神奈川県の地震危険度ランキング!ベスト5とワースト5、災害別も紹介!

神奈川県の地震危険度ランキング

神奈川県は観光名所も多く、交通機関の利便性もよいため、東京を生活圏内としている人のベッドタウンとして人気のエリアです。

しかしその一方、日本は世界4位の地震大国でもあり、たくさんの被害者を出した東日本大震災は、記憶にまだ新しく、地震対策の必要性があらためて重要視される契機となりました。

物件を探すときは、部屋だけではなくエリアごとの安全性、万が一の場合の避難場所なども考慮し、家賃相場や住環境だけではなく、広い視野を持って探しましょう。

この記事は、関東地方の治安のよい住みやすさランキングで堂々1位を獲得している神奈川県の『地震危険度ランキング』ベスト・ワーストトップ5を紹介します。

神奈川県の地震危険度

神奈川県 地震危険度ランキング

国立研究開発法人防災科学技術研究所が2021年3月に公表した『全国地震動予測地図2020版』により『住所検索ハザードマップ』が算出した、神奈川県の地震危険度ランキングを参考に、神奈川県のベスト・ワーストトップ5を紹介します。

あくまでも『今後30年間に震度6強以上の地震に見舞われる確率』を判断基準としたランキングとしての記載となるため、起こりうる二次災害についてはランキングに含まれていません。

市区町村単位でのランキングといえど、各市区町村において安全対策の強化が図られていることや、地盤や条件が同じエリアでも一定ではないため、含まれる住所すべてが必ずしもランキング同等の危険度とは限りません。

神奈川県で想定されている地震型

神奈川県には『フィリピン海プレート』『太平洋プレート』そして『北米プレート』の3枚が集中しているため、複数の地震が想定されています。特に危険性が高いとされているのが以下の4つの型です。

都心南部直下地震

いつ起こってもおかしくないといわれている、所謂『首都直下地震』と呼ばれる都心南部直下地震において、神奈川県では被災対象として横浜市や川崎市が想定されています。

また、県域を越えたエリアでの被災に対して、帰宅困難者対策や広域応援など、影響が検討されています。

神奈川県西部地震

2007年に神奈川県箱根町を震源とする震度5強・M4.9の神奈川県西部地震が発生しています。江戸時代にも発生し、大きな被害を与えています。

エリアが県西部のため、所在機関の立ち上がりは遅いですが、首都直下地震とくらべると県内外からの応援が期待できることから対応も早く、被害も相応に抑えられるとされています。

南海トラフ巨大地震

M8~9クラスの地震が100~150年に1回の間隔で繰り返されている南海トラフ巨大地震が、現在30年以内に70~80%の割合で発生すると予想されています。

最大クラスの津波が想定されているため、津波避難に重点を置いた対策の検討が入念に行われています。

大正型関東地震

大正12年9月に相模湾北部を震源として起こった海溝型巨大地震は、10分間に震源の違う巨大な揺れが3度続いたため『三つ子地震』と呼ばれ、14万人の死者を出しました。

県全体に被害がおよぶことが想定され、県内応援が見込めないため、各機関の立ち上がりが遅く活動は長期化が懸念されています。

神奈川県の地震危険度ランキングワースト5

神奈川県 地震危険度ランキング
順位 市区町村名
(指定避難所数)
災害別(ハザードマップによる5段階評価)
揺れやすさ 津波 倒壊 火災 液状化
1位 海老名市
(19)
5 1 5 3 3
2位 伊勢原市
(20)
5 1 5 3 1
3位 逗子市
(33)
3 5 3 5 1
4位 足柄上郡大井町
(5)
3 1 4 3 2
5位 小田原市
(25)
3 4 3 3 3

指定避難所は、災害のため避難した住民を、災害の危険性がある期間滞在させ、かつ、災害により帰宅が困難になった住民を一時的に滞在させることを目的として、市町村により指定された施設のことです。

表中の指定避難所以外にも、指定緊急一時避難所や福祉避難所など、必要な条件下で利用できる避難所が多く設定されています。

1位 海老名市

海老名市で想定されている地震の型は6つですが、そのうち3つは発生率が低いとされています。

海老名市で想定されている地震の中で最も揺れるとされているのは、上述した大正型関東地震で、想定震度は最大7です。

市道大谷峠線付近については、他のエリアより若干揺れにくくなっていますが、建物が密集しているため、火災が起きると危険度が上がります。

2位 伊勢原市

伊勢原市は東の一角を縦に割るように、約21kmの活断層『伊勢原断層』が走っています。この伊勢原断層が活動すると、MG7程度の大きい揺れが発生すると推定されています。

断層の東側は西側と相対して隆起していて、東側は揺れやすさは5と評価され、同様に東端に液状化や倒壊の危険性が集中しています。

対して西側は被害想定が大分低くなっています。

3位 逗子市

観光スポットとなっている逗子マリーナは埋め立てによる造成という地盤ですが、液状化の危険性はマリーナの一部程度で、全体的に危険度3ほどとなっています。

西から東へ横切る横須賀線に沿った形で倒壊度と火災危険度が上がっているため、物件をこのあたりで探している人は、横須賀線沿いは避けたほうがいいでしょう。

そしてマリーナの両岸、特に飯島崎と小坪漁港近辺は津波がきた場合、10m以上の浸水が危険視されていて、それも含めマリーナのほぼ全域が4階以上の鉄筋コンクリートの建物などへの避難勧告が出される可能性が想定されています。

物件を探す際は海岸線からなるべく離れるか、近辺に高台がある場所を選択したほうが安全でしょう。

4位 足柄上郡大井町

大正12年9月の関東大震災の際、足柄上郡大井町を含む4区画が井泉の崩壊による水不足に苦しめられたのを機に、大正15年に簡易水道の設置を始め、その記念碑が立っています。

足柄上郡大井町は扇状地で、比較的揺れにくくはありますが、西側の中央公園辺りが一部液状化の危険性が若干高くなっています。

東側に土砂災害などによる建物倒壊度が高いところがありますが、住宅の存在が少ないため影響は低いです。

5位 小田原市

小田原市はフィリピン海プレートと日本列島のプレートが伊豆半島辺りで衝突して沈み込めないため、ほぼ73年に1度の周期で、前回は2007年10月に小田原地震が発生しています。

2級河川の酒匂川と森戸川・剱沢川の周辺は、液状化や倒壊被害の危険性が周辺と比べ高く、火災危険度は酒匂川の河口付近と周辺、そして森戸川周辺に集中しています。

津波に関しては、海岸線から内陸に向かって2kmほどのほぼ全域に対し約1mの浸水が想定され、その中で小田原漁港周辺は上野東京ライン沿線辺りまでの広い範囲が約5mの浸水と想定されています。

小田原市は津波のハザードマップを、区画を分けて複数作成しているため、物件を探す場合は参考になります。

神奈川県の地震危険度ランキングベスト5

神奈川県 地震危険度ランキング
順位 市区町名
(指定避難所数)
災害別(ハザードマップによる5段階評価)
揺れやすさ 津波 倒壊 火災 液状化
1位 愛甲郡清川村
(5)
1 1 1 1 1
2位 川崎市麻生区
(25)
3 1 2 5 1
3位 横浜市緑区
(22)
3 1 4 4 1
4位 横浜市都筑区
(27)
4 1 4 3 1
5位 中郡二宮町
(9)
3 3 4 4 1

1位 愛甲郡清川村

「東京から一番近い村」「神奈川県唯一の村」と謳われる清川村は、人口約3,300人が暮らす自然豊かな村です。

村の南東以外の約90%を森林が占め、東京からもほどよい距離を保っているため、住宅地に火災危険度が並程度ある以外は、ほとんど危険のないエリアです

2位 川崎市麻生区

川崎市麻生区は谷底低地といって、固い地盤の丘陵や台地に樹枝状に谷川が流れていた低地に、土や枯れた植物が堆積した軟弱な部分がある地盤ですが、全体的に液状化の心配がほとんどありません。

建物倒壊の危険性があるエリアが全体的に点在し、住宅等が密集している東側は火災危険率が高めですが、根本的な揺れやすさはそこまで高くありません。

3位 横浜市緑区

北西部から東部へ横断するように鶴見川が流れ、川沿いは低地になっています。

その低地に向かう形で、丘陵地にいくつもの谷が枝分かれするように存在していて、低地とその周辺が若干液状化する可能性があります。

それ以外のエリアは地盤的に比較的安全ですが、火災危険度と建物の倒壊度が東側に若干集中しています。

4位 横浜市都筑区

都筑区の大部分は台地や丘陵地という、地震に強いといわれている固い地盤が支えています。

若干揺れやすいエリアですが、液状化の心配があるのは南東と北東の一部程度です。

倒壊危険度は北部に集中しているうえ、全体的にも若干倒壊の可能性があります。

火災危険度は周辺エリアにくらべると低めです。

5位 中郡二宮町

中郡二宮町は、高低差が200m以下の斜面から成り立つ丘陵で、比較的揺れにくく、液状化もしにくい地盤です。

北部に一部倒壊危険度が高いエリアと、火災危険度が高い場所が南側に多少点在しています。

西部を流れる中村川と葛川の河口付近が津波での被害を受けた際、中村川のほうがより浸水範囲が広く想定されています。

まとめ

『今後30年間に震度6強以上の地震に見舞われる確率』を元に、神奈川県の地震危険度ベスト・ワーストトップ5を紹介しました。

地震の被害をまったく受けない土地など、残念ながらありません。

しかし、何かしらの都合で、どうしても危険度の高い土地の中から転居先を探さなければならない都合もあるでしょう。

避難場所を把握し、危険なところを念頭におく、日頃から災害に対して用意しておくことは、危険度の低いエリアに住んでいても同様に必要です。

地震危険度の高低にかかわらず、災害を避ける準備はしておきましょう。

Homeeeマガジン編集部

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