賃貸物件の内見をする際、室内は勿論、周辺環境や外側の設備についても注意して見ておく必要があります。
家具のない部屋は広く綺麗に見えがちですが、雰囲気でなんとなく決めたせいで、後々「想像と違う」といった事態にならないように注意しましょう。
内見のときチェックするべきポイントは、基本的な部分から細かいところまでさまざまです。
すべてを確認するのは難しいかもしれませんが、気になる物件があれば出来るだけ細部まで調べておくことが大切です。
この記事では、内見でチェックするべきポイントのチェックリストを、必要な持ち物や用意すべき質問事項などと合わせて分かりやすく紹介します。
ぜひ内見前の準備にお役立てください。
宅地建物取引士
大学卒業後、上場マンションデベロッパーで4年間営業の基礎を学び、退職後は不動産ベンチャーの会社で当時はまだ珍しかった中古不動産のリノベーション販売の部署を立ち上げ、売上20億円までに成長させました。
現在は従業員300人の総合建築企業の不動産部門で若手社員の教育と、今までの人脈を生かし不動産仲介と土地・戸建の仕入業務をしています。
目次 -INDEX-
【賃貸版】内見で必ず確認するべきポイントのチェックリスト
内見前には、必ずチェックポイントをリスト化して準備しておきましょう。
部屋をただ眺めるだけでなく、自分が住んだときのイメージや、置く予定の家具を設置したときの雰囲気を想像しながら見学するとよいです。
以下の注意点を参考に、調べておきたい項目のチェックリストを自分で作成するのもおすすめです。
設備や間取り
部屋の大きさは、窓のサイズや天井の高さによって見え方が変わります。内見時は、どこにどの家具を置くか、大まかな配置をイメージしてみるとよいでしょう。
搬入予定の家具があれば辺の長さを把握しておき、配置する予定の箇所も計測を行い、理想の間取りに近づける工夫が大切です。
そのほか、チェックするべき設備や間取りのポイントは以下の通りです。
既設の家電に関しては、前の契約者が残していったものの場合、修理費用や撤去費用を負担しなければならない可能性があるため、設置されていたら確認を取りましょう。
玄関と室内の扉の大きさは、家具を搬入する際に通過できないといった事態を防ぐため、見落とさず必ず確認する必要があります。
自炊を考えている方は、調理器具を置く場所が確保できるか、充分な調理スペースがあるか、冷蔵庫の開閉の方向はどちらが便利かなどをチェックしておくことをおすすめします。
壁や床の傷・汚れは、退去時の敷金返金に関わってくるため、入居前に注意深く観察しておくようにし、発見した場合は写真や動画に収め、貸主に報告しておくなどの対策が必要です。
共用設備
アパートやマンションの場合、他の住民と共通で使用する設備やトラブルの危険性にも目を向けることが必要です。
内見時には、共用設備を使用する際の注意点についても確認するようにしましょう。
ゴミ出しに関しては、ゴミを捨てても良いタイミングが物件によって異なる場合もあるため、自分の生活に合わせて捨てられるかも重要なチェックポイントとなります。
防犯に対して不安がある方は、窓や玄関に二重ロックが備え付けてある物件を選ぶのもおすすめです。
立地環境
部屋の内外部だけでなく、周辺環境や立地条件は住みやすさに繋がる大事な要因の一つです。これについては譲れない条件がある方もいるため、忘れずに確認しておきましょう。
風通しが悪く湿気が溜まりやすい物件は、押し入れやクローゼットの中にカビが発生している場合があるため、中を開けて確認してみることをおすすめします。
騒音に関しては、公共交通機関の作動音以外にも、消防署や大きな病院が近くにあると救急車両の出動音にも悩まされる場合があります。
気になる音は人によってさまざまとなるため、よく確認するようにしましょう。
【賃貸版】内見時に必要な持ち物
内見の際は、持っていくと便利なアイテムや絶対に必要なアイテムがあります。かさばるものではないため、以下で紹介するアイテムは最低限揃えるようにしましょう。
また、スカートやフォーマルウェアは避け、動きやすい服装で行くのが推奨されます。
靴も脱ぎ履きが多く、周辺の街灯や最寄り距離までの道を確認するために歩く可能性もあるため、スニーカーなどの歩きやすく履きやすいものが無難です。
スマートフォン
スマートフォンはカメラやメモ、懐中電灯など、さまざまな機能が使用できるため、必ず持っていくようにしましょう。
メジャー
メジャーも絶対に必要なアイテムの一つです。
使用予定の家具の配置や、搬入の際に困らないよう、細部まで測定して記録に残しておくと引っ越し作業がスムーズに行えます。
部屋の間取り図・バインダー
間取り図は基本的に不動産会社の方で準備してくれますが、バインダーがあると便利なため、もし自宅にない場合は、内見前に担当者に貸してもらえるか聞いてみましょう。
ボールペンとメモ用紙
メモ用紙はスマホの機能を使用できますが、打つより書いた方が早いという人は準備しておくとよいでしょう。
ボールペンは、間取り図に直接書き込む際にも必要になるため出来るだけ準備しましょう。こちらも、忘れた場合は貸してもらえる可能性が高いです。
【賃貸版】内見時に質問すべき事項3選
実際に見るだけで分からない部分は、直接内見の担当者に聞くのが情報の正確性からしても一番速やかです。気になった点は、どんどん質問してください。
後々、確認を取らなかったことで見落としに気付いたり、トラブルになったりするのを避けるため、次のような質問事項を参考にしてみてください。
物件の利点・欠点は?
かかる費用が高すぎない物件を選ぶなら、欠点が必ずあるはずです。良いところばかりをアピールして、悪いところをほとんど言わない担当者がいたら注意してください。
良心的な相手であれば、正直にメリットデメリットを教えてくれます。反対に、多少の欠点はあっても、自分の許容範囲内なら選択の余地はあります。
前入居者がいた期間・退去理由は?
入居期間や退去理由が一般的な期間や理由なら安心ですが、これを濁されたり、クレームや居心地といったものが理由であったりするならば見直しが必要です。
物件自体に何かしら問題があったり、近所に問題のある人が住んでいたりする可能性があります。退去理由が転勤などの一般的なものであるならば、ためらいなく話してくれるはずです。
未契約期間の長さは?
長い間空室であった物件は、何かしら問題があると考えられます。欠陥があったり、立地が悪かったりといった理由があるかもしれません。
ただし、多少条件が悪くても許容範囲内として費用を抑えたいという人にとっては、交渉する価値があるかもしれません。
まとめ
賃貸物件の内見をする際は、どこを具体的に調べるか事前に準備をして臨むことが大切です。また、ここまでは譲歩できるという基準を明確にしておくことも必要です。
例えば、良いと思った上位5つの物件それぞれに、少なからず気に入らない部分があっても、それが許せる範囲内であるならばキープしておく方が得策です。
すべてが完璧という物件はなかなかないため、多少の欠点であれば生活するうちに慣れていくこともあるでしょう。
とはいえ、契約してしまってからは、簡単に「やっぱりやめる」ということは出来ないため、慎重に事を運ぶようにしましょう。
内見したからといって、絶対に契約しなければいけないわけではありません。相手に流されず、自分のタイミングで大丈夫です。
これらのチェックポイントや質問事項を上手く活かし、自分に合った物件を探してみてください。