山手線は日本で数少ない環状線路のうちの1つで、通勤・通学の他、旅行客の交通手段としても日々多くの人に利用されています。
5分程度の間隔で一日中出入りがあり、便利なことから利用する人数も多いです。そのため、時間帯や利用する駅によっては、満員で乗れないといった事態も起こりかねません。
しかし、混雑状況を把握することで、利用のしやすさはグッとあがります。この記事では、路線利用時の参考となる、山手線の駅や時間帯ごとの混雑状況について紹介します。
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混雑状況による利用のしやすさ

一概に、混んでいる・空いているといっても、その程度は人によって感じ方が違います。ここでは、国土交通省が定めた混雑率を用いて、山手線の混雑状況を解説します。
混雑の目安
混雑率で見る人の混み具合は、おおよそ以下のように分けることができます。
- 100%(吊り革、座席、柱を利用して定員が乗車できる)
- 150%(新聞などが楽に読める広さ)
- 180%(狭い空間でなんとか新聞が読める)
- 200%(乗客同士の身体がぶつかり、圧迫感があるが、すし詰め状態ではない)
- 250%(人がぎゅうぎゅうに詰められ、身動きが取れない、それ以上乗れない)
100%と聞くと、座席のみが全て埋まった状態を想像しますが、そうではありません。一般的に多くの方が想定する満員電車は、250%を超えている状態です。
外回りと内回りどちらが混む?
山手線全体の平均としては、他の路線に比べ混雑率は低めの傾向にあります。
現在では、一日のうち最も利用者の多い通勤・帰宅ラッシュの時間帯でも、外回りで93%、内回りで103%と低めであり、内回りの方が若干混雑しますが差はほとんどありません。
とはいえ、利用者が極端に少ない駅と多い駅も関係なく平均した値であるため、例えば新大久保駅や新宿駅など、一部の区間では人が溢れかえることもあります。
また、新型コロナウイルスの影響で、リモートワークなどの人口が増えたことにより、公共交通機関の利用者も一時減少しています。
最近の山手線の混雑率が、外回り93%、内回り103%であるのに対し、以前は外回り151%、内回り158%以上でした。
制限が解除されると共に、山手線の混雑率もコロナ禍前の値へ戻りつつあります。
山手線にゆったり乗りたいなら始発がおすすめ

山手線に限らず電車を利用する際は、始発を狙えば座席が空いている可能性が高く、座って通勤や通学ができます。
時間の都合や通勤距離の問題もありますが、毎日身動きが取れない状態で電車に乗ることはストレスを積み重ねることにもつながるため、部屋探しの時は電車の混雑状況もチェックしておくとよいでしょう。
ここでは、山手線で運行している電車の始発便について紹介します。
外回り
山手線の外回りにおける始発駅は3駅あります。それぞれの駅から出る便の本数についてまとめました。
池袋駅
外回りでは通勤時間帯の始発は4時台の1本しかありません。一方内回りでは、6時〜7時台に7本ほど始発便があるため、新宿・渋谷方面への利用におすすめです。
田町駅
始発便は、外回りで以下の2本のみです。
- 4時台:1本
- 5時台:1本
4時台を逃すと30分近く待たされるうえ、曜日次第では4時台も混雑する場合があるため、早めの到着を心がけましょう。
大崎駅
渋谷・新宿方面に向かう便で、山手線の中でも多くの始発便の運行があります。
通勤時間帯の始発は15本あることに加え、一日を通して利用者数がさほど多くなく、利用しやすいこともポイントです。
- 4時台:1本
- 5時台:4本
- 6時台:7本
- 7時台:3本
ゆとりをもって乗ることができますが、8時以降は15時まで始発便の運行がないため注意が必要です。朝早い利用が多い方には便利な駅であるといえます。
内回り
内回りでの始発駅は2駅あります。いずれも本数が多いため、都合のいい時間で始発便を利用できることがメリットとなります。
大崎駅
外回りと同様、通勤時間帯の始発の本数が多いことが特徴です。
- 4時台:2本
- 5時台:5本
- 6時台:4本
- 7時台:1本
短い間隔で始発の運行があるため、時間に余裕があれば、確実に座れる便を選ぶという手段をとることも可能です。
池袋駅
外回りに比べると、本数が多く利用しやすいことが特徴です。
- 4時台:2本
- 5時台:なし
- 6時台:3本
- 7時台:4本
他の始発駅と同様、8時以降は始発便がないため、通勤時にゆっくり腰を掛けたい方は早めの移動が必要となるでしょう。
山手線はどの時間帯にどこの駅が混みやすい?
一日のうち、山手線の利用者が多いのは通勤ラッシュである7時〜8時の時間帯です。
駅によって比較的空いているところもあれば、いつも混雑しているところ、その前後の駅で乗り降りが激しいところなどさまざまです。
山手線の中でも、その時間帯に最も混雑する区間について、外回りは新宿着、内回りは東京着の時間ごとにまとめました。
外回り
内回りと比較すると、全体的にはあまり混んでないといえます。
東京都内の他の路線と比べても、利用者はそこまで多くない傾向にあります。しかし、駅によっては乗れない利用者もいるほど混むところもあるため、注意が必要です。
8:20~8:40
最も利用者が多いのは有楽町で、その次に上野、神田と続きます。
有楽町でも、人がそれ以上乗れないほどの混み具合ではなく、その他の駅でもストレスなく立てる程度です。
8:40~9:00
この時間帯も有楽町が最も混む駅となっており、次いで品川、その後に大崎、秋葉原と続きます。東京駅を8:20頃に過ぎ、有楽町を通過した後は、恵比寿まで乗客がだんだん減っていきます。
その後渋谷で一旦増えますが、余裕をもって立てる程度の混み具合であるため、有楽町を過ぎたら新宿に着くまでは安心して利用できます。
9:00~9:20
最も混むのは御徒町と神田で、次いで品川が2番目に混雑する傾向があります。
高田馬場、池袋、西日暮里、日暮里、上野、秋葉原、東京、浜松町、新宿ではぎゅうぎゅうに詰められた状態での走行が続くため、長区間利用する人にとっては厳しい時間帯だといえるでしょう。
9:20~9:40
最も混むのは目黒で、池袋、神田あたりが2番目に混雑します。
西日暮里から神田にかけて徐々に乗客が増えていきますが、東京を過ぎると一気に人数が減り、田町まではゆったりと乗ることができるでしょう。
内回り
内回りは、外回りと比較すると全体的に混雑する傾向があります。
時間帯によっては、確実に乗れない人が出るほど混雑する駅もあるため、早めの行動を心掛けるか、何本か見送って乗れる便を待つなどの策をとる必要があります。
こちらについては、東京駅着の時刻ごとでまとめました。
8:20~8:40
品川で利用者数はピークを迎え、乗り切れないほどの人で溢れ返ります。
新宿から五反田あたりまでは、ある程度詰めることで乗れる程度ですが、品川手前で定員数を大幅に超え、品川を過ぎると一気に乗客が減ります。
そこから東京までは、ゆとりをもって乗ることができます。
8:40~9:00
20分の間で乗客数のピークが新宿へと移ります。
渋谷や目黒に入る電車でも満員以上の乗客が利用していますが、田町を通過した後は東京駅までゆったりと乗ることができます。
他の時間帯よりも、区間ごとの乗客の変動が激しい傾向にあります。
9:00~9:20
目白に入る電車に最も多く利用者が乗っています。大塚から新宿までを通過する、およそ8:30〜8:40の間が混雑する時間帯ということになります。
9:20~9:40
渋谷や目黒では、混雑度の限界を遙かに超える人数がこの時間帯の電車を必要としています。
新宿時点での利用者は少ないですが、そこから渋谷にかけて急激に増え、目黒を過ぎると今度は急激に減ります。
効率的なのはリアルタイムで情報を得ること

ラッシュ時の混雑を回避したり、利用者の少ない車両を利用したりするためには、電車の状況をリアルタイムで把握することが一番早い方法です。
JR東日本では、SNSや公式ホームページなどで、遅延・運休状況について投稿していますので、それらを利用すると遅刻などのトラブルを未然に防げるでしょう。
まとめ
今回は、山手線を通勤や通学で利用する方にとって便利な、電車の混雑状況について解説しました。
補足ですが、帰宅ラッシュは通勤ラッシュ時と比べ混雑率が低い傾向にあります。
新宿を出発する便が一番混雑する傾向にあり、18:00~19:00の間では、スマートフォンの操作もままならないほど混雑する傾向があります。
とはいえ、通勤時と違って帰宅時は時間制限にシビアになる必要がないため、ゆとりをもって乗りたい方は空いている電車が来るまで待つことをおすすめします。
電車の混雑状況や遅延状況は、検索することでリアルタイムの状況がわかる仕様になっていますが、大まかな情報について頭に入れておくと便利であるため、こちらの記事を通勤時の参考にしてみてください。