過去にクレジットカードの支払い遅延などのトラブルがあった方は、賃貸の契約で審査に落ちてしまうのではないかと心配になることもあるでしょう。
過去にあった滞納が、賃貸契約時の審査にどのくらい影響するか分からなくて不安という方は、自身で信用情報を確認したり、審査に通りやすい物件を選ぶことで不安を解消できることもあります。
この記事では、クレジットカードの信用情報が賃貸の審査に影響するか、審査に落ちてしまう理由や通りやすい物件を詳しく紹介します。
賃貸契約をしたいけれど自身の信用情報に不安があるという方は、ぜひ最後までご覧ください。
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クレジットカードの信用情報は賃貸の審査に影響する?
クレジットカードの支払いに遅延があると、いわゆるブラックリストに載ってしまうのではないかと心配される方も多いのですが、ブラックリストは実際には存在しないものです。
まずは、クレジットカードの支払いが遅延するとどうなるかについて紹介します。
ブラックリストとは
クレジットカードやローンの支払いが滞ってしまったときに、「ブラックリストに載ってしまう」といわれることがあります。
しかし、実際にはそのようなリストはなく、正しくは個人信用情報機関に記録されることになります。
個人信用情報機関に金銭トラブルの履歴が記録されると、新たにローンを組むのが難しくなったり、賃貸の一部の部屋が借りられなくなったりすることがあります。
また、クレジットカードの支払いに遅延があったときだけではなく、以下のような方が当てはまります。
- 車のローンを滞納したことがある
- 奨学金を滞納したことがある
- 分割払いを滞納したことがある
- 携帯料金を滞納したことがある
- 借入が複数に及んでいる
- 債務整理をしたことがある など
支払いに関しては、1度催促されたことがある程度では記録に影響を及ぼさないケースが多いですが、2回以上の催促や遅延期間が長い(60日以上)と、記録される可能性が高くなります。
信用情報は5~10年で回復する
信用機関に登録された情報は、一生涯消えないわけではなく、通常は5~10年で削除されます。ただし、トラブルが解消されていることが条件です。
また、数ヵ月支払いが遅れてしまったという程度なら5年間ほど、自己破産をした方は10年間ほど影響が残る可能性があります。
過去に金銭のトラブルがあっても、10年以上前の出来事であれば賃貸契約に影響がないというケースもあります。
心配な人は自分で確認することも可能
自分の信用情報を確認したい方は本人開示が可能です。1,000円ほどの手数料と本人確認書類を用意して、借入先が加盟している窓口を確認しましょう。
信用情報を確認できる機関は以下の通りです。
クレジットカード関連はCIC、消費者金融や銀行、保証会社はJICC、銀行、信金、信用保証協会などはJBAの情報を照会するとよいでしょう。
賃貸契約で利用する賃貸保証会社とは
ここからは、賃貸契約で利用することが多い賃貸保証会社について詳しく紹介します。
連帯保証人の代わりになる制度
賃貸保証会社は、入居者の家賃保証などを担う会社で、借主が家賃を支払えなかった場合は保証会社が立て替えて家賃を支払います。
もともと、賃貸契約には保証人制度が用いられることが多く、親戚などから保証人を立てて賃貸契約を結ぶことが一般的でした。
しかし、最近では賃貸契約をする際に、保証会社を利用する方がメリットがあると考えられることや、連帯保証人に明確に債務を説明する義務があることなどから、連帯保証人がいない人だけではなく一般的に利用されています。
賃貸保証会社のメリットやデメリットなどは、こちらの記事でも詳しく紹介しています。興味がある方は合わせてご覧ください。
⇒賃貸保証会社とは?役割とメリット・デメリットを詳しく紹介!
賃貸保証会社の保証範囲
賃貸保証会社の保証範囲は、以下のように多岐にわたります。
- 家賃
- 管理費
- 共益費
- 更新料
- 鍵交換費用
- クリーニング費用
- 原状回復費用
- 違約金 など
万が一、入居者がこれらの支払いができないときに、大家さんに対して支払いを保証します。
さらに、入居者と大家さんの間に入りこれらの代金を立て替え・請求するため、入居者は保証会社に対して代金を支払うことになります。
賃貸保証会社の審査内容
賃貸保証会社の審査には、一般的に以下の書類を用意します。
- 身分証明書
- 収入証明書
- 住民票
- 預貯金通帳のコピー など
この他にも、連帯保証人が同時に必要となるケースでは、連帯保証人の身分証明書や収入証明書が必要です。
賃貸保証会社は、主に以下のような項目を入居審査で調べています。
- 職業の属性
- 在籍証明
- 家賃の支払い能力があるか
- 過去に金銭トラブルや借金がないか
- 運転免許証の更新回数や期限
- SNSなどネット上のネガティブな情報
- コミュニケーション能力に問題がないか など
職業の属性、在籍証明、家賃の支払い能力などの基本的なことに加えて、過去に金銭トラブルがあった方や、連絡に対する返信が遅い、横柄な態度をとるなどコミュニケーション能力に問題がある場合も、審査に影響を及ぼす可能性があります。
賃貸保証会社の審査に落ちてしまうケースについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
賃貸保証会社の種類
賃貸保証会社には、以下の3つの種類があります。
賃貸保証会社の種類 | 特徴 | 主な会社 |
信販系保証会社 | ・クレジットカードの情報を使用する ・審査基準が厳しい |
オリコフォレントインシュア エポスカード ジャックス |
協力系保証会社 | ・LICC(全国賃貸保証業協会)に加盟している ・利用した人の履歴が共有されている |
エルズサポート ジェイリース 全保連 |
独立系保証会社 | ・信用情報などを利用せずに審査を行う ・職場や年収などが考慮される |
日本賃貸保証株式会社 CAPCO AGENCY |
クレジットカードの滞納があっても審査に通るケース
ここからは、クレジットカードの滞納があっても審査に通るケースを紹介します。
連帯保証人を立てられる場合
物件ごとに保証会社を利用するケースと、利用せずに保証人を立てれば借りられるケースがあります。まずは、不動産会社で賃貸保証会社を利用しなくても借りられる物件を探しましょう。
そのうえで、安定した収入がある親族に連帯保証人になってもらえば、保証能力に問題がないとみなされ、審査に通る可能性があります。
不動産会社や大家さんが信販系の保証会社以外を利用していない場合
前述したように、信販系の賃貸保証会社はクレジットカードの滞納歴を必ず確認します。そのため、信販系の賃貸保証会社を利用している物件だと、審査に通らない可能性が高いです。
賃貸保証会社は自分で決められるものではないため、気に入った物件があってもどの保証会社を利用しているかによって諦めなければいけないケースも出てきます。
しかし、独立系の保証会社であればクレジットカードの滞納歴があっても関係ないため、審査に通りやすいといえるでしょう。
まとめ
過去にクレジットカードの滞納があった方も、5~10年以上経過しているのであれば、その情報は削除されるため安心して賃貸契約を結べます。
不安な方は、自分で信用情報を調べて事前に確認しておくとよいでしょう。
万が一、クレジットカードの滞納履歴が残っている場合は、信販系の保証会社を避けて物件を選ぶと比較的審査に通りやすくなります。
賃貸契約時の入居審査に不安がある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。