収入の減少や物価の上昇などで、生活費を見直したいと考えている方も多いと思います。
しかし、そもそも毎月の生活費はいくらくらいが適切なのか分からないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
家計の見直しを図るためには、どの項目にどれだけお金を使っているかを把握していることが大切です。
子どもの教育費やマイホーム資金、老後などのために貯蓄をしたいと思っていても、現状の支出をきちんと把握していなければ、毎月のやりくりに苦労することもあります。
この記事では、生活費の世帯人数別の平均と生活費を抑えるコツを項目別に紹介します。
平均的な生活費を知りたい方や、生活費を今よりも抑えたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
生活費の世帯人数別の平均は?
生活費の平均といっても、一人暮らしなのか、同棲や夫婦での二人暮らしなのか、子どもとの3人暮らしなのかなど、同居する人数によって金額が異なります。
そのため、適切な生活費を知るためには、世帯人数に応じた平均金額を知っておかなければいけません。ここでは、世帯人数別の生活費の平均を紹介します。
一人暮らし
総務省統計局が公表した『家計調査2022年度(表番号1)』によると、単身世帯の1ヶ月の平均生活費は161,753円となっています。
以下はその内訳を表にまとめたものです。
住居費 | 23,300円 |
食費 | 39,069円 |
水道光熱費 | 13,098円 |
交通・通信費 | 19,303円 |
被服費 | 5,047円 |
保険医療費 | 7,384円 |
家具・家事用品 | 5,487円 |
娯楽交際費 | 17,993円 |
その他 | 31,071円 |
生活費合計 | 161,753円 |
住居費が非常に安くなっていますが、単身世帯には学生も多く、学生寮やシェアハウス、親や親族などからの貸し出しなども含まれるためです。
一般的な賃貸物件で一人暮らしをするのであれば、家賃は50,000円ほど、都心付近に住む場合はプラス10,000〜20,000円ほど多くかかると思っておくとよいでしょう。
また、食費なども地域による差が大きく、関東近郊が最も高くなります。特に東京や神奈川で暮らす場合は、生活費は平均より多く見積もっておくことをおすすめします。
二人暮らし
総務省統計局が公表した『家計調査2022年度 世帯人数別(表3-1)』によると、同棲や夫婦などの二人暮らしにかかる1ヶ月の平均生活費は255,318円です。
以下はその内訳を表にまとめたものです。
住居費 | 19,294円 |
食費 | 67,573円 |
水道光熱費 | 22,037円 |
交通・通信費 | 34,348円 |
被服費 | 6,820円 |
保険医療費 | 14,895円 |
家具・家事用品 | 10,840円 |
娯楽交際費 | 23,118円 |
教育費 | 413円 |
その他 | 55,981円 |
生活費合計 | 255,318円 |
家賃については、持ち家や親族からの貸し出しを含むため、非常に安くなっています。
賃貸物件の場合は、東京都内だと1DKで約94,000円、1LDKだと約159,000円程度が必要です。大阪市内でも1DKで約61,000円、1LDKだと約86,000円程度がかかるため、場合によっては生活費が毎月300,000円を上回る可能性もあります。
とはいえ、家賃を除く生活費は二人暮らしの方が一人暮らしよりも抑えられるのも事実です。大都市に住む場合は、毎月の固定費である家賃の額がカギとなるでしょう。
三人家族
総務省統計局が公表した『家計調査2022年度 世帯人数別(表3-1)』によると、三人家族の1ヶ月の平均生活費は304,339円です。
以下はその内訳を表にまとめたものです。
住居費 | 20,040円 |
食費 | 80,554円 |
水道光熱費 | 25,657円 |
交通・通信費 | 44,465円 |
被服費 | 9,343円 |
保険医療費 | 15,099円 |
家具・家事用品 | 12,837円 |
娯楽交際費 | 26,428円 |
教育費 | 10,750円 |
その他 | 59,167円 |
生活費合計 | 304,339円 |
二人暮らしの場合と同様、家賃については持ち家や親族からの貸し出しなども含むため、一般的な賃貸物件の家賃よりも安くなっています。
最近では電気代や食材費が高騰していることもあり、以前よりも生活費がかさむことを実感している方も多いのではないでしょうか。
これまでは貯蓄できていたのに最近になってできなくなったという方は、電気代や食材費の高騰によって増えた生活費を、どうやりくりするかがポイントとなるでしょう。
四人家族
総務省統計局が公表した『家計調査2022年度 世帯人数別(表3-1)』によると、四人家族の1ヶ月の平均生活費は330,355円です。
以下はその内訳を表にまとめたものです。
住居費 | 17,249円 |
食費 | 88,102円 |
水道光熱費 | 26,577円 |
交通・通信費 | 48,887円 |
被服費 | 12,651円 |
保険医療費 | 14,102円 |
家具・家事用品 | 13,892円 |
娯楽交際費 | 32,130円 |
教育費 | 28,165円 |
その他 | 48,601円 |
生活費合計 | 330,355円 |
四人暮らしでは、三人家族と比べて教育費の割合が増えています。
また、子どもが大きくなってくると食材費や光熱費の割合も多くなることから、値上げの影響も受けやすくなります。
二人暮らしから四人暮らしまでの1ヶ月の平均生活費を比べてみると、世帯人数が1人増えると、大体3〜5万円ほど高くなることが分かります。
主に食費や教育費、被服費、娯楽交際費の金額が増加する傾向にあります。
項目別!生活費を抑えるコツ
根本から生活費を抑えるためには、毎月の固定費も含めて全体的な見直しをしていくことが重要です。
ここでは、生活費を抑えるコツを項目別に紹介していきます。
住居費
住居費は、生活にかかるお金の中でもかなりのウエイトを占める部分です。特に賃貸物件に住んでいる場合は、毎月の家賃が大きな負担となります。
家賃を10,000円下がるだけでも、その分を他の項目や貯蓄にまわせます。
引越し費用や敷金礼金などが発生するため、初期費用を捻出する必要はありますが、毎月高い家賃を払い続けることを考えると、引越した方がトータルで生活費を抑えられる場合もあるでしょう。
水道光熱費
近年、電気とガスの自由化によってさまざまな企業の中から好きなところを選んで契約できるようになっています。
会社によってはポイントを貯められたり、スマホなどとのセット割を行っていたりするため、光熱費が高すぎると悩んでいる場合は、一度電力会社やガス会社について徹底的に調べてみることをおすすめします。
水道代については、水の出しっぱなしをやめたり、食器をまとめて洗ったりなど、節水を心がけるようにしましょう。
食費
食べ盛りの子どもがいる家庭では、なかなか節約しにくい部分ですが、やり方によっては質を落とさずに食費を抑えることができます。
例えば、予算を決めて週に1度程度スーパーへ行ってまとめ買いをしたり、見切り品や値引き商品を活用したり、野菜の皮も利用したりなどして賢く節約しましょう。
なお、一人暮らしや二人暮らしの場合は、外食を減らして自炊するのがおすすめです。お肉や野菜などを使いきれないときは、冷凍しておくと無駄がなくなります。
交通・通信費
交通・通信費は、生活費の中で意外とウエイトが大きい項目です。
公共交通機関や車を使わず自転車や徒歩での移動を心がけたり、大手キャリアから格安SIMに乗り換えたりすることで、毎月10,000円程度は節約できる可能性があります。
保険
保険に加入してから一度も見直したことがない方は、プランを再検討することをおすすめします。
また、複数の保険に加入している場合は保障内容が重複している可能性もあるため、一度確認してみるとよいでしょう。
子どもの成長や働き方の変化など、ライフステージに合わせて保障額を減らしたり特約を解約したりすると、無駄な支出を減らせます。
まとめ
一般的な生活費の平均は一人暮らしが161,753円、二人暮らしが255,318円、三人家族が304,339円、四人家族が330,355円となっており、同居する人数が多いほど1人当たりの生活費が安くなることが分かります。
恋人と同棲する、子どもが生まれる、両親と同居するなど、家族構成が変われば生活費の見直しも必要となります。また、最近の物価上昇を乗り切るためにも、今回ご紹介した生活費を抑えるコツを参考にしてみてください。