東京は物価が高い、家賃が高いなどのイメージから一人暮らしにかかる費用も高くなるだろうと考える方も多いでしょう。実際東京で一人暮らしする場合、どの程度の費用が必要となるのでしょうか。
本記事では具体的な支出について項目別に説明し、節約のポイントについてもご紹介していきます。新たに一人暮らしを始めようと検討されている方や現状の支出を見直したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
目次 -INDEX-
東京の一人暮らしにかかる費用内訳を解説|節約のポイントは?
総務省が行った都市階級別の家計調査の結果を見てみると、大都市における一か月の平均消費支出額は159,743円となっています。全国平均の155,046円と比べるとやはり大都市における消費支出額は高い傾向にあります。
主な支出項目別の平均消費額は以下のようになっています。
家賃 | 25,924円 |
---|---|
食費 | 40,299円 |
光熱費・水道代 | 9,732円 |
交通・通信費 | 17,501円 |
教養・娯楽費 | 18,626円 |
内訳を見ると家賃や食費が支出のうちの大きな割合を占めていることが見て取れます。記載しているのはあくまで平均データですので年齢や性別、生活スタイルによって内訳や費用は大きく異なってくることは把握しておかなければなりません。
まずはご自身の支出額と見比べてみて、大幅に支出が多い項目があれば節約できないか見直してみるところから始めると良いでしょう。それぞれの支出項目について詳しく解説してくので、ぜひチェックしてください。
家賃
まず東京の一人暮らしで大きな支出となるのが家賃でしょう。東京など大都市は地価が高く、たとえ広さや設備のグレードが似た物件であっても家賃は相応にして高くなる傾向にあります。
需要が高い首都エリアでは、ユニットバスやシャワーのみの物件、ロフト物件などコンパクトに抑えるための設備になっている部屋も多いです。家賃は給与から税金や保険料などを引いた、いわゆる手取り額の3割程度が目安と言われており、3割を大きく超えると生活費を圧迫する恐れがあります。
物件選びの際は譲れない条件と妥協できる条件を整理し、コストとの折り合いをつけていくことがポイントです。また家賃相場を確認してエリアを選択していくことが大切でしょう。
食費
東京の一人暮らしでは食費も大きな支出額を占めています。そもそも食品の値段が高かったり、飲食店も多く外食などの機会も多かったりすることもあり、食費が全国平均と比べて高くなっていると考えられます。
食費は外食をするのか、自炊をするのかなどによっても大きく差が出てきますし、ご自身でコントロールしやすい支出項目と言えます。一人暮らしだと一人分の食事を作るのが面倒で、つい購入した出来合いの料理や外食で済ませるという方も少なくありません。
しかし、例えばまとめて料理して作り置きをしておく、冷凍保存しておくなどの工夫によって、負担も少なく食費を節約することが可能でしょう。できるだけ旬の食材を買うようにする、外食の回数を決めておくなどもおすすめです。
光熱費・水道代
続いて、東京の一人暮らしでは光熱費・水道代にかかる費用も無視できません。電気・ガス代の高騰も話題になっており、生活費を圧迫するのではないかという悩みの一つとなっている方もいるかもしれません。
こまめな節電・節水はもちろん洗濯に風呂の残り湯を使う、できるだけレンジで調理するなどの日々の工夫で光熱費はおさえられます。また思い切って現状のプランや契約している会社を見直してみるのもおすすめです。
例えばシンプルで基本料が安いプランにする、電気ガスがセットでお得になるプランに変更する、ポイントがつく会社を使うなどが挙げられます。電気やガス、水道は契約してから使い続けているという方も多いですから、ぜひこの機会に見直してみましょう。
東京で一人暮らしをする場合の、水道代や光熱費についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。併せて節約ポイントについても解説しているので参考にしてみてくださいね。
交通・通信費
交通・通信費も、東京での一人暮らしの生活費において大きな支出額となっています。近年ではインターネットが生活には欠かせないものとなっており、通信にかかる費用も大きくなっています。
スマホやWi-Fiは必須のものですから、その支出を削ることは難しいとお思いの方も多いですが、工夫すれば節約は十分に可能です。例えばスマホは大手キャリアから格安スマホに乗り換えることで、固定費がぐっと抑えられる可能性があります。
また使っていないオプションを外す、シンプルなプランに変更するなどによってもコストを下げられます。Wi-Fiに関しても、比較的利用料が安いルーター型のWi-Fiに変更するなどの方法で月々の出費を抑えることが可能です。
ただし、機能が制限されたり通信速度が前より遅くなったりするといったデメリットも考えられるので、よく比較検討することをおすすめします。
教養・娯楽費
教養・娯楽費は書籍などの購入にかかった費用や旅行費用などが含まれ、生活に必須ではない出費であることが多いため節約の余地が大いにある項目です。
たまたま長期の旅行に行ったタイミングは娯楽費が大幅に増えるなど、月によっても差が大きく出るでしょう。長期的に見て出費のバランスを調整していく必要があるでしょう。
例えば大きなイベントがあって出費が増えた翌月は節約する、各月の教養・娯楽などにかける費用をあらかじめ決めておくなどがおすすめです。
確かに生活する上で必須ではないものの、日々豊かに過ごしていくために欠かせない支出とも言えますから、バランスを取っていくのが大切です。
その他
その他に交際費や衣服にかかる費用、イレギュラーな出費などがかかってきます。女性の場合は美容や化粧品などにかかる費用も考慮しなければなりません。
そして収入からトータルでの支出額を引いた分が貯蓄に回ります。家計簿をつけておらず、意外と自分が何にいくらぐらい使っているか把握できていないという人は少なくありません。
まずはご自身の支出額について確認してみて平均と比べてどうか、節約できるポイントがないか、など見直してみるのが良いでしょう。
女性の一人暮らしについてはこちらの記事でも紹介しています。一人暮らしのシミュレーションを行う場合は参考にしてみてください。
東京の一人暮らしに必要な初期費用は50万程度!
一人暮らしを始める際にネックになるのが初期費用ですが、東京の一人暮らしに必要な初期費用は50万程度と言われています。賃貸の価格が高いことをはじめ、初期に必要な費用も他の地域に比べて高くなっていると言えるでしょう。
最初に必要な費用について項目別に解説していくので、一人暮らしを始めようと検討されている方はぜひ確認してください。
物件契約に必要な費用
まず物件を契約する際に大きな金額が必要になります。初期の契約時に必要なものは主に以下の5つが挙げられます。
- 敷金/礼金
- 仲介手数料
- 前払い家賃
- 火災保険料
- 保証料
敷金は家主に対しての保証料の意味合い、礼金は物件を借りるお礼としての意味合いで契約時に支払うものです。仲介手数料は不動産会社に支払うもので家賃の半月~一か月分程度が相場となっています。
また、契約時に翌月分の家賃の前払いや、火災保険の加入、保証会社の保証料、その他、鍵交換や24時間駆けつけサービス、消臭・除菌・抗菌サービスなど、物件によって任意のもから契約に必須のものまで様々な費用があり、初期費用がふくらんでいきます。物件契約においては敷金・礼金ゼロの物件を探してみる、仲介手数料が安い不動産会社を選ぶなどの工夫で費用を抑えることが可能です。
引っ越しに必要な費用
続いて引っ越しに必要な費用も負担が大きいとの声が多くあります。引っ越しとなると、引っ越し業者に依頼して荷物の運搬を行う方が多いでしょう。
トラックや車でご自身で家具や家電を運べば引っ越し費用は抑えられますが、多大な時間と手間がかかってしまいます。引っ越し業者は2~3月の引っ越しシーズンだと利用者も多いため料金が割高になってしまいます。
可能であれば繁忙期を避け、土日よりも平日に依頼するのが費用を抑えるコツです。また引っ越し費用は業者ごと異なるケースも多いので、複数業者から見積もりを取って安いところにお願いするのも一つの方法です。
不動産会社が提携している引っ越し業者もありますので、費用感や割引など事前に確認しておくことをおすすめします。
家具・家電に必要な費用
新たに家具や家電を買い揃えるという方は、これらを購入する費用も必要になります。特に家電は多くのメーカーから様々な製品が出ており、値段もピンキリです。
それぞれの生活をイメージして、必要な機能や性能を検討し選ぶのが望ましいでしょう。またはじめは最低限の家具家電を揃えるにとどめておくのもポイントです。
最初に購入したものの、結局使わなくなるというケースもありますので、生活しながら買い揃えていくのが良いかもしれません。
東京の一人暮らしの費用を抑え貯金するコツ3選
これまで解説してきたように、東京の一人暮らしは様々な物にお金がかかります。無計画にお金を使ってしまっているとなかなか生活に余裕がつくれなかったり、貯金もできなかったりする場合もあるでしょう。
ただし、工夫次第で出費を抑えて貯金していくことは十分に可能ですので、そのコツについて解説していきます。
コツ①先取り貯金を行う
一つ目のコツは先取り貯金を行うことです。先取り貯金とはあらかじめ各月の支出額と貯金額を分けておき、決めた金額の中でやりくりする方法です。
線引きをしておかないと、お金があると使ってしまう、思ったように貯金できないとなってしまう人も少なくありません。先取り貯金を行うと決めた金額の中でやりくりしようとするため節約につながることもありますし、何より出費の見通しを立てやすくなります。
コツ②固定費を抑える
二つ目のコツは固定費を抑えることです。特に電気・ガス・水道やスマホなどの生活インフラは、最初に契約した内容をそのまま使い続けているという方が多いです。
よりご自身の使い方に合うプランやお得になるプランなどが登場している場合もありますから、定期的に固定費の見直しを行うことをおすすめします。各会社のプランに合わせて料金をシミュレーションしてみて、より安く抑えられる方法はないか模索してみましょう。
コツ③ふるさと納税や積み立てを行う
三つ目のコツはふるさと納税や積み立てを行うことです。ふるさと納税は特定の自治体に税を納めることで返礼品がもらえ、節税できる仕組みです。
また積み立てではリスクを抑えてできる積み立てNISAが注目されており、投資初心者の方でも取り組みやすくなっています。インターネット上で簡単に手続きができる場合もあるので、ぜひ試してみましょう。
まとめ
今回は東京の一人暮らしにかかる費用について、項目別に詳しく解説してきました。家賃や食費を筆頭に、首都圏では他の地域よりも費用が高い傾向にあり、なかなか余裕がないという方もいらっしゃいます。
しかし、東京の一人暮らしでも工夫次第で出費を抑えて貯金を増やすことは十分に可能です。まずはご自身の支出内訳を把握して平均と見比べてみて、節約できるポイントがないかなど見直すところから始めましょう。