人生において、引っ越しをする経験は数えるほどである人が多いでしょう。
そのため、何を用意すればいいのか、どんなことに注意して契約するべきなのかをあまり知らない人もいます。
引っ越しにおいて経験がものをいうことは少ないため、しっかりと事前に知識を頭に入れ、慎重に準備することが円滑な賃貸契約への近道となります。
この記事では、賃貸契約において必要なものや書類、注意事項を紹介します。
目次 -INDEX-
契約に必要なもの
賃貸契約では身分証明や収入証明など様々な証明書類が必要です。直前に焦って準備することのないよう、前もって準備しておきましょう。
1.住民票・印鑑証明
住民票は、『住民票の写し』を持参してください。住民票は原本が存在し、写しをもらうには近くの市町村役場で発行する必要があります。
単身入居の場合は、氏名や現住所など、一部の情報だけ記載されている「一部事項証明」を発行します。
家族入居の場合は、全員分の氏名や現住所、家族構成などが記載されている「全部事項証明」を発行します。
これは、不動産会社が管理する個人情報を最小限にするためです。このことから、マイナンバーなどの情報が記載されている書類は受け取ってもらえない場合があるため、住民票のマイナンバー記載はせずに発行しましょう。
印鑑証明は、市町村役場に届け出ている印鑑と一緒に持参しましょう。印鑑を登録していない人は、シャチハタ以外の印鑑ならすぐに登録が可能となるため、市町村役場にて印鑑登録をしてから印鑑証明と印鑑を持参します。
2.身分を証明する書類
身分証明には、1点だけで良いもの(公的身分証明書)と、2点必要なものがあります。
公的身分証明書は、官公庁が発行している証明書で、以下のようなものがあります。
- 運転免許
- 国民健康保険証
- パスポート
- 在留カード
- マイナンバーカード
- 障害者手帳
2つ組み合わせる必要がある身分証明書は、以下の通りです。
- 学生証・生徒手帳
- 会社等の身分証明書
- 国民年金手帳
- 印鑑登録証明書と印鑑
- 厚生年金保険年金手帳
3.連帯保証人関連書類
賃貸契約を結ぶ際は、連帯保証人が必要になる物件もあります。連帯保証人とは、借りた人と同じような支払い義務が発生し、万一の際はどんな請求も拒否することはできません。
連帯保証人は、原則的に親族が望ましいとされている場合が多いです。親族以外の友人などでも認められる場合がありますが、支払い能力がないと親族の方が望ましいと判断されることが多いです。
必要書類は以下の通りです。
1.印鑑証明原本
これは、不正に契約が結ばれないようにするための書類です。持っている実印と印鑑証明書をセットで用意しておくことで、効力が発揮されます。
2.身分証明書のコピー
先に述べたように、連帯保証人にも身分証明証が必要になります。有効な身分証明書を、必要分だけ用意しましょう。
3.収入証明書のコピー
これは、連帯保証人の審査の際に必要になる書類です。申請書に記載されている年収と相違がないかを証明する必要があります。
会社員であれば「源泉徴収書」、自営業の場合は「確定申告書」「課税証明書」などの官公庁が発行する公的書類が必要です。
4.年金振込通知書のコピー
これは、連帯保証人が年金受給者である場合に必要になる書類です。年金を受け取っていることを証明するためです。
5.住民票のコピー
連帯保証人にも、住民票の提出を求められることがあります。先に述べた、借主本人の住民票に関する注意事項と同様に用意しましょう。
4.銀行口座印・通帳
家賃の支払いを口座振替にする場合はこれらが必要です。銀行口座印とは、口座開設をした際に持って行った印鑑のことです。
印鑑を使用しないネット銀行を利用している場合は、不動産業者に確認を取ることをお勧めします。
5.お金
諸費用をその場で支払う場合に必要となります。これらも不動産業者によって異なるので、注意が必要です。
例として以下の6つが挙げられますので、理解しておきましょう
1.敷金
入居者が部屋を傷つけたりした際の修繕費用の担保となるお金で、退去時に修繕費用を差し引いた額が返金されます。
2.礼金
貸主が部屋を貸してくれたことに対するお礼として支払うお金で、相場は家賃の1〜2ヶ月分です。
3.仲介手数料
不動産会社が大家さんと借主を仲介したことに対する報酬金です。
4.前家賃
入居した月とその翌月の家賃で、賃料が発生する日から日割り計算をし、翌月の家賃と一緒に払います。
5.保証料
保証会社を利用するためのお金です。保証会社とは、家賃を滞納して支払いができなくなったときなどに、代わりに家賃を支払ってくれる会社です。この場合は、連帯保証人は必要ありません。
6.保険料
損害保険などに加入するときに保険会社に対して支払うお金で、主に火災保険に加入します。
契約時の注意事項
賃貸契約は、契約者の職業によって注意が必要な場合があります。最悪の場合、審査に通らない事もあるので、事前に確認しておくことをお勧めします。
1.学生の場合の注意事項
学生の方は、「学生なのに入居審査に通るの?」
「入居審査は学生だと厳しいの?」と、不安なこともたくさんあるかもしれません。
まず、学生が家を借りる場合は保護者が連帯保証人になるケースや代理契約をするケースが多いです。そのため、学生自身に十分な収入がなくても、保護者に支払い能力があれば家を借りることはできます。
しかし、学生本人が契約者になる場合は、本人の印鑑証明など、必要になる種類が増えて面倒になる場合もあるため、一般的には保護者による代理契約が多くなります。
審査に通らない例として
- 保護者の収入に見合わない家賃である
- 保護者の信用情報に問題がある
- 学生自身の態度がよくない
の3つが挙げられます。
基本的に入居審査の際、月収の1/3の物件であれば審査は通りますが、保護者がそれに見合わない物件を代理契約する場合、審査で落とされる場合があります。
また、保護者にクレジットカードの滞納履歴や自己破産歴、様々な支払いの滞納歴があり、保護者に対する支払い信用情報が問題ありと判断された場合、審査で落とされる場合があります。
これは、十分な収入が確保されていた場合でも、同様ですので注意が必要です。
学生本人の態度が悪い場合も同様に審査に落とされてしまう場合があります。これは、入居後に近隣住民とトラブルになることを危惧されている場合が多いです。
店舗に行く際は、身だしなみを整えて丁寧な応対を心がけましょう。
2.会社員の場合の注意事項
契約者本人が会社員である場合は、会社によって様々な規定が存在する場合が多いので注意が必要です。
例として
- 家賃上限が設定されている
- 間取りや面積規定がある
- 築年数や構造、階数に規定がある
- 貸主が法人でなければならないと規定されている
- 定期借家契約でない物件である必要があると規定されている
などが挙げられます。
会社の規定によって、セキュリティ面や安全性を確保する必要があったり、貸主の信用性を確保したりするという会社の狙いがある場合が多いです。必ず従うようにしましょう。
3.自営業をしている場合の注意事項
まず、個人事業主が賃貸契約をする際は、住居用か事業用かを明確にしておく必要があります。
仕事場として部屋を借りる場合は、防犯上の理由で必ず事業用でなければならないので注意が必要です。逆の場合も同様です。
個人事業主は審査に通りづらいというイメージを持つ人が多いかもしれませんが、十分な収入があれば問題ありません。
しかし、個人事業主になってからの期間や、取引先の企業なども審査の評価につながる場合が多いので、審査時にそれらを伝えると良い評価を受けられる可能性があります。
まとめ
この記事では、賃貸契約をする際に必要なものをまとめました。
賃貸契約では、様々な書類の準備が必要となってきますので、ミスのない円滑な契約ができるように事前に把握し、用意しておくことをおすすめします。
賃貸契約が成立しても、その先には引っ越しというさらに忙しい期間がやってきますので、気を緩めず、慎重に予定を立てて全てを完了させましょう。