぜひご自宅の冷蔵庫を確認してみてください。
照明器具編
照明器具も長時間点灯していることが多いため、意識して節電しましょう。
まずは、電球をLED電球に交換することが大切です。LED電球は、従来の白熱電球に比べて消費電力が少なく寿命も長いため、光熱費の削減に効果的ですよ。
また、照明器具の設置場所にも注意が必要です。光が届きにくい場所に照明器具を設置すると、必要以上に電気を使ってしまいます。必要最低限の明るさで光が届くような家具の配置を心掛けましょう。
自動点灯機能がついた照明器具を導入することも効果的です。センサーで人や物の動きを感知し自動で点灯・消灯するため、電気の消し忘れ防止にもつながります。
テレビ編
テレビは、大画面であるほど消費電力が高くなります。必要以上の大画面テレビを選ぶとその分消費電力が増えるため、部屋の広さに応じた画面サイズのテレビを選ぶことが大切です。
また、テレビの待機電力を消すことも大切です。テレビ本体の電源を切っていても待機電力を消費するため、外出の際はコンセントからの電源を完全に切るようにしましょう。
テレビ以外にも家電は待機電力を使用するので、スイッチのついた電源タップでコンセントからの電源をオン・オフできるようにしておくと節電に繋がりますよ。
洗濯機編
洗濯機は、毎日のように使用する家電の1つです。
洗濯機の自動モードで洗濯をされている方も多いですが、洗濯機の設定を見直してみましょう。洗濯物の量に合わせて都度設定を行うことで、余分な電気を使わずに済みます。洗濯物を洗濯機内に投入し、ドラムに対する洗濯物の量を見て水量や洗い時間、脱水時間を設定しましょう。
また、洗濯機の使用回数を減らすことも大切です。こまめに洗濯機を稼働させるとその分電気代や水道代もかかってしまうので、できるだけ洗濯物はまとめて洗うようにしましょう。
また、洗濯物を外で干すことで乾燥機を使用しないことも効果的です。乾燥機は、電気代が高い家電の1つであるため、できるだけ自然乾燥を心掛けるようにしましょう。
調理器具編
調理器具も使用頻度が高いと光熱費を圧迫する原因になります。
コンロがIHクッキングヒーターの場合は温度調整が細かく行えるため、余分な電気を使わないようにこまめに調整しましょう。
また、調理の際に電子レンジを上手に活用することもおすすめです。電子レンジは、加熱に必要な時間が短く、電気代の節約につながります。
炊飯器や給湯器は保温機能をできるだけ使わないようにすると電気代の節約につながります。必要最低限の時間で済ませるようにしましょう。
トイレ編
つけたり消したりすることの多いトイレの照明はLED電球を使うようにしましょう。LED電球は従来の白熱電球に比べ消費電力が少なくすみます。
さらに、トイレの水量を減らすことも効果的です。トイレに流す水の量を減らすことで、水道代だけでなく光熱費の削減にもつながります。最近では、水量を調整できるトイレも販売されているため、検討してみると良いでしょう。
【その他】一人暮らしの電気代を平均より下げるコツ
一人暮らしの電気代を平均より下げるためには、いくつかのコツがあります。
特に電気代の契約は引越しの慌ただしいタイミングでしなければいけないので、事前にポイントを把握しておくが大切です。
電気会社の契約プランを見直す
電気会社によって用意されているプランが異なるため、まずは自分に最適なプランを選ぶことが大切です。
プランによっては、ピーク時に使用すると料金が高くなるものや定額制のものなど様々なものがあります。自分のライフスタイルに合わせたプランを選ぶことで、電気代を削減することができます。
各電力会社のホームページでは料金シュミレーションができるので、ぜひ活用してみましょう。
また、電気会社のキャンペーンを利用することも効果的です。時期によっては、契約金額や基本料金が割引されたり、特典が付与されることもあります。
キャンペーン情報をしっかりとチェックし、お得に契約すると良いでしょう。
電気・ガスなどライフラインの会社を1社にまとめる
一人暮らしの場合、電気やガス、水道などのライフラインの会社を1社にまとめることで、光熱費の削減につながります。
それぞれ異なる会社と契約している場合、複数の請求明細が送られてくるため管理が煩雑になります。電気・ガス・水道を1社にまとめることで基本料金が削減され、トータルでの光熱費の削減につながる場合があります。
他会社からの乗り換え割引などのキャンペーンもありますのでチェックしてみましょう。
二重窓にする・遮光カーテンを使用する
冬場は暖房器具、夏場はクーラーを使用するため、光熱費が高くなりがちです。
そこで、二重窓や遮光カーテンを使用することで断熱性を高めることができます。二重窓は、窓の内側と外側に窓を設置することで、空気層を作り断熱性を高めます。遮光カーテンは、窓からの直射日光を遮り、部屋の温度上昇を防ぎます。
断熱性だけでなく防音効果も期待できますので、お部屋選びの際にチェックするようにしましょう。
支払い方法を変更する
意外と見落としがちなポイントですが、電気代の支払い方法を変更することで料金が少し安くなるケースがあります。
例えば、口座振替に変更すると振込手数料がかかりません。また、クレジットカード払いにすることでカードのポイント還元を受けることができます。
年間契約にすることで、基本料金の割引や特典が付与されることがあります。契約更新の際には、支払い方法も含めて見直すようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?こうしてみると、家具や家電の使い方ひとつで電気代の節約につながるポイントがたくさんありますよね。
昨今は電気代の高騰で基本料金そのものが上がっていますので、どこの会社と契約するか、どのプランで契約するかははじめにしっかり見極めるようにしましょう。
月々の電気代を節約して、交際費や貯金にできる限り予算を回せるよう工夫してみてくださいね。