賃貸物件をネットなどで探している際、保証人不要と書かれている物件を見たという人は多いでしょう。
保証人が要らないため身内や友人に頼む必要もなく、人気となっているのは確かです。
保証人が不要と聞くと「やばい物件なのではないか」「トラブルに巻き込まれそう」など不安になる人も少なくありません。
本記事では、保証人についての基礎知識を始め、保証人不要の賃貸物件は本当にやばいのかなど徹底解説します。
「保証人を依頼する人がいない」と困っている人は、必見です。
目次 -INDEX-
保証人不要の賃貸物件はやばいって本当?
ネットなどに掲載されている物件を見ると、保証人不要の賃貸物件の多さが目立ちます。
保証人不要の賃貸物件に不安や疑問を抱く人は多いですが、すべての保証人不要物件に問題があるわけではありません。
問題ないとする根拠は、保証人不要の場合保証人の代わりに保証会社への加入が主流だからです。
保証会社は家賃を滞納した際に立て替えなどを行う会社で、家賃の滞納リスクに備える役割を果たします。
入居者が家賃などを滞納しても保証会社が立て替えてくれるので、オーナーは安心して賃貸物件契約ができるのです。
保証人不要の物件は今や大多数
保証会社の仕組みとは?
借主が保証会社と賃貸契約を結ぶ場合、保証会社の利用料として家賃の0.5~1か月分ほどの保証料を支払います。
保証期間は1・2年ほどで、保証内容は家賃や管理費など毎月支払う費用や契約違反に伴う違約金や損害金などです。
保証の契約には、一般保証型と支払委託型の2種類があります。
一般保証型は入居者が家賃を滞納した場合、保証会社が立て替え払いを行い入居者に立て替え分を請求する流れです。
入居者からの委託で滞納ではない場合も保証会社が毎月家賃を立て替え、立て替え分を入居者に請求するのが支払委託型となります。
保証会社を利用している物件の割合
保証会社を利用している物件が多い傾向とは言え、実際どれほどの割合で利用しているのかを数字で見ていきます。
保証会社を必須としている割合は、全国的に見ても93%と90%を軽く超えていました。
関東圏・関西圏などエリア別や管理戸数別から見ても、保証会社の必須割合は高くいずれも90%以上です。
滞納リスク回避のため貸借主・賃貸業界などにかかわらず、保証会社の利用が定着してきていると考察されています。
賃貸物件の保証人になれる条件
- 十分な支払い能力のある人
- 国内に居住している人
- 2親等以内や3親等以内の親族
賃貸物件の保証人は家賃や諸費用など支払いが生じた際に、賃借人に代わって支払う能力のある人が条件となります。
入居時の審査において、入居者だけではなく保証人の職や収入も審査の要素となり得るのです。
保証人が海外居住者の場合滞納で支払い請求をしても速やかな対応ができないため、保証人になれるのは国内に居住している者となります。
親や兄弟姉妹などの2親等以内の親族や叔父叔母などの3親等以内の親族が、保証人には適しているとされます。
身内である場合は、連絡が取りやすく話し合いもスムーズに行くケースが多いからです。
保証人と連帯保証人の違い
賃貸物件の保証人とは入居者に支払い能力がなくなった場合、請求に応じる義務が生じる人を指します。
オーナーや管理会社に各費用を請求されたとしても、入居者に支払い能力があるときは拒否できるのが保証人です。
連帯保証人は入居者と同じ支払い責任があるため、請求があれば必ず支払う必要があります。
返済できない場合、代わりに返済する義務を負うのは保証人と連帯保証人の共通点です。
ただし、保証人と連帯保証人の大きな違いは支払い責任の重さで、身内でも連帯保証人を断る人が多いのは支払いを断れないからです。
保証人不要の物件がほとんどの理由
保証会社の利用で家賃の滞納があっても賃料が入る
保証人不要の物件が多いのは、保証会社の利用で家賃滞納があったとしても賃料が入るという理由からです。
保証会社は連帯保証人の役割を果たしているため、入居者が家賃を支払えなかった場合立て替えて支払います。
保証会社と契約していれば、家賃や諸費用の滞納があった場合でも家賃収入が途切れる心配がないのです。
オーナーや管理会社は保証会社の存在により督促や賃料の回収など業務負担が軽減し、さらに安心感もあります。
入居のハードルを下げられる
保証人不要の物件が多いのは、保証人を依頼できる人がいない場合でも契約できるので入居のハードルを下げられるというのも一つの理由です。
保証人を誰にも依頼できない場合は賃貸物件に入居できないことになりますが、保証人不要の物件で保証会社を利用すれば入居できる可能性が高くなります。
大家さんや管理会社は保証人不要で保証会社を利用すれば、手続きなどを保証会社に任せられて大幅に負担が軽減されます。
保証人不要の物件を探すときに知っておきたいポイント
保証会社ごとに審査内容が異なる
- 信販系保証会社
- LICC(全国賃貸保証業協会)系保証会社
- CGO(全国保証機構)系保証会社
- 独立系保証会社
保証会社は主に信販系・LICC協会系・CGO(全国保証機構)系・独立系の4つに分類されており、各保証会社により審査内容が異なります。
信販系はクレジットカードを発行している保証会社で、カードのトラブルなど信販系の過去歴をもとに審査を行います。
株式会社アプラス、株式会社エポスカード、オリエントコーポレーション、株式会社ジャックス、株式会社セゾン、株式会社セディナ、株式会社ライフなど
LICC協会系の保証会社は全国賃貸保証業協会(LICC)に加盟し、滞納履歴などのデータベースをもとに審査を行うものです。
アーク株式会社、株式会社アルファー、エルズサポート株式会社、K-net株式会社、興和アシスト株式会社、ジェイリース株式会社、全保連株式会社、大成保証株式会社、株式会社宅建ブレインズ、賃住保証サービス株式会社、ナップ賃貸保証株式会社、ニッポンインシュア株式会社、ホームネット株式会社、株式会社ランドインシュア、株式会社ルームバンクインシュアなど
CGO(全国保証機構)系の保証会社は、基本的に決まった審査基準はなく各社独自で審査基準を設けています。他社との情報共有も薄く、各社それぞれで審査し判断しています。比較的審査が通りやすい保証会社と言われています。
株式会社いえらぶパートナーズ、株式会社インシュアランス、SFビルサポート株式会社、エルズサポート株式会社、株式会社ONODERA LIFE SUPPORT、株式会社Casa、新日本信用保証株式会社、株式会社セーフティーイノベーション、株式会社ダ・カーポ、株式会社D2、有限会社トラスト・コーポレーション、中洲貴金属株式会社、ナップ賃貸保証株式会社、ニッポンインシュア株式会社、日本セーフティー株式会社、日本賃貸住宅保証機構株式会社、フォーシーズ株式会社、VRサポート株式会社、みらい保証株式会社、株式会社USEN TRUST、株式会社ラクーンフィナンシャル、株式会社ラクーンレント、レスト・ソリューション株式会社など
独立系は信販系・協会系どこにも属していない保証会社で、決まった審査基準はなく各社独自で審査基準を設けています。
トラブル履歴がある場合など審査通過が難しいのは信販系と協会系で、審査が通りやすい傾向にあるのは独立系です。
プラザ賃貸管理保証株式会社、クレデンス、日本賃貸保証株式会社、ハウスリーブ株式会社など
必ず内見してから契約を進める
保証人不要の物件を探すときは、必ず内見して契約を進めるのがポイントです。
数ある保証人不要物件の中には、応募が少ないため保証人不要としているケースも考えられます。
たとえば物件が、駅から遠く交通の便が悪い・治安が悪い場所にある・部屋が狭い・古い・事故物件の可能性もあるのです。
自分が居住する場所なので、実際に自分の目で確かめて納得の行く物件かどうかを見極める内見は必要不可欠です。
内見の際には気になる点を直接担当者へ質問もできるため、内見で細かく確認してみてください。
過去の支払い滞納などがある場合は事前に不動産会社に相談する
過去にクレジットカードなどの支払い滞納などがある場合は、正直に不動産会社に相談しましょう。
審査に通りやすい物件は一般的に数が少ないため、事前に不動産会社に相談しなければ審査や物件選びに時間がかかります。
自分の現状や信用情報を説明しトラブル歴をあらかじめ不動産会社に伝えておくと、審査に影響するかを考えてくれます。
どうしようかと悩まずに、不動産会社へ問い合わせてみてください。
保証料を事前に確認しておく
保証人不要の物件を探す場合は、保証料を事前に確認しておく必要があります。
保証会社を利用する際に発生する保証料は、各保証会社により異なるため確認が大事なのです。
保証料の相場を紹介すると家賃の50%~100%で、具体的には初期・更新・月額保証料があります。
初期保証料は家賃の50%が相場とされ、1年ごとか物件の契約更新ごとの支払いは更新保証料です。
更新保証料は、契約期間中に家賃滞納などのトラブルがあると割高になる可能性があります。
月額保証料は初期保証料設定が低い場合、毎月家賃の1~2%の保証料を支払うのが一般的です。
まとめ
保証人不要の賃貸物件は増加の一途をたどり、保証会社の利用割合も多くなっています。
保証人不要と聞くと悪いイメージを持つ人も多い中、必ずしもやばい物件ではないことが分かったのではないでしょうか。
保証人を探す必要がなく親族にも迷惑をかけずに済むため、保証料はかかるものの保証人不要物件の利用はおすすめです。
過去に滞納歴がある場合は注意が必要で、正直に不動産会社へ伝えましょう。
訳ありとして保証人不要物件となっている場合もあるので、必ず内見を行い実際足を運び自分の目で確かめてください。