東京23区の地震危険度ランキング!ベスト5とワースト5、町域も紹介!

東京23区の地震危険度ランキング

東京は買い物やグルメ、遊ぶ場所など、楽しいことに事欠かないため家賃相場も高いという、住みたい街ランキングでも常連の人気エリアです。

その一方、日本は世界4位の地震大国でもあり、たくさんの被害者を出した東日本大震災は、記憶にまだ新しく、地震対策の必要性が改めて重要視される契機となりました。

物件を探すときは、部屋だけではなくエリアごとの安全性、万が一の場合の避難場所なども考慮し、家賃相場や住環境だけではなく、広い視野を持って探しましょう。

この記事は、住みたい街として憧れの的となる東京23区の『地震危険度ランキング』ベスト・ワーストトップ5を紹介します。

東京都の地震危険度

東京23区 地震危険度ランキング

東京都が2022年10月に発表した「地震に関する地域危険度測定調査(第9回)」の調査結果ににより「SAIBOU PARK MAGAGINE」が算出した地震危険度ランキングの平均値を元に、東京23区の地震危険度のベスト・ワーストトップ5を紹介します。

「地震に関する地域危険度測定調査」とは、地震発生時の危険性を、以下の3つを地域ごとに測定した総合危険度の指標です。

  • 建物倒壊危険度
  • 火災危険度
  • 災害時活動困難係数

「地震に関する地域危険度測定調査」によると、危険度の高いエリアは5、低いエリアは1として評価しています。

昭和50年からおよそ5年ごとに行われているこの調査は、地域の地盤などの環境条件以外にも、建築物の耐震性や設備の見直し、道路や公園の整備状況などによる地域ごとの安全性の向上を見ることができ、その程度によって、ランキングは入れ替わります。

あくまでも市区町村単位でのランキングであり、含まれる住所すべてが必ずしもランキング同等の危険度とは限りません。

各都市において安全対策の強化が図られているため、危険度ランキングワーストの上位エリアについて『危険度が上がった』ため上位に浮上したわけではなく、全体的に安全度が上がっているためのランキングの上下であるとするのが正しい解釈です。

東京23区の地震危険度ランキングワースト5

東京23区 地震危険度ランキング
順位 区名
(総町丁数)
危険度5の町丁 最も危険度の高い町丁
(2km圏内の避難場所数)
危険度1の町丁
1位 荒川区
(52)
荒川2~3、6
西尾久2、5~6
東尾久2、6
町屋2~4
南千住1、5
町屋4
(44)
東尾久7
南千住4、8
2位 葛飾区
(155)
鎌倉4
新小岩3
西新小岩5
東立石4
東四つ木3
堀切2、5
東四つ木3
(4)
奥戸7
金町1、6
金町浄水場
白鳥4
高砂4
新宿6
西新小岩1~2
東金町8
東新小岩2
東水元5
水元公園
南水元3
3位 墨田区
(104)
押上3
京島2~3
墨田2~5
立花2
東向島1、5
向島4
八広2~4
墨田3
(14)
錦糸1、4
江東橋2~4
堤通2
横網1~2
4位 北区
(113)
上十条5
上中里3
志茂4~5
豊島3
志茂4
(28)
赤羽北3
赤羽台1~2、4
赤羽西5
浮間5
王子1、6
王子本町1、3
桐ケ丘1~2
十条台1~2
滝野川7
豊島5
西が丘3
東田端2
5位 中野区
(85)
野方2
若宮1
野方2
(20)
新井5
江古田1、3~4
江原町1~2
鷺宮2
中野4
丸山1~2
弥生町5~6

避難場所は学校や公民館、体育館や野球場などが多く、被災者が滞在できる適切な規模であり、生活関連物資の配布が可能な設備や構造を有していることが認められています。

災害時の徒歩での避難限界距離は約1.5~2kmとされているため、半径2km以内の避難場所を想定しています。

1位 荒川区

荒川区は荒川があるため、地震以外の水害なども危険度が高いとされています。

  • 『沖積層』と呼ばれる水分の多い軟弱地盤のため、揺れやすい
  • 木造建築物が密集する場所が多く、火災や倒壊の危険性が高い
  • 全体的に液状化の可能性があるが、特に可能性の高い箇所がまばらにある

山手線の日暮里駅と西日暮里駅周辺は揺れにくいとされています。

2位 葛飾区

東京23区の東部は沖積層という、揺れやすく弱い地盤が広がっていて、葛飾区もその1つといわれています。

  • 弱い地盤で全体的に揺れやすい
  • 木造建築物が密集する場所が多く、火災や倒壊の危険性が高い
  • 全体的に液状化の可能性があるが、特に可能性の高い箇所半々で混在

液状化に関しては、東日本大震災の際に実際の被害が出ています。

3位 墨田区

墨田区は首都直下地震が発生する場合に想定されている震源地に近いため、その際の墨田区は震度6強の揺れと想定されています。

  • 沖積層が全体を覆っているため、揺れやすい
  • 木造建築物が密集する場所が多く、火災や倒壊の危険性が高い
  • 全体的に液状化の可能性があるが、特に可能性の高い箇所が多数ある

沖積層の深さが30~40mにも達するため、液状化現象のほかに地盤沈下も起こる可能性が高いです。

4位 北区

北区は、細長いエリアを斜めに沿って半分に割ったようなラインを境に、北東の台地と南西の低地とに分かれているため、地震の際の被害にも違いがあります。

  • 南西は揺れにくく、北東は揺れやすい
  • 木造建築物が密集する場所が多く、火災や倒壊の危険性が高い
  • 南西は安全だが、北東は全体的に液状化の可能性がある

北部については、ポツポツと液状化の可能性が高い場所が多く散らばっています。

5位 中野区

中野区は、全体的には固い地盤である台地の割合が多めですが、川沿いの低地と標高が高めの台地が交互に繰り返して北から南に向かう、波打つような地形をしています。

  • 全体的に揺れにくい
  • 木造建築物が密集する場所が多く、他の区と比べ火災や倒壊の危険性が高い
  • 全体的に液状化の可能性は低い

中野区の土地利用の8割は住居のため、他の区に比べると火災の危険度が高くなります。

東京23区の地震危険度ランキングベスト5

東京23区 地震危険度ランキング
順位 区名
(総町丁数)
危険度3の町丁 危険度4の町丁
1位 千代田区
(115)
神田佐久間町3
神田多町2
外神田5
 
2位 港区
(108)
白金3、5~6
新橋3
 
3位 中央区
(100)
入船2
月島1
佃3
日本橋人形町2
月島3
4位 渋谷区
(80)
笹塚3
西原3
幡ヶ谷3
本町5~6
5位 世田谷区
(277)
赤堤4~5
梅丘3
大原1
奥沢4
上北沢3
上祖師谷3、5
北沢1、3~4
経堂1、3
駒沢4
豪徳寺1
桜1~2
桜上水2
祖師谷4、6
太子堂2~4
代沢1~2、5
代田5~6
千歳台2
野沢1
羽根木1
東玉川1
松原2、4~5
三宿1
宮坂2
若林1~4
北沢5
経堂2
祖師谷5
太子堂5
羽根木2
船橋1
松原3

ランキングベスト5では、安全性の高い区の中で、比較的危険といわれている町丁を参考までに紹介しています。地震危険度5の町丁はありません。

1位 千代田区

千代田区にある皇居は元々江戸城があった場所であり、標高が高く地盤が固い武蔵野台地(別名・麹町台地)に支えられています。

一部の水害に弱い地域を除いて全体的に揺れにくく、区内東部の若干の地域を除く大方8割は、液状化の可能性も低いといわれています。

2位 港区

港区は全体的に揺れにくく、北東部に一部揺れやすい場所(新橋・芝公園・芝大門・浜松町)があるのみです。特に北部は揺れにくいです。

東側の海に面したエリアに津波がくる危険性がありますが、外海ではなく東京湾に面しているため、巨大津波は発生しないと予想されています。

古い建物が密集している地域も少ないため、火災の危険性は低く、沿岸は液状化の可能性が高いところも見られますが、内地に向かうにつれてその可能性は低くなっています。

3位 中央区

中央区には、月島川を初めとした5箇所の水門があり、佃・月島・勝どき・晴海エリアを水害から守っていて、地震による被害はないものと考えられているため、津波ハザードマップを作成していません。

北東部が揺れやすい傾向にありますが、それ以外は心配するほど揺れが大きくない場所がほとんどを占めています。

全体的に液状化の可能性があることや、埋立地付近や河口付近などは液状化の可能性が高いことが懸念されています。

4位 渋谷区

渋谷区は特に地震の際の揺れの偏りはなく、全体的に同程度で揺れにくい地盤といわれています。

土砂災害が想定される場所も特になく、液状化の可能性も全体的に低いとされています。

一部に木造住宅が密集し、道路が狭い地域に関しては建物倒壊の恐れや火災の危険性があります。

5位 世田谷区

世田谷区は、中央から少し南部方面あたりが揺れやすいという他は、全体的に揺れにくい地盤です。

液状化の可能性も低いですが、土砂災害については多摩川沿いが警戒されています。

元々農地だった世田谷区は建物が密集していないという理由もあり、地震に対する危険度は総合的に高くありません。

まとめ

知らない土地で物件を探す際は、まず候補の住所を頼りに探すため、東京23区の地震危険度ベスト・ワーストトップ5を、町丁とともに紹介しました。

地震の被害を全く受けない土地など、残念ながらありません。

しかし、何かしらの都合で、どうしても危険度の高い土地の中から転居先を探さなければならない都合もあるでしょう。

避難場所を把握し、危険な箇所を念頭におく、日頃から災害に対して用意しておくことは、危険度の低いエリアに住んでいても同様に必要です。

地震危険度の高低にかかわらず、災害を避ける準備はしておきましょう。

Homeeeマガジン編集部

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