日々を暮らしていくうえで、物価は非常に大切な要素となります。2023年現在、全国平均物価総合指数は2.5%上昇しており、国民はその影響を受けています。
物価が高ければ、同じ所得である場合低い地域と比べると暮らしにくいのは事実です。そこでこの記事では、金銭的に暮らしやすい物価が低い地域を3つ紹介します。
物価とは
物価とは、世の中のモノ・サービスが貨幣に対してもつ価値を総合的に表したものです。これは、需要と供給に密接に関係しており、経済状況を表す指標とも捉えられます。
物価は大きく以下の2つに分けられます。
- 消費者物価指数(CPI):消費者が購入する財やサービスの物価
- 企業物価指数(SPPI):企業間で取引する財の物価
この記事では、消費者物価指数を参考にして金銭的に暮らしやすい、という観点から物価が低い地域を紹介します。
物価と生活の関係
物価が高くなるとどのような影響を消費者に及ぼすでしょうか。それは「同じ金額で受けられるサービスや量が減る」というものが考えられます。
小麦粉を例にすると、100円分の小麦粉を買う際、2004年であれば0.5gで100円なのに対して、2005年だと100円で0.4gしか買えません。
また、物価上昇はライフラインまで影響を及ぼします。
帝国データバンクの調査によると、2022年度の水道光熱費が2021年度比で増加した企業は81%にものぼることが明らかになりました。
これは、化石燃料エネルギーの高騰によるものだと考えられます。
このように、物価が高くなると同じ金額で買えるものが減ったり、同じ量を買おうとするとより高いお金を払うことになります。
物価が安い県TOP3
ここからは、物価が安い県を紹介します。物価を決める消費者物価指数は、以下の10費目で分類されています。
- 住居
- 食料
- 教養娯楽
- 光熱・水道
- 教育
- 交通・通信
- 諸雑費
- 保険医療
- 家具・家事用品
- 被服及び履き物
この全ての費目を総合的に見て、全国平均を100とした場合、物価が安い都道府県TOP3は以下の通りです。
- 1位:宮崎県(96.2)
- 2位:群馬県(96.6)
- 3位:鹿児島県(97.1)
宮崎県は4年連続1位であり、継続的に総合消費者物価指数が低い県であるといえます。
中でも宮崎県は「住居」に対する物価指数が最もマイナスに寄与しており、群馬県は「教育」に対する物価が最もマイナスに寄与しています。
10費目別でみた物価が一番低い県は以下の通りです。
- 食料:長野県
- 住居:香川県
- 光熱・水道:東京都
- 家具・家事用品:茨城県・広島県
- 被服及び履き物:山形県
- 保険医療:宮崎県
- 交通・通信:愛知県
- 教育:群馬県
- 教育・娯楽:宮崎県
- 諸雑費:沖縄県
人が暮らす上で重要とされる「衣食住」に注目すると山形・長野県・香川県が、暮らしに必要不可欠な面で金銭的に暮らしやすいといえるでしょう。
物価が高い県TOP3
ここでは、反対に物価が高い県を紹介します。
- 1位:東京都(104.5)
- 2位:神奈川県(103.0)
- 3位:京都府(101.0)
東京都は9年連続1位であり、継続的に総合消費者物価指数が高いといえます。
その中でも東京都は「住居」に対して最もプラスに働いており、神奈川県は住居・教育に対して特にプラスに働いています。
10費目別でみた、物価が一番高い県は以下の通りです。
- 食料:福井県・沖縄県
- 住居:東京都
- 光熱・水道:北海道
- 家具・家事用品:東京都
- 被服及び履き物:栃木県
- 保険医療:東京都
- 交通・通信:東京都
- 教育:大阪府
- 教育・娯楽:東京都・神奈川県
- 諸雑費:神奈川県
東京都は「住居」において全国平均より1.3倍と、非常に高い値です。これは、最も低い香川県と比べると約1.6倍であり、差は歴然としています。
また、全国平均を下回っている項目は「光熱・水道」のみであり、他の項目は全て全国平均以上であることが分かりました。
人が暮らす上で重要とされる「衣食住」に注目すると、栃木県・福井県・沖縄県・東京都が、暮らしに必要不可欠な面で金銭的に暮らしにくいといえるでしょう。
しかし、そのような都道府県は物価高騰対策として助成金等が存在する可能性があるため、チェックが必要です。
生活費を抑えるコツ3選
都心へのアクセスが比較的良好な場所は物価が高い傾向にあります。その場合、生活費を抑えつつ暮らしていく必要があります。
ここでは、生活費を抑えるコツを3つ紹介します。
支出を把握する
自分の支出を把握することが大切です。
分かりやすく支出表を作成するなどして、「ここは削れる」「ここは削れない」といったように無駄な支出を露見させることが最初の一歩となります。
また、「節約する」という意識をつけることで、計画を定量的に立てやすくなります。
固定費を見直す
固定費とは、毎月絶対にかかる「家賃・保険・携帯代」などのことです。
これらを見直すことで継続的に節約の効果が見え、成功体験にも繋がりやすく、モチベーションアップの要因にもなり得ます。
最近では格安携帯なども多く存在しているので、無理のない範囲で節約するには、固定費を見直すことがおすすめです。
変動費を見直す
変動費は、毎月変化しやすい費用のことで「食費・娯楽費・電気代」などです。
しかし、これらを節約するのには気力が必要で、無理をすると健康を害する可能性があるので注意が必要です。以下に、具体的な節約のコツを3つ紹介します
食費
食費は、無理をすると一番健康を害しやすい項目の一つでもあるので、特に注意しましょう。月のはじめに食費をあらかじめ決めておき、それを守れるように計画を立てることが節約への近道です。
総務省が実施している「家計調査」によると、単身世帯の場合、1ヶ月の平均食費は40,311円です。
これは約10,000/週であるため、週に1回の買い物で10,000円使えるという計算になります。このように計画をたて、遂行するように節約することをおすすめします。
また、出前やコンビニを利用すると、食費が大幅にかさんでしまいます。
自炊をするのが面倒になり、利用してしまうこともあるかもしれませんが、自分を律して節約するという確固たる意思を持つことが大切です。
娯楽費
娯楽費とは、飲み会や外出時にかかる諸費用のことです。
飲み会にかかる平均費用は4,237円であり、週に2回のペースで飲み会に行くと月で3万円以上の支出になってしまいます。
これも、月の初めに何回飲み会に行くか決め、計画することが大切です。規定回数以上に達してしまった場合、誘われても断る気力を持つことが節約への第一歩であるといえます。
電気代
電気代を節約するには、抜本的な対策として「なるべく家にいない」というものもあります。
そもそも家にいなければ、照明やエアコンを使いません。作業をする際は、近くの図書館などで済ませれば電気代を大幅に節約できます。
また、電気代の支払い方法を見直すことによって、ポイント還元や割引などのサービスを受けられる場合があるため、確認することをおすすめします。
しかし、電気代も無理をすると体調を悪化させる危険性があるため、注意しましょう。
まとめ
物価が高い地域や、生活費の節約術について紹介しました。
節約に関しては、ご自身が無理のない範囲で実行することが大切です。しかし、それに対する意識が欠けていると節約には繋がりません。
節約意識を継続的に保持し続け、より質の良い生活を手に入れましょう。