一人暮らしを始める際に気になるポイントの一つが初期費用。月々の家賃や生活費の他に、引越しのタイミングでまとまった費用が必要になります。引越しの時期や家賃、家具の有無などによっても変わってきますが、約50万円が一つの目安になってきます。
一人暮らしをはじめる場合、実際にはどのような項目に費用がかかってくるのか、その相場感と節約方法についてご紹介していきます。一人暮らしや引っ越しを考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次 -INDEX-
一人暮らしの初期費用は50万円必要?
- 賃貸物件を契約する際、不動産会社に支払う初期費用
- 引越し費用
- 家具や家電を揃える費用
一人暮らしの初期費用に50万円ほどの額が本当に必要なのでしょうか?一人暮らしの初期費用には主に上記3つの項目があげられます。どのような物件を選ぶか、どのような時期に引っ越すか、どのぐらい新しい家具が必要か、などでかかる金額は変わってきますが、油断すると簡単に50万円は超えてしまいます。
できるだけ初期費用を抑えるためには、初期費用としてかかる項目を事前に把握し、節約できるポイントを知っておくことが大切です。
【一人暮らしの初期費用】賃貸物件を契約する際、不動産会社に支払う費用
まず、賃貸物件を契約する際に不動産屋に支払う費用を項目ごとにみていきましょう。初めて自分で賃貸契約をする際、家賃だけを見ていると初期費用としてかかる項目の量に驚くかもしれません。
敷金礼金、仲介手数料、前家賃、などは家賃の●ヶ月分、という単位で費用がかかってきますので、必ず契約前に念頭に置いておくようにしましょう。
- 敷金や礼金
- 仲介手数料
- 前家賃
- 管理費や共益費
- 鍵交換代
- クリーニング代
- 火災保険料 など
※なお、上記の初期費用は不動産会社や物件によって不要であったり、支払うタイミングが異なる可能性があります。
不動産会社に支払う初期費用①敷金や礼金
敷金や礼金は、物件を借りる際に必要となる費用です。敷金は、物件によって異なりますが、一般的に家賃の1〜2ヶ月分程度が必要となります。
また、礼金は、不動産会社やオーナーに対するお礼として支払われるもので、家賃の1〜2ヶ月分程度が相場です。敷金と礼金は、退去時に返金される場合がありますが、修繕費用や清掃費用等が差し引かれることがあります。
不動産会社に支払う初期費用②仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に支払う手数料のことで、物件の家賃の1〜2ヶ月分程度が相場です。仲介手数料は、物件を紹介してくれた不動産会社に支払うもので、物件を探す際に必要不可欠な費用となります。
また、一部の物件では仲介手数料が無料となる場合もありますが、その場合でも、別途管理費や敷金・礼金等の初期費用が必要となることがあります。
不動産会社に支払う初期費用③前家賃
前家賃は、入居する前に支払う家賃のことで、一般的には契約時に支払われます。前家賃は、入居日によって支払う額が異なることがあります。
例えば、入居日が1日〜15日の場合は半月分、16日〜月末までの場合は1ヶ月分の前家賃が必要となります。前家賃は、敷金や礼金と同様に退去時に返金されることはありません。
不動産会社に支払う初期費用④管理費や共益費
管理費や共益費は、物件を管理するために必要な費用です。管理費は、管理会社に支払う費用で、共益費は、共有部分の清掃費用や設備の修繕費用等を賄う費用です。
金額は、数千円〜数万円と物件の広さや共用設備の充実度などによっても異なります。物件によって、管理費や共益費が家賃に含まれる場合もあれば、別途支払う必要がある場合もあります。
不動産会社に支払う初期費用⑤鍵交換代
鍵交換代は、入居する前に不動産会社に支払う費用の一つで、前に入居していた方とのトラブルを防ぐためにも、物件の鍵を交換する際に必要です。鍵交換代は、物件によって異なりますが、数千円〜数万円程度が相場です。
また、退去時には、鍵の返却が必要となる場合があります。その際に、鍵を紛失していた場合は、鍵交換代が請求されることがあります。
不動産会社に支払う初期費用⑥クリーニング代
クリーニング代は、入居する前に不動産会社に支払う費用の一つで、物件を清掃するために必要です。クリーニング代は、物件の広さや汚れ具合によって異なりますが、数万円程度が相場です。
物件の状態によっては、退去時に再度クリーニングをする必要がある場合があります。その際には、別途クリーニング代が請求されることがあります。
不動産会社に支払う初期費用⑦火災保険料など
火災保険料は、物件を借りる際に必要となる保険料です。万が一、火災や自然災害などで物件が被害を受けた場合に、修繕費用や賠償金を補償するためのものです。火災保険料は、物件の広さや保険の内容によって異なりますが、数千円〜数万円程度が相場です。
また、物件によっては地震保険料も必要となる場合があります。これらの保険料は、不動産会社に支払う初期費用の一部として計上されます。保険料は、毎年支払う必要があるため、家計の負担になることがありますが、災害に備える上で必要な費用と言えます。
【一人暮らしの初期費用】引越し費用
荷物が多い場合 | 荷物が少ない場合 | |
---|---|---|
〜15km未満(同市区町村での引越し程度) | 4.3万円 | 3.5万円 |
〜50km未満(同都道府県内の引越し程度) | 4.9万円 | 4万円 |
〜200km未満(同一地方の引越し程度) | 7万円 | 5.4万円 |
〜500km未満(近隣地方への引越し程度) | 11万円 | 9万円 |
500km以上(遠距離地方への引越し程度) | 16.2万円 | 11.4万円 |
最も引越しが多い4月の相場をみてみましょう。3月4月は引越し業者も混雑するので、全体的に金額が高くなります。引越しの費用は荷物の量と距離によって変わってきます。
特に、トラックの台数が金額に大きく影響しますので、自転車や植物など何か大きいものを減らすと一気に安くなる場合もあります。引越し業者と相談しながらプランを立てるようにしましょう。
【一人暮らしの初期費用】家具や家電を揃える費用
項目 | 費用(目安) |
---|---|
冷蔵庫 | 20,000円〜30,000円 |
炊飯器 | 10,000円 |
電子レンジ | 10,000円 |
洗濯機 | 20,000円〜40,000円 |
掃除機 | 10,000円 |
テレビ | 20,000円〜30,000円 |
寝具 | 20,000円〜40,000円 |
椅子・テーブル | 10,000円〜20,000円 |
エアコン | 40,000円〜50,000円 |
照明 | 5,000円 |
収納 | 5,000円〜10,000円 |
合計 | 170,000円〜255,000円 |
一人暮らしで実際に必要な家具を全て揃えると、上記のような金額がかかります。あくまでも目安になるため、こだわりの商品を購入するとなるとさらに金額は跳ね上がるでしょう。
また、全て新品で買おうとすると、かなりの額になりますよね。友人から譲り受けたり、フリマアプリを活用して中古品を揃えるなど、バランスをとりながら揃えることをお勧めします。一度に全て買うのではなく、生活に支障がないものは数ヶ月かけて少しずつ揃えていくのも一つの選択肢です。
【番外編】あれば安心!当面の生活費
一人暮らしにかかる初期費用をご紹介してきましたが、実際はそれらに加えて当面の生活費があった方が当然安心です。特に、一人暮らしを始めて最初の数ヶ月は予期せぬ出費がつきものです。
初期費用で貯金を全て使い果たしてしまって、来月からの生活が不安、といったことにならないよう、数ヶ月分の生活費は確保した上で、どのぐらい初期費用に充てられるかを計画するようにしましょう。
一人暮らしにかかる初期費用シミュレーション
家賃5万円 | 家賃6万円 | 家賃7万円 | 家賃8万円 | |
不動産屋に 支払う費用 |
20万円〜30万円 | 24万円〜36万円 | 28万円〜42万円 | 32万円〜48万円 |
引越し費用 | 4万円〜5万円 | 4万円〜5万円 | 5万円〜7万円 | 5万円〜7万円 |
家具家電の 購入費用 |
15万円〜25万円 | 15万円〜25万円 | 20万円〜30万円 | 20万円〜30万円 |
合計 | 39万円〜60万円 | 43万円〜66万円 | 53万円〜79万円 | 57万円〜85万円 |
一人暮らしにかかる初期費用全体を見てみましょう。不動産屋に支払う費用は、合計すると家賃の4〜6倍ヶ月分がかかると言われています。家賃が高くなるとその分部屋が広く、荷物が多くなったり必要な家具家電が多くなることも考えられます。
初期費用を50万円程度に抑えるためには、家賃は5、6万円の物件を選ぶことがお勧めです。
一人暮らしの初期費用を50万円以内に抑える7つのポイント
ポイント①家賃を極力おさえる
一人暮らしをする上で最も大きな支出の一つである家賃を抑えることが大切です。家賃を抑えるためには、物件を都心や駅から離れた場所に探す、間取りを小さくする、築年数の古い物件を選ぶなどの方法があります。
また、入居前に物件の価格交渉をすることもできます。一人暮らしをする場合は、必要な広さや設備を考慮して、家賃を極力おさえるようにしましょう。
ポイント②敷金・礼金が0円の物件を選ぶ
敷金・礼金が0円の物件を選ぶことで、初期費用を大幅に抑えることができます。敷金・礼金が0円の物件は不動産会社やオーナーによって異なりますが、物件を探す際には条件に加えて検討してみると良いでしょう。
一方で敷金・礼金が0円の物件は、家賃が高い場合や、更新料や契約期間が長いなどの条件がつく場合もあるので、注意が必要です。物件探しの際には、敷金・礼金だけでなく、家賃や物件の条件などを総合的に考慮して、選択することが大切です。
ポイント③フリーレント付きの物件を選ぶ
フリーレントとは、家賃の一部または全額が初回のみ無料になるサービスのことです。フリーレントがついた物件を選ぶことで、初期費用を抑えることができます。
フリーレントは、物件を借りる際の条件の一つとして提示されることが多く、特に新築物件やリノベーション物件などで多く見られます。フリーレントがついている物件は、家賃が高めの場合があるため、家賃とフリーレントの合計金額を確認することが大切です。
ポイント④賃貸物件契約時にクレジットカード支払い可能な物件を選ぶ
賃貸物件契約時にクレジットカード支払い可能な物件を選ぶことで、初期費用をクレジットカードで支払うことができます。クレジットカードで支払うことで、ポイント還元や分割払いなどのメリットがあったり、現金や銀行振込の手続きが不要になるため、手続きの煩雑さを軽減することができます。
クレジットカードで支払える物件は限られているため、事前に不動産会社やオーナーに確認するようにしましょう。また、クレジットカード払いによって手数料がかかる場合もあるため、支払い方法によっては初期費用が高くなる場合があることにも注意が必要です。
ポイント⑤引越し前に断捨離する
引っ越し業者に支払う金額は、荷物の量が多いほど高くなります。引越し前に不要なものを処分することで、引越しの荷物を減らし、引越し代金を節約することができます。
また、不用品を売ることで、初期費用の一部に充てることもできます。荷物が少なければ、その分選べる物件の幅も広がりますし、荷物で部屋を圧迫することも無くなります。荷物の梱包をするついでに、思い切って断捨離するのがおすすめです。
ポイント⑥引越し代金を節約する
引越し代金は、一人暮らしを始める上で避けて通れない費用の一つです。引越し代金を抑えるためには、荷物を減らすことや、引越し業者の見積もりを複数取ることが有効です。
また、引越しの時期や曜日によっても、料金が異なる場合があります。新生活が始まるタイミングは引っ越しをする人が多いので相場が高くなりやすいため、少し時期をずらすことをお勧めします。
ポイント⑦家具家電を節約する
家具や家電は、一人暮らしを始める上で必要なものですが、高額なものも多いです。家具や家電を節約するためには、フリマアプリやリサイクルショップでの購入、友人から譲り受ける、自分で手作りするなどの方法があります。
また、必要最低限の家具や家電だけを購入し、後から必要に応じて揃えるという方法もあります。家具や家電を節約することで、余計な初期費用をできるだけ抑えましょう。
一人暮らしの初期費用は実際にいくらかかりましたか?
20万円かかった人
都心であれば100くらいあった方がいいと思います!私は一人暮らしでですが、1番節約した引越しで引っ越し屋さんの料金も含めトータル20万円で済ませたことがあります!引っ越し屋さん……今高いらしいので……余裕あるに越したことはないですね
引用元:Twitterの口コミ
エリアや時期によりますが、節約をして20万円で引っ越しをした方もいるようです。都内での引っ越しは20万円ではなかなか難しいかもしれませんね。工夫次第で抑えられる費用はあるはずなので、SNSなどで節約術を検索してみても良いかもしれません。
30万円かかった人
一人暮らしの引越しにかかった費用計算したら30万円だったのだ…! 大きい買い物は冷蔵庫、洗濯機、オーブンレンジ、カーテン、お布団くらいなのだ!
引用元:Twitterの口コミ
30万円で引っ越しをした方は、大きい買い物をできるだけ抑えて節約したようです。例えば洗濯はコインランドリーで済ますようにするなど、家具や家電はライフスタイルに合わせて減らせるものもあるはず。必ずしも全ての初めから家電を揃えようとせず、必要最低限のものに絞るようにしましょう。
40万円かかった人
今年の収入-支出はプラス2万円。引越しで40万円使って、そのうえで一人暮らしでガツンと生活費が増えたことを考えるとトントンなら頑張ったと取ろう。来年は穏やかに生活しよ
引用元:Twitterの口コミ
40万円で引っ越しをした方は、一時的にまとまった支出があったことに加え、一人暮らしになって生活費も増え、その年のやりくりは工夫が必要だったようです。初期費用だけでなく、その後の生活費も考えた上でバランスを取る必要がありそうですね。
50万円かかった人
電卓はじいてみると今回の引越しで総費用(新居契約関係費、引越し業者報酬、梱包材類、不足分購入の家具、旧居の修繕費etc。)で50万円弱か・・・やっぱり一人暮らしでもそのくらいかかるものなのね・・・
引用元:Twitterの口コミ
一人暮らしでも、梱包資材などの細々とした費用を積み重ねていくと簡単に50万円かかってしまいます。引っ越し前にできるだけ必要な費用を洗い出し、計算してみると何にどのぐらいの費用が使えるか、予算配分を計画することができます。
まとめ
いかがでしたか?一人暮らしを始める際は、家賃や食費など月々の費用に目が行きがちですが、無視できないのが初期費用。ご自身のお財布事情と合わせてどのぐらい初期費用にかけられるかをまずは計算してみましょう。
ご紹介してきたように節約できるポイントはたくさんあります。一人暮らしをはじめた後に、生活費に余裕を持って蓄えておくためにも、初期費用については削れる部分はできるだけ削って理想の一人暮らしを実現させてくださいね。