賃貸物件から引っ越す際は、退去の手続きを行う必要があります。
また、退去時には原状回復費用やハウスクリーニング代など、さまざまな費用が発生し、敷金の返還額は部屋の状態で変わります。
賃貸物件から退去する際の流れや費用相場を事前に把握しておけば、退去時の手間を解消し、トラブルや損を防ぐことが可能です。
この記事では、賃貸物件から退去する際の流れや費用相場を詳しく紹介します。
目次 -INDEX-
賃貸物件から退去する際の流れを7つのステップで紹介
賃貸物件から退去する際の流れは以下の通りです。
- 賃貸借契約書の確認
- 退去通知
- 退去に伴う手続きを進める
- 近所への挨拶・掃除・荷造り
- 引越し
- 立ち合い
- 敷金の清算
ここでは、それぞれの流れを詳しく紹介していきます。
ステップ1:賃貸借契約書の確認
はじめに、賃貸借契約書を確認します。
契約書には、退去・解約に関する事項が必ず記載されています。いつまでに誰に連絡すべきか記載されているため、必要な手続き内容を必ず確認しておきましょう。
一般的には、解約日の1ヶ月前までに大家さんや管理会社へ書面、または電話で通知する場合が多いです。
また、解約予告期間だけではなく、違約金や更新料の返還、原状回復費用の取り決めや特約なども記載されているため、合わせて確認しておくようにしてください。
ステップ2:退去通知
大家さんや管理会社へ退去する意思と解約日を伝えます。
仮に新居や引越し日が決まっていなくても、退去すると決めた段階で連絡しておくことをおすすめします。
解約予告期間は事前に定められているため、新居が決まり次第連絡しようと考えていると、忘れていて期間が過ぎてしまうことも考えられます。
とはいえ、必ず立ち合い日は調整する必要があるため、引越し日が決まり次第すぐに連絡するということを忘れてはいけません。
ステップ3:退去に伴う手続きを進める
各所へ連絡して退去に伴う手続きを進めていきます。退去の立ち合い前までに済ませておく必要があるため、リストを作成して一つずつ確実に進めていくことをおすすめします。
- 電気/ガス/水道
- インターネット
- 郵便物の転送届
- 住民票の転出届
電気・ガス・水道などのライフライン関係の手続きは、新生活を送るうえで欠かせない申請になるため、遅くても退去する1週間前までには連絡しておきましょう。
近年ではオンライン上で手続きを行うこともできますが、開通には立ち合いが必要になる場合もあります。余裕を持った日程調整を心がけてください。
また、退去時に元の家に郵便物が送られるのを避けるため、新居へ転送してもらうために転送届を提出しておく必要もあります。
新居がある役所へ転入届を出す際には転出届が必要になるため、印鑑と身分証明書を持参して事前に入手しておくと後が楽です。
ステップ4:掃除・荷造り
引越し当日までに、掃除と荷造りを進めておきましょう。
業者の方が荷造りまで担当してくれるプランもありますが、割高になるため、時間に余裕がある方は少しずつでも進めておくと楽です。
退去後は必ずクリーニングが入りますが、その前に立ち合いが入るため、今までお世話になってきた部屋に感謝を伝えるという意味でも必ず掃除はしておきましょう。
とはいえ、隅々まで徹底的に掃除をする必要はありません。常識の範囲内できれいに掃除しておけば、立ち合い時に大家さんからの心象もよくなります。
ステップ5:引越し
余裕のあるスケジュールで引越し当日を迎えるようにしましょう。
自分で行う場合もありますが、荷物が多い時は業者に依頼する方が安全です。引越しが完了して荷物を外に出した後は、最終的な掃除と忘れ物のチェックを必ず行ってください。
当日は荷物の運び出しなどで騒がしくなるため、事前に近所の方へ挨拶を済ませておくことをおすすめします。
ステップ6:立ち合い
退去後の立ち合いでは、借主と貸主が共に部屋の傷や汚れを確認します。
物件の広さによりますが、立ち合い時間は大体10~30分程度。部屋の傷や汚れの負担責任がどちらにあるのかは、この時にはっきりとさせていきます。
具体的には、借主の故意または過失で付いた傷や汚れは借主負担となり、入居時からある傷や経年劣化による汚れなどは貸主負担となります。
傷や汚れの確認だけを済ませた後、後日見積書が送られてくるというのが一般的です。立ち合い後は、鍵を貸主へ返して終了です。
ステップ7:敷金の清算
賃貸物件の退去時は、敷金から原状回復費用を差し引いた金額が返還されます。しかし、敷金よりも高い場合は追加請求が発生することもあります。
退去後に見積書が送られてくるため、内容に問題がなければ返送した後、残額の敷金が指定口座に振り込まれるという流れです。
不足分を請求された際は、内容に問題がなければ指定口座へと振り込む必要があります。敷金の清算をもって、退去の手続きは終了です。
退去費用の相場
退去費用とは、賃貸物件を元通りの状態に戻すための修繕費を指します。
借主は退去する際、今まで借りていた物件の原状回復義務を負っているため、基本的には部屋を元の状態に戻さなければいけません。
原状回復費用に含まれる主な項目は以下の通りです。
- 壁紙やクロスの張り替え
- ドアや窓枠の補修
- キッチンや浴室などの水回り設備の清掃
入居者の故意、または明らかな過失による傷や汚れは、原状回復費用の対象となります。
例えば、タバコのヤニによる壁紙の汚れ、ペットが付けたドアの傷、子どもが書いた床の落書きなどは、過失と判断される可能性が高いため退去費用として請求されます。
部屋の広さや修繕内容により大きく変わりますが、一般的には5万〜10万程度が退去費用の相場であるとされています。
賃貸借契約でハウスクリーニングの代金が含まれている場合もありますが、明らかに退去費用が高い場合に関しては、第三者への相談も視野にいれるようにしましょう。
見落としがちな退去時の注意点
最後に、見落としてしまいがちな退去時の注意点を紹介します。
ゴミの処理方法
意外に忘れてしまうのがゴミを処理する方法です。
退去日や前日に都合よくゴミを出す日が被っていれば問題ありませんが、収集日以外の場合はゴミを残したまま引越しをしなければいけなくなります。
また、引越し前日や当日ギリギリまで荷造りをする場合、新たにゴミが出てくることもあるでしょう。
収集日を過ぎていてゴミを出せない場合は、新居まで運ぶか、回収業者へ依頼するなどの対策がおすすめです。
貸与物の返却
鍵やリモコンなど、細かい貸与物の返却も忘れないようにしてください。鍵は入居時に渡されたものだけではなく、入居後に自身で作った合鍵も含まれます。
貸与物の返却を忘れると後で返却しなければいけなくなるため、必ず忘れないように立ち合いの際に事前に一カ所にまとめて置いておきましょう。
まとめ
賃貸物件から退去する際の流れ、費用相場、注意点を紹介していきました。
新居への引越しは物件探しから始まり、審査、契約とさまざまな手続きが必要です。しかし、入居時と同様に退去時も少なくない手間がかかります。
解約予告期間は通常1ヶ月前までに設定されているため、新居が決まっていない段階でも、退去が確定した段階で通知するようにしましょう。
退去に伴う手続きや荷造りは並行して行い、引越しや立ち合い日は前もって決めておくと、余裕を持ったスケジュールで退去を進めることが可能です。
賃貸物件からの退去を考えている方、事前に流れを把握しておきたいと考えている方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。